【脱帽】と【敬服】と【感服】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「脱帽」(読み方:だつぼう)と「敬服」(読み方:けいふく)と「感服」(読み方:かんぷく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どれを使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「脱帽」と「敬服」と「感服」という言葉は、どれも他者に対する尊敬の気持ちを表すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。



脱帽と敬服と感服の違い

脱帽と敬服と感服の違いを分かりやすく言うと、脱帽は被っていた帽子を脱ぎ、自分の立ち位置を下げることで相手に敬意を表すもので、敬服は感心して尊敬の念を抱くことで、感服は深く感心して尊重の気持ちを抱くことを意味するという違いです。

脱帽という言葉は、漢字の通り、被っている帽子を脱ぐことを意味しています。ここで言う帽子というのは、例えば権威のことを意味しています。古くから頭に被るものというのは、権威を象徴するものでした。

権威を象徴するものとしては、王冠などがそれに当たります。それらの権威の象徴を脱ぎ捨てることによって、自分の立ち位置を下げて、相手に対して敬意を表現するのが脱帽という言葉だと覚えておくようにしましょう。

次に、敬服という言葉を考えます。敬服とは、感心して尊敬の念を抱くことを意味している言葉です。ここで言うところの感心するという感情は、長い間ずっと持っている気持ちである場合が多いものです。

敬服という感情は、昔から尊敬している人や、前から模範として尊重していた人などに対して使用する言葉です。元々尊敬をしていたけれど、何かの物事をきっかけに、更に尊敬の気持ちが増した場合などにも使用されます。

最後に感服という言葉を考えます。この言葉は、敬服と類語であり、ほとんど同じ意味を持つ言葉です。しかし敬服とは違い、感服の場合には、その時に感じた突発的な尊敬の気持ちを表現することが多いものです。

何か尊敬すべき物事が起こった際に、それを目にして「感服いたしました」などのように使用されます。その場で感じた気持ちを表現しているもので、継続的な尊敬の気持ちというわけではありません。

その時に感じたこと、その時に心が動いたことなどを感服という言葉で表現するのだと覚えておくようにしましょう。感服の「感」という字が、感情の「感」という字であると考えるとその意味が分かりやすくなります。

脱帽の意味

脱帽とは、相手に敬意を表して、被っていた帽子を脱ぐことや、感服の意を示すことを意味しています。昔から、被っている帽子を脱ぐという行為は無防備な自分をさらすことであり、相手に危害を加えるつもりがないことを示すものでした。

また、頭の上に被るものというのは、権威の象徴とされていました。例えば王冠などがわかりやすいでしょう。それを相手の前で脱ぐことで、自分の権威を下げ、相手を持ちあげるという意味を持つもので、帽子を脱ぐことは敬意を表す意味になりました。

この脱帽という表現は、前述の通り、元々は権威のある人がわざわざその権威を下ろして相手を人間的に敬う気持ちを表現するものとされていた言葉です。そのため、一般的には目上の人や立場が上の人に対しては使わない言葉です。

自分と同じくらいの立場にある人に使ったり、または自分よりも立場が下の人に対して「感服した」「感心した」などの気持ちを表現したい場合に「脱帽しました」と使うようにしましょう。

脱帽の類語としては、相手に敬意を表すことを意味する表敬(読み方:ひょうけい)や、何度も頭を下げることを意味する三拝九拝(読み方:さんぱいきゅうはい)などがあります。いずれも相手を敬う意味を持つ表現です。

脱帽という言葉の「脱」という漢字は、外側を覆っているものを取り去る、枠から抜け出すなどの意味を持つ漢字です。「帽」という字は、頭に被る物を意味しています。漢字の意味から考えても、脱帽とは、被り物を取り去ることであるとわかります。

脱帽の「脱」という字を使った別の単語としては、属していた会から抜けることを意味する「脱会」、本来含んでいる色や染め色を抜き取ることを意味する「脱色」、文章や印刷物で書き落としたり組み落としたりした文字を意味する「脱字」などがあります。

敬服の意味

敬服とは、感心して尊敬の念を抱くこと、敬意を持って服することを意味しています。敬服という言葉は、主に目上の人や立場が上の人に対して使う表現です。類語としては、感服(読み方:かんぷく)という言葉があり、これは後述して説明するものです。

その他にも、関連語としては、直接に教えは受けないが密かにその人を師と考えて尊敬し、模範として学ぶことを意味する「私淑」(読み方:ししゅく)、聖人や偉人の徳を仰ぎ尊ぶことを意味する「賛仰」(読み方:さんぎょう)などがあります。

いずれの言葉も、目上の人や立場が上の人に対して敬意を表することを意味している言葉であり、ビジネスシーンなどでもよく使用される言葉です。上司や取引先の相手などにも使用できる言葉であると覚えておくようにしましょう。

敬服の「敬」という漢字は、敬い慎む、身を引き締めて恭しくするなどの意味を持つ言葉です。そして「服」という漢字は、つき従う、受け入れるという意味を持つものです。つまり、漢字の意味で考えても敬服とは、敬いつき従うことを意味しています。

敬服という言葉は、どちらかと言えば、突発的な気持ちではなく、ずっと持ち続けている気持ちのことを表現する際に使用される言葉です。「先生のことはずっと敬服しております」などのように継続の言葉と一緒に使用することも多いものです。

敬服の「敬」という字を使った別の単語としては、崇めて敬うことを意味する「崇敬」、崇高なものや偉大な人を、畏れ敬うことを意味する「畏敬」、関わりを持つことを嫌ってその物事を避けることを意味する「敬遠」などがあります。

感服の意味

感服とは、相手に対して深く感心をして、尊敬や尊重の気持ちを抱くことを意味しています。類語としては、敬服(読み方:けいふく)という言葉があり、これは前述にて説明したものです。

また、関連語としては、人を敬って心から従うことを意味する「推服」(読み方:すいふく)、命令につつしんで従う態度をとることを意味する「恭順」(読み方:きょうじゅん)などがあります。

いずれの言葉も、目上の人や立場が上の人に対して敬意を表すことを意味しているものです。ビジネスシーンなどでもよく使用される言葉だと覚えておくようにしましょう。上司や取引先の相手に対しても使える表現です。

感服の「感」という漢字は、心が動く、心に響く、心に受けるという意味を持つ言葉です。そして「服」という漢字は、前述の通り、つき従う、受け入れる、下るという意味を持つものです。

つまり、漢字の意味で考えても感服とは「相手の行動などが心に響き、受け入れてつき従う」ということを意味する言葉であると言えます。感服という言葉は、「感」という字が入っていることからもわかるように、気持ちが動いたことを表現しています。

感服は、どちらかと言えば、今起こったことなどに対して突発的に思った気持ちのことを表現する際に使用されるものです。尊敬を感じたその瞬間に「感服致しました」というような使い方をします。

感服の「感」という字を使った別の単語としては、ちょっとしたことにも感情を動かされることを意味する「多感」、物事に接したときに心にわき起こる感情を意味する「情感」、言葉から受ける主観的な印象を意味する「語感」などがあります。

脱帽の例文

1.あの時の彼の英断には脱帽したなぁ。
2.彼女の実力を目にした人は、誰しもが脱帽するだろうと思う。
3.彼の規則正しい生活態度には、脱帽せざるを得ない。

この言葉がよく使われる場面としては、相手に敬意を表して、被っていた帽子を脱ぐような、感服の心持ちを表現したい時などが挙げられます。昔から、頭の上に被るものというのは、権威の象徴とされていました。

その権威の象徴を脱ぎ去ることで、相手に敬服の気持ちを表すのが「脱帽」という言葉です。感心したり、驚いて見直した時などに使われる表現で、一般的には、自分と同じくらいの立場の人や親しい人、目下の人に対して使用される言葉です。

「彼の努力には脱帽しました」などのように使用されますが、これは彼が思っていた以上の努力をしたことに対して驚き、そして心から感心と敬服の気持ちを覚えたことを意味する表現です。

敬服の例文

1.どんどんと傑作を生みだす先生の実力には、敬服するばかりです。
2.先生の寛大なお人柄には、学生時代から敬服の念を抱いている次第です。
3.祖母の献身的な態度を目にして、敬服の気持ちを抱く。

この言葉がよく使われる場面としては、感心して尊敬の念を抱くことや、敬意を持ってその人につき従うことを表現したい時などが挙げられます。敬服とは、主に目上の人や立場が上の人に対して使用する表現です。

敬服とは、その時々の瞬発的な尊敬ではなく、継続的に相手を尊敬している場合などに使用される言葉です。例文にもあるように「ずっと尊敬はしていましたが、改めて今回、感心して素晴らしいと思った次第です」というような意味を持つ言葉です。

感服の例文

1.トップアスリートの対談番組を見て、その真摯な姿勢に感服した。
2.まだまだ子供だと見くびっていたけれど、すっかり立派な大人になっていて感服した次第だ。
3.どんな窮地でも諦めない貴方の生き方に、感服致しました。

この言葉がよく使われる場面としては、相手に対して深く感心をして、尊敬や尊重の気持ちを抱くことを表現したい時などが挙げられます。感服とは、主に目上の人や立場が上の人に対して使用する言葉です。

しかし、例文2のように目下の相手に対しても感心を覚えた場合には使用することが出来ます。あまり親しい相手には使いませんが、親戚の子供などに対しては使用することもあるものです。

また、感服という言葉は、継続的な尊敬の気持ちではなく、突発的に感心を覚えた場合に使用されることの多いものです。「今、感心を抱きました」という意味で使用されることの多いものであると覚えておくようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター