似た意味を持つ「メルクマール」と「ベンチマーク」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「メルクマール」と「ベンチマーク」という言葉は、「基準や指標」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
メルクマールとベンチマークの違い
メルクマールとベンチマークの意味の違い
メルクマールとベンチマークの違いを分かりやすく言うと、メルクマールは区別をするための目印を表現する時に使い、ベンチマークは比較するための水準を表現する時に使うという違いです。
メルクマールとベンチマークの使い方の違い
一つ目のメルクマールを使った分かりやすい例としては、「見分けるためのメルクマールを確認する」「リピート率10%増をメルクマールにして数値設定をした」「目標を必ず達成するためのメルクマールを検討する」などがあります。
二つ目のベンチマークを使った分かりやすい例としては、「適切なベンチマークに基づいた検査が行われた」「ベンチマークレポートを参考に同業他社のデータとの比較をする」「新しい機種のベンチマークが公開され始めた」などがあります。
メルクマールとベンチマークの使い分け方
メルクマールとベンチマークはどちらも、物事を判断する際の基準や指標を表す言葉として使われていますが、具体的に指すものが異なります。
メルクマールは、基準だけでなく、上記例文の「目標を達成するためのメルクマール」などのように最終的な目標に至るまでの中間目標や中間地点を表す言葉として使われる言葉です。
一方のベンチマークは、他のものとの比較を行うためにパフォーマンスに関する数値などを分析して導き出された指標を表す言葉です。本来の水準点を意味します。
つまり、メルクマールは目的を完遂するための工程や過程における中間目標や目印などを表し、ベンチマークは製品やシステムを比較する上での水準点を表すという違いがあります。
メルクマールとベンチマークの英語表記の違い
メルクマールを英語にすると「merkmal」となり、例えば上記の「見分けるためのメルクマール」を英語にすると「merkmal for identifying」となります。
一方、ベンチマークを英語にすると「benchmark」となり、例えば上記の「適切なベンチマーク」を英語にすると「a proper benchmark」となります。
メルクマールの意味
メルクマールとは
メルクマールとは、物事を判断する基準や指標を意味しています。
その他にも、中間地点や最終目標までの中間目標を表す言葉としても使われます。
メルクマールの使い方
「あの作品がメルクマールとされ始めたのは最近のことだ」「適性判断のメルクマールとして数値が設定されている」「これまではメルクマールが存在せず対処が遅れていた」などの文中で使われているメルクマールは、「判断基準」の意味で使われています。
一方、「メルクマールの策定を行うにあたって全工程を見直した」「掲げられたメルクマールのおかげでモチベーションを維持できた」「メルクマールとされた目標値を上回った」などの文中で使われているメルクマールは、「中間目標」の意味で使われています。
メルクマールは英語で「merkmal」と表記される言葉ですが、ドイツ語の「merken」が由来となっている言葉です。目印や特色を表しますが、似たような物を区別する時に使われる言葉で、哲学において使われています。
今日では、最終的に据えられた目標までの中間地点や中間にあたる達成基準などを指す言葉として使われることが多い言葉で、医療用語や金融、法律用語として使われることが多く、日常会話で使われることはほとんどありません
メルクマールの類語
メルクマールの類語・類義語としては、他と比べて目立つ点を意味する「特徴」、そのものだけが持つ性質を意味する「特性」、目印として設けられたものを意味する「標識」、検索や指示のためにつけられる文字や図形を意味する「符号」などがあります。
ベンチマークの意味
ベンチマークとは
ベンチマークとは、物事の基準や指標を意味しています。
その他にも、測量における水準点を表す言葉としても使われます。
ベンチマークの使い方
「ベンチマーク調査の結果を踏まえた方針を立てる」「ベンチマークが公開されその製品への期待が高まった」「ベンチマークスコアを見てもいまいちピンと来ない」などの文中で使われているベンチマークは、「基準や指標」の意味で使われています。
一方、「ベンチマークテストを新しいパソコンで実行する」「事業者にとってのベンチマークを設定するだけではあまり効果はないだろう」「ベンチマーク以上を水準に設定した」などの文中で使われているベンチマークは、「水準点」の意味で使われています。
ベンチマークは英語で「benchmark」や「bench mark」と表記される言葉で、「B.M.」と省略されることもあります。土木用語では、測量を行う際の水準点を意味する言葉として使われています。
「ベンチマークテスト」の意味
上記例文の「ベンチマークテスト」とは、コンピュータのソフトウェアやハードウェア製品を比較するために性能を評価する試験を指す言葉で、「ベンチマーク」という言葉だけで表されることもあれば、「ベンチテスト」とも呼ばれます。
ベンチマークの類語
ベンチマークの類語・類義語としては、物事を考えたり行うときの立場や程度を意味する「次元」、おおよその基準を意味する「目安」、考えや行動のもととなるところを意味する「基点」、判断や評価などの基準を意味する「尺度」などがあります。
メルクマールの例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事を判断する基準や指標などが挙げられます。
例文5のメルクマールは、中間目標の意味で使われています。例文1や例文2のメルクマールも中間目標の意味で捉えられることもあれば、指標を意味する言葉として捉えることもできます。
ベンチマークの例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の基準や指標などが挙げられます。
例文1の「仮ベンチマーク」とは、国道に設けられた水準点よりも現場に近い場所に仮として設置されるベンチマークを指す言葉で、道路上のマンホールなどを仮ベンチマークとすることで高低差を測りやすくするものです。
メルクマールとベンチマークは、どちらも「基準や指標」を表します。どちらを使うか迷った場合は、区別をするための目印を表す場合は「メルクマール」を、比較するための水準を表す場合は「ベンチマーク」を使うと覚えておけば間違いありません。