【苦渋をなめる】と【苦汁をなめる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「くじゅうをなめる」という読み方の「苦渋をなめる」と「苦汁をなめる」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「苦渋をなめる」と「苦汁をなめる」という言葉は同音の言葉ですが、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「苦渋をなめる」と「苦汁をなめる」の違い

「苦渋をなめる」は「苦汁をなめる」の間違い

「苦渋をなめる」と「苦汁をなめる」の違いを分かりやすく言うと、「苦渋をなめる」とは「苦汁をなめる」の間違った使い方、「苦汁をなめる」とは苦い経験をすることです。

「苦渋をなめる」は誤字

一般的には「苦渋をなめる」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「苦汁をなめる」のことを間違えて「苦渋をなめる」を使っている人がほとんどです。

「苦汁をなめる」は正しい日本語

正しい言葉である「苦汁をなめる」を使った分かりやすい例としては、「今回の大統領選挙は苦汁をなめる結果となった」「大学受験に失敗し苦汁をなめることになった」「彼は仕事で苦汁をなめる」などがあります。

「苦汁をなめる」という言葉はあっても、「苦渋をなめる」という言葉は存在しません。同時に「苦汁をなめる」という慣用句の意味について「苦い経験をすること」と覚えておきましょう。

「苦汁をなめる」の英語表記

「苦汁をなめる」を英語にすると「have a bitter experience」となり、例えば上記の「彼は仕事で苦汁をなめる」を英語にすると「He has a bitter experience at work」となります。

「苦渋をなめる」の意味

「苦渋をなめる」とは

「苦渋をなめる」とは、「苦汁をなめる」の間違った使われ方です。

「苦渋をなめる」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「苦汁をなめる」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「苦渋をなめる」と間違えやすい理由

「苦渋をなめる」と「苦汁をなめる」を間違えてしまう理由としては、同音の言葉であるため勘違いして覚えてしまっていることが原因です。

「苦渋をなめる」の「苦渋」とは、苦くて渋いことや、苦しみ悩むことを意味しており、苦くて渋いものはなめるのではなく、味わうものです。そのため、「苦渋をなめる」は間違った日本語になります。もし、「苦渋」という言葉を使いたいのであれば「苦渋を味わう」を使いましょう。

もう一方の「苦汁をなめる」の「苦汁」は苦い汁や辛い経験を意味しており、苦い汁は飲み物なので、なめるや飲まされるを使った「苦汁をなめる」や「苦汁を飲まされる」が正しい日本語になります。

また、「苦渋をなめる」が間違った日本語であるように、「苦汁を味わう」としてしまうと間違った日本語になるので注意しましょう。

「苦汁をなめる」の意味

「苦汁をなめる」とは

「苦汁をなめる」とは、苦い経験をすることを意味しています。

「苦汁をなめる」の使い方

「苦汁をなめる」を使った分かりやすい例としては、「昨日のオーディションでは苦汁をなめさせられた」「今年の全国大会は苦汁をなめる結果となった」「投資に失敗し苦汁をなめました」「我が軍は敗北の苦汁をなめることになりました」などがあります。

その他にも、「苦汁をなめながら努力を重ねました」「彼には幾度なく苦汁をなめさせられた」「甲子園の決勝戦は苦汁をなめる結果となりました」「事業に失敗して苦汁をなめた」などがあります。

「苦汁をなめる」は人生において辛い経験や苦い経験をした場合に使う言葉なため、日常生活、ビジネスシーン、スポーツシーンなど様々な場面で使用することができます。

「苦汁をなめる」の語源

「苦汁をなめる」の「苦汁」は苦い汁を意味しており、これをなめることが転じて、苦い経験をすることや辛くて嫌な思いをすることを意味する慣用句になりました。

「苦汁をなめる」の漢字表記

「苦汁をなめる」を漢字にすると「苦汁を嘗める」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。

「苦汁をなめる」の類語

「苦汁をなめる」の類語・類義語としては、泣くような辛い目に遭うことを意味する「泣きを見る」、仕事や計画などが中途で失敗し駄目になることを意味する「挫折する」、苦しくて辛い目に遭うことを意味する「辛酸を嘗める」などがあります。

「苦渋をなめる」の例文

1.「苦渋をなめる」という言葉は存在しないので、おそらく「苦汁をなめる」の言い間違いだろう。
2.「苦汁をなめる」という言葉は苦い経験をすることで、「苦渋をなめる」という言葉はない。
3.「苦渋をなめる」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.落選の苦渋をなめるという言葉を使う人はいるが、正しくは落選の苦汁をなめるです。
5.苦汁をなめる結果になったという言葉はあるが、苦渋をなめる結果になったという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「苦汁をなめる」という言葉を間違えて「苦渋をなめる」と表現している時などが挙げられます。

「苦渋をなめる」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「苦汁をなめる」を間違えて使っている可能性が高いです。

「苦渋をなめる」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「苦渋をなめる」ではなく、「苦汁をなめる」と表現するのが正しい使い方になります。

「苦汁をなめる」の例文

1.プロ初登板で満塁をホームランを打たれるという苦汁をなめることになったが、このままでは終われないので必死に練習した。
2.昨シーズンは大怪我により苦汁をなめていたが、今シーズンは見事復活し日本一の原動力となった。
3.彼女には何度も苦汁をなめさせられているので、もう信用しないことにしました。
4.事業失敗という苦汁をなめたことがあるから、今の成長した私があります。
5.今年の日本シリーズは4連敗を喫し、苦汁をなめる結果となりました。

この言葉がよく使われる場面としては、苦い経験をすることを表現したい時などが挙げられます。

「苦汁をなめる」は苦い経験や辛い思いをした場合に使う言葉なので、上記の例文のように様々な場面で使用することが可能です。

「苦渋をなめる」と「苦汁をなめる」どちらを使うか迷った場合は、「苦渋をなめる」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「苦汁をなめる」を使うようにしましょう。

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