似た意味を持つ「およそ」と「おおよそ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「およそ」と「おおよそ」という言葉は、どちらも大体の所を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「およそ」と「おおよそ」の違い
「およそ」と「おおよそ」の意味の違い
「およそ」と「おおよそ」の違いを分かりやすく言うと、およそとは口語的に使う、おおよそとは文語的に使うという違いです。
「およそ」と「おおよそ」の使い方の違い
一つ目の「およそ」を使った分かりやすい例としては、「目的地まではおよそ30分くらいかるだろう」「今回の計画のおよそ内容は承知している」「被害総額は凡そどれくらいだろうか」「これはおよそ面白いくない映画だ」などがあります。
二つ目の「おおよそ」を使った分かりやすい例としては、「彼が出勤しないおおよその理由は分かります」「災害によるおおよその被害金額を計算している」「完成まではおおよそ5年かかると言われている」などがあります。
「おおよそ」が音変化した言葉が「およそ」なため、「おおよそ」と「およそ」は同じ意味を持つ言葉です。音変化とは、発音しにくい音を楽にするための変化のことです。簡単に言うならば、言いにくい言葉を言いやすくするということになります。
そのため、「おおよそ」は文語的に表現されることが多く、「およそ」は口語的に表現されることが多いという違いになります。あくまで多いだけなので、「おおよそ」を口語的に、「およそ」を文語的に使っても問題ありません。
また、「およそ」は全くや全然などの、否定的な表現方法で使うことがあるというのも違いになります。
「およそ」と「おおよそ」の英語表記
「およそ」も「おおよそ」も英語にすると「about」「approximately」となり、例えば上記の「目的地まではおよそ30分くらいかるだろう」を英語にすると「It takes about thirty minutes to reach your destination」となります。
「およそ」の意味
「およそ」とは
「およそ」とは、物事の大体の所を意味しています。その他にも、大まかに言うこと、話を切り出す時に用いる、全くや全然などの否定的な表現という意味を持っています。
表現方法は「およその数」「およその面積」「およそ等しい」
「およその数」「およその面積」「およそ等しい」などが、およそを使った一般的な言い回しです。
「およそ」の使い方
「およその見積もりを立ててみましょう」「企画の内容はおよそ把握しています」「およそあなたが遅刻したせいでこのような事態になった」などの文中で使われているおよそは、「物事のだいたいの所や話を切り出す時に用いる」の意味で使われています。
一方、「被害者はおよそどれくらいだろうか」「事故現場からはおよそ1キロ離れている」「これはおよそ面白くない小説だ」などの文中で使われているおよそは、「大まかに言うことや全くや全然などの否定的な表現」の意味で使われています。
「およそ」は「おおよそ」が音変化した言葉になります。音変化した言葉なので、口語的に日常会話で使われることが多いです。
「およそ」の漢字表記
「およそ」を漢字で表すと「凡そ」となります。
「およそ」には複数の意味がある
「およそ」は4つの意味を持つ言葉ですが、大体の所や大まかに言うことの意味で使われます。明確ではなく大まかな予想を立てる場合に使うと覚えておけば間違いありません。
上記の「被害者はおよそどれくらいだろうか」「事故現場からはおよそ1キロ離れている」を例に挙げると被害者はだいたいどれくらいになるのだろうか、事故現場からはだいたい1キロ離れているという意味なります。
3つ目の意味の話を切り出す時に用いる言葉の場合は、「そもそも」「一般に」のニュアンスで使われます。上記の「およそあなたが遅刻したせいでこのような事態になった」を例に挙げると、そもそもあなたが遅刻したおかげでこのような事態を招いたという意味になっています。
4つ目の意味は、全くや全然などの否定な表現で使わています。上記の「これはおよそ面白くない小説だ」を挙げると、これは全く面白くない小説だという意味になっています。
「およそ」の類語
「およそ」の類語・類義語としては、 細部を問題にせずに大まかに物事を行うことを意味する「ざっと」、一つに限らないでいくつものことに及んだり関わったりすることを意味する「彼此」(読み方:かれこれ)、短く簡単にすることを意味する「約」などがあります。
「おおよそ」の意味
「おおよそ」とは
「おおよそ」とは、大体の所を意味しています。その他にも、大雑把のことや話を切り出す時に使うという意味も持っています。
表現方法は「おおよその金額」「おおよその目安」「おおよその人数」
「おおよその金額」「おおよその目安」「おおよその人数」「おおよその日程」などが、おおよそを使った一般的な表現方法です。
「おおよそ」の使い方
「今日の業務はおおよそ昨日と同じ内容です」「おおよその計画を説明する」「彼女が 言うことのおおよそは理解できた」などの文中で使われているおおよそは、「大体の所」の意味で使われています。
一方、「彼が遅刻した理由はおおよそ見当がつきます」「おおよそでいいので完成までどのくらいかかりますか」「おおよそ日本人は働きすぎる傾向がある」などの文中で使われているおおよそは、「大雑把に言うことや話を切り出す時に使う」の意味で使われています。
「おおよそ」は文語的表現で使われることが多いです。簡単に言うとビジネスシーンや、文章で書く際に丁寧な言い回しとして使うということになります。
「おおよそ」は3つの意味を持つ言葉ですが、大体の所や、大雑把のことで使われることが多いです。話を切り出す時に使う場合は、「そもそも」や「一般的に」という意味で使われます。
「おおよそで構いませんので」の意味
「おおよそで構いませんので」というフレーズは、ビジネスシーンでよく使われる「おおよそ」の表現方法になります。だいたいで構いませんのでという意味の丁寧な言い回しになっています。
「おおよそ」の漢字表記
「おおよそ」を漢字で表現すると「大凡」となります。
「おおよそ」の類語
「おおよそ」の類語・類義語としては、だいたいの趣旨のことを意味する「大旨」、大部分のことを意味する「粗方」、事柄のだいたいの所を意味する「あらまし」、全部とは言えないがそれに近い程度のことを意味する「殆ど」などがあります。
「およそ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の大体の所を表現したい時などが挙げられます。その他にも、大まかに言うこと、話を切り出す時に用いる、全くや全然などの否定的な表現をしたい時に使います。
「およそ」は「おおよそ」が音変化した言葉なので、日常生活で口語的によく使われます。例文1や例文2は大まかに言うことの意味で使われており、例文5は話を切り出す時に用いる「そもそも」の意味で使われています。
「おおよそ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、大体の所を表現したい時などが挙げられます。その他にも、話を切り出す時や大雑把なことを表現したい時にも使います。
「おおよそ」は文語的に使われることが多いため、丁寧な言い回しで使われることが多いです。
例文1や例文2は大雑把にという意味で使われています。また、例文5のように「おおよそで構いませんので」という表現方法はビジネスシーンでよく使われています。
「およそ」と「おおよそ」は同じ意味を持つ言葉なので使い分けが難しいですが、「およそ」は「おおよそ」が音変化した言葉と覚えておいてください。そのため、日常生活の会話では「およそ」、文章を書く時やビジネスシーンでは「おおよそ」を使えば間違いありません。