【阿る】と【諂う】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「阿る」(読み方:おもねる)と「諂う」(読み方:へつらう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「阿る」と「諂う」という言葉は、どちらも人の気に入るように振る舞うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「阿る」と「諂う」の違い

「阿る」と「諂う」の意味の違い

「阿る」と「諂う」の違いを分かりやすく言うと、「阿る」とは人以外に対しても使える、「諂う」とは人に対してしか使えないという違いです。

「阿る」と「諂う」の使い方の違い

一つ目の「阿る」を使った分かりやすい例としては、「彼は上役に阿る」「権力に阿るなんて情けないです」「自分の利益のために上司に阿る」「時代に阿ることがない姿勢を評価している」「彼女はいつも上司に阿る」などがあります。

二つ目の「諂う」を使った分かりやすい例としては、「彼女は上司に諂う」「彼はリーダーに媚び諂う」「上司に諂うことが一切ないので尊敬しています」「彼は諂うことが上手いので出世するだろう」「彼女は上司に諂ってばかりいる」などがあります。

「阿る」と「諂う」の使い分け方

「阿る」と「諂う」は人の気に入るように振る舞うというほぼ同じ意味を持つ言葉ですが、使える範囲が異なっていることが違いになります。

「阿る」は「権力に阿る」「時流に阿る」「時代に阿る」など、人以外に対しても使うことができますが、「諂う」は「権力に諂う」「時流に諂う」「時代に諂う」などとは使えず、人に対してのみ使う言葉です。

「阿る」と「諂う」の英語表記の違い

「阿る」を英語にすると「flatter」「fawn」となり、例えば上記の「彼女はいつも上司に阿る」を英語にすると「She always flatters her boss」となります。

一方、「諂う」を英語にすると「curry favor」「flatter」「butter up」play up to」となり、例えば上記の「彼女は上司に諂ってばかりいる」を英語にすると「She is always trying to curry favor with her superiors」となります。

「阿る」の意味

「阿る」とは

「阿る」とは、人の気に入るように振る舞うことを意味しています。

「阿る」の使い方

「阿る」を使った分かりやすい例としては、「相手がどんなに凄い人でも理由もなく阿るのは嫌いです」「上司に阿るのは辞めよう」「出世するためには上司に阿ることが必要だ」「大衆に阿る商品にしたら売り上げが上がった」「彼は意思が弱いので時流に阿る」などがあります。

「阿る」は、自分の気持ちを曲げて人の喜ぶようなことをしたり言ったりして、気に入られようとする場合に使う言葉ですが、現代ではあまり使われていません。どちからというと、類語である「媚びる」や「取り入る」を使うのが一般的になっています。

表現方法は「上司に阿る」「上役に阿る」「大衆に阿る」

「阿る」を使った言い回しは、「上司に阿る」「上役に阿る」「大衆に阿る」「時代に阿る」「権力に阿る」「世間に阿る」「首脳陣に阿る」などがあり、人だけではなく人以外にも使える言葉と覚えておきましょう。

また、相手の機嫌を取って気に入られる際に使う言葉なので一般的にマイナスなイメージを伴って使われます。

「阿る」の類語

「阿る」の類語・類義語としては、他人に気に入られるような態度を取ることを意味する「媚びる」、相手の機嫌を取って気に入られるように努めることを意味する「取り入る」、人に取り入って自分の利益を図ることを意味する「胡麻擂り」(読み方:ごますり)などがあります。

「諂う」の意味

「諂う」とは

「諂う」とは、人の気に入るように振る舞うことを意味しています。

「諂う」の使い方

「諂う」を使った分かりやすい例としては、「彼は上司に媚び諂う」「彼女は強い者に諂うのが得意だ」「私は諂うことがとても嫌いです」「彼は面倒見がいいが偉い人にすぐ諂うのであまり好きになれません」「上司に諂って今の地位を得ることができました」などがあります。

「諂う」は自尊心のかけらもなく、お世辞を言ったり、機嫌をとったりして、相手に気に入られようとする場合に使う言葉です。そのため、マイナスなイメージを持っています。

「諂う」は「諛う」と漢字で書くこともできますが、あまり一般的ではありません。

「媚び諂う」という表現で使われることが多い

現代において「諂う」という言葉を単体で使うことは少なく、機嫌を取ることを強調した意味を持つ「媚び諂う」という表現で使うのが一般的です。

表現方法は「上司に諂う」「社長に諂う」「権力者に諂う」

「諂う」を使った言い回しは「上司に諂う」「社長に諂う」「権力者に諂う」「長老に諂う」「上役に諂う」などがあり、人に対してのみ使える言葉と覚えておきましょう。

「諂う」の類語

「諂う」の類語・類義語としては、顔色を見て相手の気に入るように振る舞うことを意味する「阿諛」(読み方:あゆ)、表面は人のためにするように見せかけて実は自分の利益を図ることを意味する「御為ごかし」などがあります。

「阿る」の例文

1.彼は上司に阿るので、同期からは反感を買い影で悪口を言われています。
2.一部の人にしか人気のない作品だったが、一般の人に阿る作風に変えたら日本一売れた漫画となった。
3.出世したいからなのか、部下が私に阿るようになって困っている。
4.権力に阿らない姿勢を評価したいのに、いつの間にか阿るようになっていて失望しました。
5.彼は新しい車を購入したがために妻に阿るが、あまり効果がないみたいです。

この言葉がよく使われる場面としては、人の気に入るように振る舞うことを表現したい時などが挙げられます。

「阿る」は人だけではなく、人以外に対しても使える言葉で、例文1は人に対してを使っており、例文4は「権力」という人以外に対して使っています。

「諂う」の例文

1.彼女の周りには常に諂う人達がいるので、彼女は調子に乗ってしまうのでしょう。
2.彼はいつも上司に諂って自分の立場を守ろうとするので、同僚からは嫌われています。
3.尊敬していた先輩が上司に媚び諂う姿を見てしまって、少し失望しました。
4.彼は身分が上の人には諂うが、下の者に対しては横暴な態度を取る最低な人間です。
5.諂うことはとても簡単ですが、私はそんな人間にはなりたくありません。

この言葉がよく使われる場面としては、人の気に入るように振る舞うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、人に対してのみ使える言葉になります。

「阿る」と「諂う」という言葉は、どちらも人の気に入るように振る舞うことを表現したい時に使います。どちらの言葉を使うか迷った場合、人だけではなく人以外に対しても使う時は「阿る」を、人に対しての使う時は「諂う」を使うようにしましょう。

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