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【憶える】と【覚える】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「おぼえる」という読み方の「憶える」と「覚える」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「憶える」と「覚える」という言葉は同義語で、どちらも「記憶すること」という同じ意味を持ちますが、それぞれの言葉の使い方には少し違いがあります。




「憶える」と「覚える」の違い

「憶える」と「覚える」の意味の違い

「憶える」と「覚える」の違いを分かりやすく言うと、「憶える」は常用漢字表に載っていない、「覚える」は常用漢字表に載っているという違いです。

「憶える」と「覚える」の使い分け方

「憶える」と「覚える」の違いは二つあります。一つ目は上記にも書いたように「憶える」は常用漢字表に載っていないのに対して、「覚える」は常用漢字表に載っていることです。

常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。現行の常用漢字表は、2010年11月30日に平成22年内閣告示第2号として告示され、2136字で成り立っています。

「覚える」は文化庁が定める常用漢字表に記載されているため法令や新聞などで使用できますが、「憶える」は常用漢字表に記載されていないため法令や新聞などの公用文では使用できません。そのため、公的な書類などに記載する際には「覚える」を使う方が良いでしょう。

また、常用漢字はあくまで目安であり制限ではないので、個人で使う場合は「憶える」と「覚える」どちらの漢字を使っても問題ありません。使いやすい方の漢字を使って良いものなので、好みに合わせて使い分けることが可能になります。

二つ目の違いは「憶える」は見聞きした事柄を心に留めること、つまり記憶することの意味でしか使えないのに対して、「覚える」は習得すること、感じること、思われることの意味でも使えることです。

「憶える」と「覚える」の使い方の違い

一つ目の「憶える」を使った分かりやすい例としては、「彼に言われたことは全て憶えている」「初めて会った時のことははっきりと憶えている」「人の名前を憶えるのは難しい」「祖母のことは何も覚えていません」などがあります。

二つ目の「覚える」を使った分かりやすい例としては、「腰に違和感を覚える」「伝統技術を覚えるのは大変です」「昔のことを今でも覚えている」「このぬいぐるみに愛着を覚える」などがあります。

「憶える」と「覚える」の英語表記の違い

「憶える」も「覚える」も英語にすると「remember」「memorize」「learn」となり、例えば上記の「祖母のことは何も覚えていません」を英語にすると「I don’t remember my grandmother at all」となります。

「憶える」の意味

「憶える」とは

「憶える」とは、見聞きした事柄を心に留めることを意味しています。

表現方法は「名前を憶える」「道を憶える」

「名前を憶える」「道を憶える」などが、憶えるを使った一般的な言い回しです。

「憶える」の使い方

「憶える」を使った分かりやすい例としては、「小学生の頃はあまり憶えていない」「私は人の名前を憶えるのが得意です」「携帯をどこに置いたか憶えていない」「来た道を憶えていないので帰ることができません」などがあります。

「憶える」の「憶」が常用外漢字であるため、代用字として、常用漢字の「覚」を用いた「覚える」が使われるようになりました。

この代用字というのは、他の単語でも使用されるものです。例えば、本来は「護る」であるところを「守る」と表記するのが代用字です。本来の字が難しい字面であったり、常用漢字ではない場合に代用字が使われます。

「憶える」の類語

「憶える」の類語・類義語としては、思い出すことを意味する「思い起こす」、以前にあったことなどを思い起こすことを意味する「想起」、 過去のことや忘れていたことを心に蘇らせることを意味する「思い出す」などがあります。

「覚える」の意味

「覚える」とは

「覚える」とは、見聞きした事柄を心に留めることを意味しています。その他にも、学んだり経験したりして身に付けることや身体や心が感じることの意味も持っています。

表現方法は「感覚を覚える」「感動を覚える」「違和感を覚える」

「感覚を覚える」「感動を覚える」「違和感を覚える」「痛みを覚える」「仕事を覚える」「言葉を覚える」などが、覚えるを使った一般的な言い回しです。

「覚える」の使い方

「あの日あった出来事を今でも覚えている」「やり方を覚えたら仕事が楽しくなってきました」などの文中で使われている「覚える」は、「見聞きした事柄を心に留めることや学んだり経験したりして身に付けること」の意味で使われています。

一方、「足に違和感を覚えたので病院へ行くことにした」「休まずに仕事をしていたら深い疲労を覚える」などの文中で使われている「覚える」は、「身体や心が感じること」の意味で使われています。

「覚える」は上記の例文にあるように三つの意味がありますが、どの意味でも使われています。

また、見聞きした事柄を心に留めることは「記憶すること」、学んだり経験したりして身に付けることは「習得すること」、身体や心が感じることは「感じること」や「思われること」と簡単にすると意味は理解しやすいでしょう。

「覚える」の対義語

「覚える」の対義語・反対語としては、覚えていたことが思い出せなくなることを意味する「忘れる」があります。

「覚える」の類語

「覚える」の類語・類義語としては、外からの刺激のために感覚器官にある感覚を起こすことを意味する「感じる」、そういう気持ちにさせることを意味する「催す」、身にしみて経験することを意味する「味わう」などがあります。

「憶える」の例文

1.潰れるまで飲んでいたので、昨日のことは全く憶えていません。
2.私は一度通った道は絶対に憶えているが、人の名前はすぐに忘れてしまいます。
3.社会人になってからのことよりも、学生時代の頃の方がよく憶えている。
4.話しに夢中だったせいで、どの道を歩いてきたのか憶えていません。
5.数年前に別れた彼女が作ってくれた肉じゃがの味を、未だに憶えています。

この言葉がよく使われる場面としては、見聞きした事柄を心に留めることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように見聞きした事柄を心に留めること、つまり記憶することの意味でのみ使う言葉と覚えておきましょう。

「覚える」の例文

1.昨日説明されたことはしっかりと覚えているので、今日の作業は大丈夫だろう。
2.仕事を覚えてからは会社に行くのも苦しくなくなったので、朝きちんと起きれるようになりました。
3.理想のバッティングフォームと打つタイミングを覚えてからホームランを量産できるようになり、ついに三冠王を取ることができました。
4.左肩に違和感と痛みを覚え、しばらくすると腕が上がらなくなったので病院へ行くことにしました。
5.彼はアメリカ人だが、日本のチームでプレイしているうちに愛着を覚えて、引退後も日本で生活していくことを決めました。

この言葉がよく使われる場面としては、見聞きした事柄を心に留めることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、学んだり経験したりして身に付けることや身体や心が感じることを表現したい時にも使います。

例文1の「覚える」は見聞きした事柄を心に留めること、例文2と例文3の「覚える」は学んだり経験したりして身に付けること、例文4と例文5の「覚える」は身体や心が感じることの意味で使っています。

「憶える」と「覚える」どちらを使うか迷った際は、公的な書類などに記載する場合は常用漢字である「覚」を使った「覚える」とする方が良いでしょう。また、習得することや感じることを表現したい時には「覚える」を使うのが適切です。

言葉の使い方の例文
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