似た意味を持つ「ダメ元で」(読み方:だめもとで)と「無理を承知で」(読み方:むりをしょうちで)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ダメ元で」と「無理を承知で」という言葉は、どちらも無理だと思うけどやってみることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ダメ元で」と「無理を承知で」の違い
「ダメ元で」と「無理を承知で」の意味の違い
「ダメ元で」と「無理を承知で」の違いを分かりやすく言うと、「ダメ元で」よりも「無知を承知で」の方が丁寧な言い回しという違いです。
「ダメ元で」と「無理を承知で」の使い方の違い
一つ目の「ダメ元で」を使った分かりやすい例としては、「ダメ元で出演をお願いしてみる」「ダメ元で告白することにしました」「ダメ元で協力をお願いしてみる」「ダメ元で依頼することにしました」などがあります。
二つ目の「無理を承知で」を使った分かりやすい例としては、「無理を承知でお願いします」「無理を承知で申し上げますが明日までに資料の完成をお願いします」「無理を承知でお願いいたしますがもう少しだけ待ってくれないでしょうか」などがあります。
「ダメ元で」と「無理を承知で」の使い分け方
「ダメ元で」と「無理を承知で」はどちらも無理だと思うけどやってみることを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ダメ元で」よりも「無理を承知で」の方が丁寧な言い回しというのが一番の違いになります。
そのため、「ダメ元で」はビジネスシーンにおいて目上の人に対して使うことができないのですが、「無理を承知で」は目上の人に対しても使うもことができます。
「ダメ元で」は同等や目下の人対して使う言葉、「無理を承知で」は目上の人に対して使う言葉と覚えておきましょう。
「ダメ元で」と「無理を承知で」の英語表記の違い
「ダメ元で」を直訳した英語表現はないのですが、近い表現として「give it a go」「have nothing to lose」などがあります。
「無理を承知で」を直訳した英語表現はないのですが、近い表現として「I know it’s difficult」があります。
「ダメ元で」の意味
「ダメ元で」とは
「ダメ元で」とは、思い切って行動するように促すことを意味しています。
表現方法は「ダメ元で聞いてみる」「ダメ元でやってみる」「ダメ元で告白する」
「ダメ元で聞いてみる」「ダメ元でやってみる」「ダメ元で告白する」などが、「ダメ元で」を使った一般的な言い回しです。
「ダメ元で」の使い方
「ダメ元で」を使った分かりやすい例としては、「ダメ元でやってみることにした」「ダメ元で戦ってきます」「ダメ元でデートに誘うことにしました」「ダメ元で値下げの交渉をしてみる」などがあります。
「ダメ元」はどうせ失敗するだろうけどやってみるというマイナスなイメージと、思いっきりやってみるというプラスのイメージのどちらでも使うことができます。そのため、前後の文章をみてプラスのイメージで使っているのか、マイナスなイメージで使っているのかを判断しましょう。
「ダメ元で」の語源
「ダメ元で」の語源は、思い切って行動するように促すことや、仮に実行して失敗したとしても、何もしなかった場合と結果は同じであったと考えることを意味する「駄目で元々」を省略したことです。
つまり、「ダメ元で」は失敗してもいいので、何もしないよりはやってみたほうが良いので、無理を承知でやってみるというニュアンスで使う言葉になります。
「ダメ元で」はビジネスシーンで目上に人には使えない
「ダメ元で」は丁寧な言葉ではないため、ビジネスシーンなどで使うと失礼な印象を与えてしまいます。そのため、上司や取引先などの目上の人に対して使わないようにしましょう。
「ダメ元で」の漢字表記
「ダメ元で」を漢字にすると「駄目元で」と表記することができます。
「ダメ元で」の類語
「ダメ元で」の類語・類義語としては、相手に迷惑をかけたり厚意を受けたりして申し訳なく思うことを意味する「恐縮ですが」があります。
「無理を承知で」の意味
「無理を承知で」とは
「無理を承知で」とは、実現するのが難しいのを知ってることを意味しています。
表現方法は「無理を承知で申し上げますが」「無理を承知でお願いしたいのですが」
「無理を承知で申し上げますが」「無理を承知でお願いしたのですが」などが、「無理を承知で」を使った一般的な言い回しです。
「無理を承知で」の使い方
「無理を承知で」を使った分かりやすい例としては、「無理を承知で申し上げますが直ぐに対応いただければ幸いです」「ご無理を承知で申し上げますが本日中に提出の方お願いいたします」などがあります。
「無理を承知で」は、実現するのが難しいことを意味する「無理」と、事情などを知ることを意味する「承知」が合わさり、実現するのが難しいのを知ってることを意味する「無理を承知で」という言葉になりました。
そのため、「無理を承知で」は厄介なお願いする場合や無理だと分かっているがお願いする場合によく使われています。
「無理を承知で」は丁寧語なのでビジネスシーンで使える
「無理を承知で」は丁寧な言い回しなので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対しても使うことができます。
「無理を承知で」の敬語表現
また、「無理を承知で」をさらに丁寧に表現したい場合は、「ご」を付けた「ご無理を承知で」を敬語として使うようにしましょう。
「無理を承知で」の類語
「無理を承知で」の類語・類義語としては、持っている力のすべてを出すことを意味する「精一杯」があります。
「ダメ元で」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、思い切って行動するように促すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「ダメ元で」はプラスのイメージでもマイナスのイメージでも使うことができます。
「無理を承知で」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、実現するのが難しいのを知ってることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「無理を承知で」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。
「ダメ元で」と「無理を承知で」はどちらも無理だと思うけどやってみることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「ダメ元で」よりも「無理を承知で」の方がよりかしこまった場面で使うと覚えておきましょう。
そのため、ビジネスシーンにおいて目上の人に対して使う場合は「無理を承知で」を使うのが適しています。