【眉をしかめる】と【顔をしかめる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「眉をしかめる」(読み方:まゆをしかめる)と「顔をしかめる」(読み方:かおをしかめる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「眉をしかめる」と「顔をしかめる」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「眉をしかめる」と「顔をしかめる」の違い

「眉をしかめる」は「顔をしかめる」の間違い

「眉をしかめる」と「顔をしかめる」の違いを分かりやすく言うと、「眉をしかめる」とは「顔をしかめる」や「眉をひそめる」の間違った使い方、「顔をしかめる」とは不快などから表情を歪めることです。

「眉をしかめる」は誤字

一般的には「眉をしかめる」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「顔をしかめる」や「眉をひそめる」のことを間違えて「眉をしかめる」を使っている人がほとんどです。

「顔をしかめる」は正しい日本語

正しい言葉である「顔をしかめる」を使った分かりやすい例としては、「隣の人の電話の声に顔をしかめる」「マナーの悪い人に顔をしかめる」「無理なお願いをされたので顔をしかめる」「彼は私に向かって顔をしかめる」などがあります。

「顔をしかめる」という言葉はあっても、「眉をしかめる」という言葉は存在しません。同時に「顔をしかめる」という単語の意味について「不快などから表情を歪めること」と覚えておきましょう。

「顔をしかめる」の英語表記

「顔をしかめる」を英語にすると「frown」となり、例えば上記の「彼は私に向かって顔をしかめる」を英語にすると「He frowned at me」となります。

「眉をしかめる」の意味

「眉をしかめる」とは

「眉をしかめる」とは、「顔をしかめる」や「眉をひそめる」の間違った使われ方です。

「眉をしかめる」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「顔をしかめる」や「眉をひそめる」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「眉をしかめる」と間違えやすい理由

なぜ「眉をしかめる」という言葉を使ってしまうのかというと、心配なことがあったり他人の嫌な行為に不快を感じて眉根を寄せることを意味する「眉をひそめる」と、不快などから表情を歪めることを意味する「顔をしかめる」を混同してしまったのが原因です。

どちらの言葉もほぼ同じ意味を持ち、「ひそめる」と「しかめる」を漢字にするとどちらも「顰める」と書くため、とても混同しやすくなっています。しかし、眉の場合は「ひそめる」を使い、顔の場合は「しかめる」を使うと覚えておきましょう。

文化庁が発表した平成26年度に行われた国語に関する世論調査では、正しい言葉である「眉をひそめる」で使う人が44.5%、間違った言葉である「眉をしかめる」で使う人が44.5%という結果が出ています。

以上のことから「眉をしかめる」は多くの人が間違って使っている日本語というのが分かるはずです。

「顔をしかめる」の意味

「顔をしかめる」とは

「顔をしかめる」とは、不快などから表情を歪めることを意味しています。

表現方法は「痛みで顔をしかめる」「顔をしかめる心理」

「痛みで顔をしかめる」「顔をしかめる心理」などが、「顔をしかめる」を使った一般的な言い回しになります。

「顔をしかめる」の使い方

「顔をしかめる」を使った分かりやすい例としては、「彼が顔をしかめたら怒っている証拠です」「いつもポーカーフェイスな彼女が顔をしかめる」「彼は話を聞いた途端に顔をしかめた」「彼の悪態に周囲が顔をしかめる」などがあります。

その他にも、「この道は匂いがひどいらしく通行人が顔をしかめる」「彼女は邪魔が入ったことに顔をしかめる」「彼女に用件を話すと顔をしかめた」「彼は貰った果物を食べたあと顔をしかめた」「二日酔いの頭痛に顔をしかめながらバスを待っている」などがあります。

「顔をしかめる」は顔に痛みや不快のために眉のあたりにしわを寄せることを意味する「しかめる」が合わさった慣用句で、不快などから表情を歪めることを意味する言葉です。そのため、マイナスなイメージで使うのが一般的になっています。

「顔をしかめる」の漢字表記

「顔をしかめる」を漢字にすると「顔を顰める」と表記することができます。

「顔をしかめる」の類語

「顔をしかめる」の類語・類義語としては、心配や悲しみなどで顔を暗くすることを意味する「表情を曇らせる」、不愉快に思う気持ちを表わすことを意味する「不快感を示す」などがあります。

「眉をしかめる」の例文

1.「眉をしかめる」という言葉は存在しないので、おそらく「顔をしかめる」の言い間違いだろう。
2.「顔をしかめる」という言葉は不快などから表情を歪めることで、「眉をしかめる」という言葉はない。
3.「眉をしかめる」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.痛みで眉をしかめるという言葉を使う人はいるが、正しくは痛みで顔をしかめるです。
5.注射器をみて顔をしかめるという言葉はあるが、注射器をみて眉をしかめるという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「顔をしかめる」という言葉を間違えて「眉をしかめる」と表現している時などが挙げられます。

「眉をしかめる」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「顔をしかめる」を間違えて使っている可能性が高いです。

「眉をしかめる」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「眉をしかめる」ではなく、「顔をしかめる」と表現するのが正しい使い方になります。

「顔をしかめる」の例文

1.サッカーの練習中に腰を強く打ったが、顔をしかめる程度の痛みだったので何も問題はありません。
2.こっちだって忙しいのに急な仕事を入れられて、思わず顔をしかめる。
3.祖父は顔をしかめながら、この村に伝わるよくない風習について語りだしました。
4.彼が一瞬顔をしかめたように見えたが、きっと気のせいに違いない。
5.部下にお茶汲みを頼んだら、顔をしかめながら給湯器へ向かいました。

この言葉がよく使われる場面としては、不快などから表情を歪めることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のようにマイナスなイメージで使うことが多いです。

「眉をしかめる」と「顔をしかめる」どちらを使うか迷った場合は、「眉をしかめる」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「顔をしかめる」を使うようにしましょう。

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