【介護】と【介抱】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「介護」(読み方:かいご)と「介抱」(読み方:かいほう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「介護」と「介抱」という言葉は、どちらも「世話をすること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




介護と介抱の違い

介護と介抱の違いを分かりやすく言うと、介護とは高齢者や障害者を長期的に世話すること、介抱とは酔っぱらいや傷病者を一時的に世話することという違いです。

一つ目の介護を使った分かりやすい例としては、「母は介護施設で働いています」「介護保険法の一部が改正されました」「介護保険料は月額いくらぐらいですか」「私は介護休業給付金の対象者ではありません」などがあります。

二つ目の介抱を使った分かりやすい例としては、「酒に酔った私を夫が甲斐甲斐しく介抱してくれました」「手厚い介抱を受けて元気を取り返しました」「介抱してくださった方にありがとうと伝える」「座礁した船の乗組員を介抱した」などがあります。

介護と介抱という言葉は、どちらも助けが必要な人を世話することを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

介護とは、病人などの看護をしたり身の回りの世話をすることを意味しますが、特にお年寄りや障害者の日常生活を長期的にサポートすることを表す言葉です。「介護施設」とは、介護や生活援助を受けてくらせる高齢者施設を言います。

介抱とは、病気や怪我をした人の世話をすることを意味しますが、特に酔っぱらいの世話をすることを指す言葉です。介抱は一時的なサポートであり、介護のように専門的な知識や技術が求められることはありません。

つまり、介護とは高齢者や障害者に対する長期的な世話を表し、介抱とは酔っぱらいや傷病者に対する一時的な世話を意味します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

介護も介抱も英語にすると「care」「nursing」となり、例えば上記の「介護施設」を英語にすると「a nursing institute」となります。

介護の意味

介護とは、病人などを介抱し看護することを意味しています。

介護を使った分かりやすい例としては、「介護保険料はいつから納めるものですか」「評判の良い介護施設を探しています」「娘は介護支援専門員として働いています」「介護サービス情報公表システムにログインできません」などがあります。

その他にも、「介護保険制度の概要を調べています」「介護福祉士になるために専門学校に通っています」「介護認定審査会での判定結果を待っています」「週に一度は介護タクシーを利用しています」などがあります。

介護の「介」は訓読みで「たすける」と読み、そばに付き添って助けることを表し、「護」は訓読みで「まもる」と読み、無事であるように注意しながら見ることを表します。介護とは、病人や老人を、日常生活の身体的困難などに対して補助したり看護したりすることを意味します。

介護を用いた日本語には「介護保険制度」があります。介護保険制度とは、原則65歳以上の要介護認定を受けた人が、自宅や施設で入浴の介助やリハビリなどのサービスを1~3割の自己負担で利用できるものです。費用は自己負担分に加え、40歳以上が支払う保険料、国と地方の公費で賄われています。

介護の類語・類義語としては、そばに付き添って動作などを手助けすることを意味する「介助」、面倒をみることを意味する「世話」、危険などから弱いものをたすけまもることを意味する「保護」、世話することや介護を意味する「ケア」などがあります。

介抱の意味

介抱とは、病人・けが人・酔っぱらいなどの世話をすることを意味しています。

その他にも、「助けて面倒をみること」の意味も持っています。

「酔いつぶれた友人を介抱する」「お酒を飲まない私はいつも介抱役です」「船酔いをした女性を介抱した男性はわいせつ未遂の容疑で逮捕されました」などの文中で使われている介抱は、「病人や酔っぱらいなどの世話をすること」の意味で使われています。

一方、「難破船の乗組員を地元民たちが介抱しました」「負傷した兵士を人々が甲斐甲斐しく介抱した」「食料を提供したり介抱や移動の手助けを行った」などの文中で使われている介抱は、「助けて面倒をみること」の意味で使われています。

介抱の読み方は「かいほう」です。同じ読み方をする熟語に「解放」「会報」「快方」などがありますが、意味が異なるので書き間違いに注意しましょう。

介抱とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で使用されているため、文脈により意味を捉える必要があります。介抱の「抱」は訓読みで「だく」「かかえる」と読み、腕をまわしてかかえこむことを表す漢字です。

上記例文にある「甲斐甲斐しく介抱する」とは、てきぱきと一生懸命に世話をすることを意味し、病人やけが人の世話をしたり、手助けが必要な人の世話をしたりする際に用いられる言い回しです。「甲斐甲斐しい」は、骨身を惜しまずに仕事に打ち込むさまを表します。

介抱の類語・類義語としては、けが人や病人の手当てや世話をすることを意味する「看護」、病人に付き添って世話をすることを意味する「看病」、そばに付き添って世話をすることを意味する「介添え」などがあります。

介護の例文

1.友人は介護福祉士国家試験に合格するために、毎日3時間ほど勉強しているそうです。
2.介護の基本は、その人が自立した日常生活を送ることができるようにサポートすることです。
3.年老いた両親のために、介護付き有料老人ホームの費用を調べ始めました。
4.要介護認定を受けるには、まず市区町村の窓口で申請を行う必要があります。
5.自治体の介護サービスや介護施設は、インターネットで簡単に検索することができます。

この言葉がよく使われる場面としては、病人や老人を日常生活の身体的困難などに対して補助したり看護したりすることを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「介護福祉士」とは、日常生活に支障のある人の介護を行なったり、介護者に介護の指導を行なったりする専門家のことです。「社会福祉士及び介護福祉士法」に規定された国家資格を必要とします。

介抱の例文

1.私はお酒を飲まないので、飲み会では酔っ払った人を介抱する役回りになってしまいます。
2.昨夜は泥酔した祖父を介抱する夢を見ましたが、何か意味があるのでしょうか。
3.英語サークルの飲み会で酔っぱらってしまい、みんなに介抱してもらいました。
4.熱中症のため道端で倒れたお年寄りを介抱した高校生に、警察署から感謝状が贈られました。
5.漂流民は、現地の住民から手厚い介抱を得て、無事に帰国することができました。

この言葉がよく使われる場面としては、傷病者や酔っぱらいなどを看護すること、世話をすること、保護することを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4にある介抱は、傷病者や酔っぱらいなどを看護することの意味で用いられています。例文5の介抱は、世話をすることや保護することの意味で使われています。

介護と介抱という言葉は、どちらも「世話すること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、高齢者や障害者に対する長期的な世話を表現したい時は「介護」を、酔っぱらいや傷病者に対する一時的な世話を表現したい時は「介抱」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター