似た意味を持つ「います」と「おります」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「います」と「おります」という言葉は、どちらも人などが存在することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「います」と「おります」の違い
「います」と「おります」の意味の違い
「います」と「おります」の違いを分かりやすく言うと、「います」は「いる」の丁寧語、「おります」は「いる」の丁重語という違いです。
「います」と「おります」の使い方の違い
一つ目の「います」を使った分かりやすい例としては、「上田なら今会議室にいますよ」「私には3歳になる娘がいます」「テレワーク中なので本日は自宅にいます」「私は今大阪駅にいます」などがあります。
二つ目の「おります」を使った分かりやすい例としては、「明日はこちらにはおりません」「日頃から大変お世話になっております」「今朝まではそちらにおりました」などがあります。
「います」と「おります」の使い分け方
「います」と「おります」はどちらもほぼ同じ意味を持つ敬語ですが、使い方に少し違いがあります。
「います」は「いる」の丁寧語で、主に立場が同等な人や目下の人に対して使います。一方、「おります」は「いる」の丁重語で、主に取引先や上司などの目上の人に対して使う言葉です。
また、「います」は誰について話す時にも使えるのに対して、「おります」は自分や身内について話す時にしか使えないというのも違いになります。
「います」と「おります」の英語表記の違い
「います」も「おります」も直訳した英語表現は難しいのですが、上記の例文にある「私は今大阪駅にいます」を英語にすると、「I’m in Osaka Station」となります。
「います」の意味
「います」とは
「います」とは、人などが存在することを意味しています。
「います」の使い方
「います」を使った分かりやすい例としては、「店長でしたら今休憩室にいますよ」「私は今3階の会議室にいます」「私の大学にはとても良い先生がいます」「私には2つ下の弟がいます」「向かいの家には可愛い犬がいます」などがあります。
「います」は「いる」に丁寧語の「ます」がついた敬語
「います」は人などが存在することを意味する「いる」に丁寧語の「ます」がついた敬語になります。「います」は丁寧語で謙譲語の表現を持っていないため、目上の人に対して使うことはできません。立場な同等な人や目下の人に対してのみ使うようにしましょう。
「います」の元の言葉である、「いる」を他の種類の敬語にすると、謙譲語は「おる」、尊敬語は「いらっしゃる」「おいでになる」になります。
丁寧語とは丁寧な言い方をすることによって相手への敬意を示すこと、謙譲語とは自分の行動を相手よりも下の立場として表現することにより相手への敬意を示すこと、尊敬語とは話し手が聞き手や話題の主のその動作や状態などを高めて待遇することを意味しています。
「います」の類語
「います」の類語・類義語としては、無生物や物事などの存在があることを意味する「あります」です。
「おります」の意味
「おります」とは
「おります」とは、人などが存在することを意味しています。
表現方法は「お世話になっております」「考えております」「以下となっております」
「お世話になっております」「考えております」「以下となっております」などが、「おります」を使った一般的な言い回しになります。
「おります」の使い方
「おります」を使った分かりやすい例としては、「皆様のご来店心よりお待ちしております」「明日はそちらにはおりません」「いつかお会いできるのを楽しみにしております」「今日なら17時までは会社におります」などがあります。
「おります」は「おる」に丁寧語の「ます」がついた敬語
「おります」は「おる」に丁寧語の「ます」がついた敬語で、「おる」は「いる」が変化した言葉です。そのため、「いる」を丁寧語にすると「います」となり、「いる」を丁重語にすると「おります」になります。
2007年までは敬語の種類は主に、丁寧語、尊敬語、謙譲語の3つでしたが、2007年以降は丁重語と美化語が増え、細かく分けるようになり5種類になりました。
丁重語とは謙譲語の一種で謙譲語Ⅱとも言われており、自分や身内の行動を謙る場合に使う言葉です。美化語とは丁寧語の一種で丁寧語Ⅱとも言われており、表現をより上品にするための配慮を表す言葉です。
謙譲語は自分の行動を謙り行為の受け手に敬意を示す場合に使うのに対して、丁重語は自分の行動を謙り話の聞き手に敬意を示す場合に使うというのが違いになります。
美化語は主に「お」や「ご」がついた言葉で例を挙げると、「お留守番」「お掃除」「ご挨拶」「ご褒美」などがあります。
「おります」の用法の注意点
「おります」を使う上で注意しなければならないのは、相手について表現する場合には使えないということです。「おります」は丁重語なので謙る必要があります。
例えば、取引先の社長が元気でいるかと聞く場合に、「社長はお元気でおりますか」という表現を使うのは間違っています。この場合は「いる」の尊敬語である「いらっしゃる」を使い、「社長はお元気でいらっしゃいますか」とするのが正解です。
「います」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、人などが存在することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「います」は誰について話す時でも使うことができます。
「おります」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、人などが存在することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「おります」は自分や身内について話す時にしか使えません。
「います」と「おります」という言葉は、人などが存在することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、立場が同等な人や目下の人に使う場合は「います」を、取引先や上司などの目上の人に対して使う場合は「おります」を使うようにしましょう。