似た意味を持つ「足らない」(読み方:たらない)と「足りない」(読み方:たりない)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「足らない」と「足りない」という言葉は、どちらも何かが一定の水準まで満たされていないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「足らない」と「足りない」の違い
「足らない」と「足りない」の意味の違い
「足らない」と「足りない」の違いを分かりやすく言うと、「足らない」は古語的、「足りない」は現代語的という違いです。
「足らない」と「足りない」の使い方の違い
一つ目の「足らない」を使った分かりやすい例としては、「やりたい事が多くて時間が足らない」「無駄遣いをしすぎてお金が足らない」「彼に足らないのは忍耐です」などがあります。
二つ目の「足りない」を使った分かりやすい例としては、「一日の時間がいくらあっても足りない」「お金が全然足りないので購入することができなかった」「これを商品にするには何かが足りない」「私はコンサートを観に行くお金が足りない」などがあります。
「足らない」と「足りない」の使い分け方
結論から申し上げますと、「足らない」と「足りない」はどちらもどちらも何かが一定の水準まで満たされていないことを意味しており、どちらを使っても問題ありません。
あえて違いを挙げるならば、「足らない」は古語的表現で、「足りない」は現代語的表現という違いです。
現代では「足りない」の方を使うのが一般的であるものの、「お金が足らない」「人手が足らない」などのように「足らない」も使われているため、「足らない」を使っても問題はないと覚えておきましょう。
「足らない」と「足りない」の英語表記の違い
「足らない」も「足りない」も英語にすると「Not enough」「I don’t have enough」となり、例えば上記の「私はコンサートを観に行くお金が足りない」を英語にすると「I don’t have enough money to go to a concert」となります。
「足らない」の意味
「足らない」とは
「足らない」とは、何かが一定の水準まで満たされていないことを意味しています。その他にも、頭の働きが普通より劣っていることの意味も持っています。
表現方法は「取るに足らない」「事足らない」「語るに足らない」
「取るに足らない」「事足らない」「語るに足らない」などが、「足らない」を使った一般的な言い回しです。
「足らない」の使い方
「人手が足りないので求人を出すことにしました」「久々の再会だったので喋り足らないです」などの文中で使われている「足らない」は、「何かが一定の水準まで満たされていないこと」の意味で使われています。
一方、「頭が足らない奴だと上司に馬鹿にされた」「彼はちょっと頭が足らない」などの文中で使われている「足らない」は、「頭の働きが普通より劣っていること」の意味で使われています。
「足らない」は五段活用の動詞の「足る」を否定形にした言葉です。「足る」は古語的表現で「足りる」より以前に使われていた言葉になります。
しかし、「足らない」は古い表現ではあるものの、現代で使っても何も問題はないと覚えておきましょう。
「足らない」の類語
「足らない」の類語・類義語としては、ある要素の乏しいことを意味する「希薄」、動作や頭の働きが鈍いことを意味する「のろま」、愚かなことを意味する「間抜け」などがあります。
「足りない」の意味
「足りない」とは
「足りない」とは、何かが一定の水準まで満たされていないことを意味しています。その他にも、頭の働きが普通より劣っていることの意味も持っています。
表現方法は「物が足りない」「するに足りない」「物足りない」
「物が足りない」「するに足りない」「物足りない」などが、「足りない」を使った一般的な言い回しになります。
「足りない」の使い方
「時間が足りないと感じることが多い」「私に足りないのは根性だと気付きました」などの文中で使われている「足りない」は、「何かが一定の水準まで満たされていないこと」の意味で使われています。
一方、「頭が足りない奴と罵倒された」「彼女はちょっと頭が足りない」などの文中で使われている「足りない」は、「頭の働きが普通より劣っていること」の意味で使われています。
「足りない」は上一段活用の動詞の「足りる」を否定形にした言葉です。「足りる」は江戸時代以降から使われ始めたと言われており、現代でも一般的に使う言葉になっています。
「足りない」の対義語
「足りない」の対義語・反対語としては、何かをするのにそれで十分であることを意味する「足りる」、多すぎて残りが出ることを意味する「余る」などがあります。
「足りない」の類語
「足りない」の類語・類義語としては、財産や金銭が乏しく生活が苦しいことを意味する「貧しい」、知能が劣り愚かなことを意味する「馬鹿」、愚かなことや愚かな人のことを意味する「阿呆」(読み方:あほ)などがあります。
「足らない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、何かが一定の水準まで満たされていないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、頭の働きが普通より劣っていることを表現したい時にも使います。
例文1から例文4の「足らない」は何かが一定の水準まで満たされていないこと、例文5の「足らない」は頭の働きが普通より劣っていることの意味で使っています。
「足りない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、何かが一定の水準まで満たされていないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、頭の働きが普通より劣っていることを表現したい時にも使います。
例文1から例文4の「足りない」は何かが一定の水準まで満たされていないこと、例文5の「足りない」は頭の働きが普通より劣っていることの意味で使っています。
「足らない」と「足りない」どちらの言葉を使うか迷った場合、好きな方を使っても問題ないと覚えておきましょう。