似た意味を持つ「迂闊にも」(読み方:うかつにも)と「不覚にも」(読み方:ふかくにも)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「迂闊にも」と「不覚にも」という言葉は、どちらも油断して失敗することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「迂闊にも」と「不覚にも」の違い
「迂闊にも」と「不覚にも」の意味の違い
「迂闊にも」と「不覚にも」の違いを分かりやすく言うと、「迂闊にも」よりも「不覚にも」の方が丁寧な表現という違いです。
「迂闊にも」と「不覚にも」の使い方の違い
一つ目の「迂闊にも」を使った分かりやすい例としては、「彼は迂闊にも口を滑らせてしまいました」「彼女は迂闊にもその危険に気づくことはできませんでした」「迂闊にも鍵をかけるのを忘れてしまいました」「彼女は迂闊にも秘密をもらしてしまいました」などがあります。
二つ目の「不覚にも」を使った分かりやすい例としては、「不覚にも失念しておりました、申し訳ございません」「不覚にも初歩的なミスをしてしまいした」「とあるテレビを観ていたら不覚にも笑ってしまいました」「不覚にもあの事業に手を出してしまいました」などがあります。
「迂闊にも」と「不覚にも」の使い分け方
「迂闊にも」と「不覚にも」はどちらも油断して失敗することを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「迂闊にも」よりも「不覚にも」の方がやや丁寧な表現という点です。
どちらもビジネスーンで使うことができる言葉ですが、より堅い言い回しにしたい場合は「不覚にも」の方を使うと覚えておきましょう。
「迂闊にも」と「不覚にも」の英語表記の違い
「迂闊にも」を英語にすると「careless」「absentminded」「inattentive」となり、例えば上記の「彼女は迂闊にも秘密をもらしてしまいました」を英語にすると「She carelessly let the secret out」となります。
一方、「不覚にも」を英語にすると「blunder」「mistake」「defeat」「failure」となり、例えば上記の「不覚にもあの事業に手を出してしまいました」を英語にすると「I made a mistake in taking a hand in that business」となります。
「迂闊にも」の意味
「迂闊にも」とは
「迂闊にも」とは、注意を怠って失敗する様子を表すことを意味しています。
「迂闊にも」の使い方
「迂闊にも」を使った分かりやすい例としては、「迂闊にも彼女にそのことを言ってしまいました」「彼は迂闊にも携帯電話を失くしてしましました」「そんな間違えをするなんて迂闊にも程がある」「彼は迂闊にもこの失敗を甘くみていました」などがあります。
「迂闊にも」はうっかりしていて心の行き届かないことを意味する「迂闊」に、逆接の仮定条件を表す「にも」が合わさり、注意を怠って失敗する様子を表すことの意味で使われている言葉です。
「迂闊にも」はうっかりしていた場合や、不注意で忘れてしまった場合など、自分の行動を悔やむ場合に使う表現になります。
「迂闊にも」はビジネスシーンでも使える
「迂闊にも」はビジネスシーンでも使うことができる言葉ですが、「迂闊にも」自体は敬語表現ではないので、目上の人に対して使う場合は前後の文章を敬語表現にするのが望ましいです。
「迂闊にも」の特徴
「迂闊にも」は会話などの話し言葉としてだけではなく、ビジネスメールなどの書き言葉としても使うことができるというのが特徴になります。
「迂闊にも」の類語
「迂闊にも」の類語・類義語としては、物事を深く考えずに軽々しく行うことを意味する「軽率な」、注意や用心の足りてないことを意味する「不用意な」、ぼんやりして注意が行き届かないことを意味する「うっかり」などがあります。
「不覚にも」の意味
「不覚にも」とは
「不覚にも」とは、油断して失敗する様子を表すことを意味しています。
表現方法は「不覚にも泣いた」「不覚にも笑う」「不覚にもドキっとした」
「不覚にも泣いた」「不覚にも笑う」「不覚にもドキっとした」「不覚にも可愛いと思ってしまった」などが、「不覚にも」を使った一般的な言い回しになります。
「不覚にも」の使い方
「不覚にも」を使った分かりやすい例としては、「不覚にも予選で負けてしまいました」「あまりに感動して不覚にも泣いてしまいました」「彼の笑顔に不覚にもキュンとしてしまいました」「不覚にも寝過ごして寝坊してしまいました」などがあります。
「不覚にも」は油断して失敗することを意味する「不覚」に、逆接の仮定条件を表す「にも」が合わさり、油断して失敗した様子を表した言葉になります。
「不覚にも」はビジネスシーンでも使える
「不覚にも」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉で、自分のミスを説明する場合など、悔やむ表現として使うのが一般的です。
また、「不覚にも失念しておりまして申し訳ございません」などのように、前後の文章を敬語表現にすることによって、目上の人に対しても使うことができます。
「不覚にも」の特徴
「不覚にも」は会話などの話し言葉としてだけではなく、ビジネスメールなどの書き言葉としても使うことができるというのが特徴です。
「不覚にも」の類語
「不覚にも」の類語・類義語としては、物事に対して備えがないことを意味する「無防備な」、いい加減に扱うことを意味する「お粗末な」、守りが弱いことを意味する「脇が甘い」、たかをくくって気を許し注意を怠ることを意味する「油断した」などがあります。
「迂闊にも」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、注意を怠って失敗する様子を表すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「迂闊にも」は悔やむ表現として使うのが一般的な言葉です。
「不覚にも」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、油断して失敗する様子を表すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「不覚にも」は悔やむ表現として使うのが一般的な言葉です。
「迂闊にも」と「不覚にも」はどちらも油断して失敗することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、より丁寧な表現にしたい場合に「不覚にも」の方を使うと覚えておきましょう。