似た意味を持つ「細分化」(読み方:さいぶんか)と「断片化」(読み方:だんぺんか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「細分化」と「断片化」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
細分化と断片化の違い
細分化と断片化の意味の違い
細分化と断片化の違いを分かりやすく言うと、細分化とは細かく分ける作業、断片化とは分割された状態という違いです。
細分化と断片化の使い方の違い
一つ目の細分化を使った分かりやすい例としては、「市場細分化はマーケティングの基本です」「業務を必要なタスクに細分化する」「細分化された情報を整理する」「市場細分化の手法を学ぶ」「メディアの細分化が進む」などがあります。
二つ目の断片化を使った分かりやすい例としては、「データ配置の断片化の程度を調べる」「ハードディスクの断片化を解消する」「断片化率が30%以上なら再構築すべきだ」「ファイル断片化の原因を調べる」などがあります。
細分化と断片化の使い分け方
細分化と断片化という言葉は、ニュアンスが似ているため混同して使われる傾向がありますが、意味は大きく異なります。
細分化とは、細かく分けることを意味します。「市場細分化」「タスクに細分化する」のように、ビジネスの場で使われることが多い言葉です。「市場細分化」とは、市場を構成する顧客や業種業態などを、ある視点から細かく区分することを表します。
断片化とは、分割された状態を意味します。「ハードディスクの断片化」「データ配置の断片化」のようにコンピュータ用語として使われ、1つのデータが分割されてあちこちに保存されている状態を表します。
このように二つの言葉は、語句の意味も使われる分野も異なります。
細分化と断片化の英語表記の違い
細分化を英語にすると「segmentation」「subdivision」となり、例えば上記の「市場細分化」を英語にすると「market segmentation」となります。
一方、断片化を英語にすると「fragmentation」「fracture」となり、例えば上記の「断片化の程度」を英語にすると「degree of fragmentation」となります。
細分化の意味
細分化とは
細分化とは、細かく分けることや細かく分化することを意味しています。
細分化の読み方
細分化の読み方は「さいぶんか」です。「分」は「ふん」ではなく、濁音で「ぶん」と読みます。
表現方法は「細分化する」「細分化された」「細分化が進む」
「細分化する」「細分化された」「細分化が進む」などが、細分化を使った一般的な言い回しです。
細分化の使い方
細分化を使った分かりやすい例としては、「事業の細分化はビジネス成功の秘訣です」「細分化された職種で専門性を磨く」「ワークフローを細分化する」「業務細分化のやり方を教えて下さい」「目標を細分化して実行する」などがあります。
その他にも、「市場細分化をマーケティングに活かす」「業務を細分化するメリット」「作業別に細分化された組織です」「分類により市場を細分化する」「BtoBビジネスの細分化を検討する」「メディアの細分化が進む」「購買状況により細分化する」などがあります。
細分化という言葉の「細分」とは、細かく分割したり分類したりすることを意味します。前と違った状態になることを表す「化」と結びついて、細分化とは、細かく分けることや、細かく分化することを意味する言葉です。
細分化という言葉は、日常生活で使われることは少なく、ビジネスシーンで使われることが多くあります。業務効率のためにタスクごとに分割したり、購買状況を把握するために購入者を分類する時などに用いられています。
「市場細分化」の意味
細分化を用いた日本語には「市場細分化」があります。市場をニーズ、特徴、行動様式などに基づき分類することです。現代では、市場細分化を前提とするマーケティングは極めて一般的な考え方になっています。
細分化の対義語
細分化の対義語・反対語としては、いくつかに分かれている問題や組織などを統一することを意味する「一元化」、ばらばらになっているものを一つにまとめることを意味する「一本化」、物事を整理して一つにまとめることを意味する「集約」などがあります。
細分化の類語
細分化の類語・類義語としては、細かく切られたものやその切れ端を意味する「細切れ」、いくつかに分けることを意味する「分割」、こなごなに打ち砕くことを意味する「粉砕」などがあります。
断片化の意味
断片化とは
断片化とは、ハードディスクなどの記憶装置において、ファイルを保存する際に、連続した領域に保存できず複数の領域にまたがってしまうことを意味しています。
断片化の読み方
断片化の読み方は「だんぺんか」です。「片」は「へん」ではなく、「ぺん」と読みます。
表現方法は「断片化された」「断片化を解消する」「断片化の対策」
「断片化された」「断片化を解消する」「断片化の対策」などが、断片化を使った一般的な言い回しです。
断片化の使い方
断片化を使った分かりやすい例としては、「ストレージの断片化を解消する」「インデックスの断片化率を取得する」「断片化解消に時間がかかる」「windows10は断片化しやすいのだろうか」「断片化率の計算方法を学ぶ」などがあります。
その他にも、「0%が断片化しています」「断片化は速度低下やエラーの原因になる」「断片化されたファイルを修復する」「こまめな最適化で断片化を解消する」「Oracleの断片化の対策を教えて下さい」などがあります。
断片化という言葉の「断片」とは、あるまとまったものの一部分を意味します。断片化とはコンピュータ用語であり、1つのデータがハードディスクなどの複数の場所に分散して保存されている状態のことです。「フラグメンテーション」とも言います。
断片化は、ある領域に保存したファイルが、移動や削除を繰り返されることで起こるとされています。断片化が起きると、ファイルを読み書きするたびに複数の場所にアクセスしなければならないので、アクセス速度が遅くなります。これを解消させることを、「最適化」「デフラグ」と言います。
「断片化率」の意味
断片化を用いた日本語には「断片化率」があります。コンピュータの各領域のなかで断片化がどのて緯度進んでいるかをパーセンテージで表すものです。上記の例文にある「0%が断片化しています」とは、断片化が全くされていない状態です。
断片化の対義語
断片化の対義語・反対語としては、ディスクの断片化を解消することを意味する「デフラグ」、パソコンでハードディスクのフラグメンテーションを解消するデフラグ作業を意味する「最適化」などがあります。
断片化の類語
断片化の類語・類義語としては、ハードディスクのファイルの追加や削除を繰り返すうちにファイルがバラバラに保存された状態になることを意味する「フラグメンテーション」、壊れた物のかけらを意味する「破片」などがあります。
細分化の例文
この言葉がよく使われる場面としては、細かく分けること、細かく分化することを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3のように、細分化という言葉はビジネスシーンで使われることが多い言葉です。例文4では、英語の文章を語句のまとまりごとに区切ることを「細分化」と表現しています。
断片化の例文
この言葉がよく使われる場面としては、1つのデータがハードディスクなどの複数の場所に分散して保存されている状態を表現したい時などが挙げられます。
断片化という言葉は、例文1から例文4のように基本的にコンピュータ用語として使われていますが、例文5のように他の分野でも使われることがあります。例文5にある「DNA断片化」とは、細胞のDNA鎖が分離したり細かく切断されている状態のことです。
細分化と断片化という言葉は、似ていますが意味は異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、細かく分ける作業を表現したい時は「細分化」を、分割された状態を表現したい時は「断片化」を使うようにしましょう。