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【無能】と【無策】と【無為】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「無能」(読み方:むのう)と「無策」(読み方:むさく)と「無為」(読み方:むい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「無能」と「無策」と「無為」という言葉は、無という漢字が共通しており、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




無能と無策と無為の違い

無能と無策と無為の意味の違い

無能と無策と無為の違いを分かりやすく言うと、無能は才能がないことを表現する時に使い、無策は計画が無いことを表現する時に使い、無為は何もしないことを表現する時に使うという違いです。

無能と無策と無為の使い方の違い

無能という言葉は、「上司に無能だと言われてへこんだ」「無能であっても指示のもと努力を積み重ねることはできる」などの使い方で、才能や能力がないことを意味します。

無策という言葉は、「無策のままでも良い結果になることもある」「事態が悪化しているのに無策なのは如何なものか」などの使い方で、方策や対策がないことを意味します。

無為という言葉は、「無為な毎日を過ごしている子どもに何も言わない親も珍しい」「無為に時間を過ごすことにそろそろ焦りを感じ始めた」などの使い方で、何もしないでぶらぶらしていることを意味します。

どれも意味は違うものの、それぞれを一緒に使った四字熟語が存在します。

四字熟語「無能無策」「無為無策」「無為無能」の意味の違い

「無能無策」は何の対策もなく何もできないことを意味し、「無為無策」は何の対策も立てられずに腕をこまねくだけであることを意味する四字熟語です

また、「無為無能」は、何もしない、何もできないことを意味する四字熟語です。この言葉は、批判することだけではなく、自身を謙遜する時にも使う言葉です。

これらのことから、無能は何もできないことを、無策は何の策もないことを、無為は何もしないことを意味します。これが、無能、無策、無為の明確な違いです。

無能の意味

無能とは

無能とは、能力や才能がないことを意味しています。

表現方法は「無能すぎる」「無能な社員はいらない」「無能でつらい」

「無能すぎる」「無能な社員はいらない」「無能でつらい」などが、無能を使った一般的な言い回しです。

無能を使った言葉として、「無能貧民」「無能吊橋」があります。

「無能貧民」の意味

一つ目の「無能貧民」とは、1601年にイギリスで制定された救貧法における区分の一つで、無能貧民と有能貧民、児童の三つに分けられていました。

無能貧民は働くことができない人たちが該当する区分で国によって扶養されることとなりますが、貧困救済のための法律ではなく、衣食住が欠けているものによる犯罪を防ぐことを目的に制定された法律です。

「無能吊橋」の意味

二つ目の「無能吊橋」とは、埼玉県某所に存在する配管管理橋の通称であったり、足場となる板の間が非常に狭く、板と板の間隔も大きく空いており、人が通る吊橋に適していないものを指します。

無能の対義語

無能の対義語・反対語としては、才能のあることを意味する「有能」、多くの才能や機能を持っていることを意味する「多能」、物事を正確に素早く処理する手腕があることを意味する「敏腕」があります。

無能の類語

無能の類語・類義語としては、体力や勢力などが無いことを意味する「無力」、能力や才能が無いことを意味する「不能」、言動や趣味などがたいそう洗練されていないことを意味する「野暮天」(読み方:やぼてん)などがあります。

無策の意味

無策とは

無策とは、方策や対策を持っていないことを意味しています。

表現方法は「無策にもほどがある」「無策のまま」「無策に続く愚策」

「無策にもほどがある」「無策のまま」「無策に続く愚策」などが、無策を使った一般的な言い回しです。

無策を使った言葉として、「無策の策」「無策王」があります。

「無策の策」の意味

一つ目の「無策の策」とは、計画や方針のために色々と悩んでも決断できない時に、何も決定しないことを策とすることを意味する言葉です。

考えを巡らせたり、該当の案件に関連する知識を手に入れて、なお決まらない場合は話し合いの中で良策が浮かんだり、過去の経験を反映させることが出来る可能性があることから使われるようになった言葉で、「策士策に溺れる」は対となる考えと言えます。

「無策王」の意味

二つ目の「無策王」とは、在位978年から1016年のイングランド王、エセルレッド2世の異名です。

当時、デーン人の侵入に苦しめられ続けたものの、その対策を全くしていなかった上、退去料の支払いで国に大きな負担を与えたり、国内のデーン人を虐殺したなどによって、「無思慮王」や「怠慢王」とも言われています。

無策の類語

無策の類語・類義語としては、はっきりした見通しも立てずに物事を行うことを意味する「無計画」があります。

無為の意味

無為とは

無為とは、何もしないでぶらぶらしていることを意味しています。その他にも、自然のままに任せて手を加えないことや、人為的に作られたものではないものも意味します。

無為の読み方

一般的には「むい」という読み方がなされますが、「ぶい」という読み方もあります。この場合、自然に任せて人の手を加えないことや、平穏無事なことを意味します。

表現方法は「無為に過ごす」「無為に時間を過ごす」「無為にして化す」

「無為に過ごす」「無為に時間を過ごす」「無為にして化す」などが、無為を使った一般的な言い回しです。

無為を使った言葉として、「無為自然」「無為徒食」があります。

四字熟語「無為自然」の意味

一つ目の「無為自然」とは、手が加えられることもなく、自然のままであることを意味する四字熟語です。「無為」も「自然」も『老子』に見られる言葉で、欲などをはたらせないように自然のまま生きることを説いていました。

四字熟語「無為徒食」の意味

二つ目の「無為徒食」とは、やるべきことを何もしないでただ遊んで暮らすことを意味する言葉です。「伴食宰相」(読み方:ばんしょくさいしょう)や「無芸大食」は類語・類義語に当たる四字熟語です。

無為の対義語

無為の対義語・反対語としては、能力があることや役に立つことを意味する「有為」(読み方:ゆうい)があります。

無為の類語

無為の類語・類義語としては、穏やかに従うことを意味する「和順」、物事を角を立てずに穏やかに行うことを意味する「穏便」、世間が穏やかで静かなことを意味する「平静」、怠けてだらしないことを意味する「怠惰」があります。

無能の例文

1.個の能力としてみたら有能である彼は、集団で輝くことができずに無能扱いされている。
2.無能な働き者は、その場に適した判断が出来ないにも関わらず、勝手に動き回ってしまうため注意が必要だ。
3.無能か否かの定義は人や場の状況によって大きく変わってくるのではないだろうか。
4.ネット業界で有名な男は、最近ではご意見番としても有名になり、相談する人々をしきりに無能、無能と容赦なく言葉を浴びせていた。
5.わたしは上司からお前は無能だと言われてへこんでいたが、気持ちを切り替えて、努力を積み重ねることに集中している。
6.日本の未来はこのままでは無能無策のまま沈没していくのではないかと危機感を募らせていたが、どうやら世代によって温度差があるようだった。
7.彼は前の会社から無能扱いされていたが、実はたぐいまれなる才能があって、それらを活かすことで人生に活路を見出すことができた。

この言葉がよく使われる場面としては、能力や才能がないことを意味する時などが挙げられます。

例文2の「無能な働き者」とは、ドイツの軍人ハンス・フォン・ゼークトが語ったとされる「ゼークトの組織論」と呼ばれる軍事的なジョークの軍人のタイプの一つです。

無策の例文

1.事態が全く収束していないにも関わらず無策の延長を行うのは、納得しない人も多いだろう。
2.上司の無策さにそろそろ呆れて物も言えなくなりそうだが、勝手にこちらで軌道修正を行う。
3.無策よりは愚策でもある方が安心する人も多いような気がする。
4.会社の経営改革は進まず、その無策を嘆いていた人々は次々と辞めていったものだから、余計に経営が傾くという悪循環に陥っていた。
5.就職氷河期と言える時期に差し掛かっても国の雇用対策は無策に等しかったために、多くの人々の人生設計が狂ってしまったのだ。
6.我が国の場合、政府が対策をとって大失敗するということよりも、事なかれ主義による無策によって大失敗することの方が多いように思える。
7.結局わが社は外資による買収交渉を長引かせようとして、細部に茶々を入れて無策の時間稼ぎをすることしかできなかった。

この言葉がよく使われる場面としては、方策や対策を持っていないことを意味する時などが挙げられます。

例文2の無策は無能に置き換えて使うことが出来ますが、意味は大きく変わります。

無為の例文

1.友人は無為徒食な暮らしを楽しんでいたが、そろそろ貯蓄が無くなるようで必死に仕事を探している。
2.今まで仕事だけをしてきた人生であったため、無為な時間を過ごしてみるのも悪くないかもしれないと感じた。
3.無駄に過ごすことと無為に過ごすことは異なり、後者は浪費という意味に留まらない。
4.コロナ禍でパートの仕事もなくなって無為な毎日を過ごしていたので、何か好きなことでも初めてみようとちょっとした副業を始めてみた。
5.大都市のなかであくせく働いてお金を貯めこんでいる人々に嫌気がさしていた一方で、わたしは無為自然の境地をどこかで求めていたのだ。
6.ろくに受験勉強もせずに、無為に時間を過ごしていることに焦りを感じていたが、それでも机に向かうことに強い抵抗を感じていた。
7.わたしはせっかくの日曜日なのに外にも出ず、布団で寝転んで無為な一日を過ごしてしまったことをひどく後悔した。

この言葉がよく使われる場面としては、何もしないでぶらぶらしていることを意味する時などが挙げられます。

例文1の「無為徒食」とは、何もしないでただ無駄に毎日を過ごすことや、意味もなく時間を費やすことを意味する四字熟語です。

無能と無策と無為どれを使うか迷った場合は、才能がないことを表す場合は「無能」を、計画が無いことを表す場合は「無策」を、何もしないことを表す場合は「無為」を使うと覚えておけば間違いありません。

言葉の使い方の例文
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