似た意味を持つ「年号」と「元号」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「年号」と「元号」という言葉は、どちらも年を表現する時に使う言葉という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
年号と元号の違い
年号と元号の意味の違い
年号と元号の違いを分かりやすく言うと、特定の年を指す言葉か、年・時代全体の名称を指す言葉かの違いです。
年号は20〇〇年や平成○○年といった特定の年を表し、元号は「大正」「昭和」「平成」などの時代全体を表します。
年号と元号の使い方の違い
一つ目の年号を使った分かりやすい例としては、「履歴書の年号は西暦と和暦どちらでも問題ない」「年号の記入に関するルールのお知らせです」「年号が去年のままとなっていますので修正をしてください」などがあります。
二つ目の元号を使った分かりやすい例としては、「候補に挙がったが採用されなかった元号はこちら」「最初の元号は大化って知ってた?」「新元号は令和に決まった」「最初は違和感を感じていた新元号にも最近は慣れてきた」などがあります。
年号と元号の違いについて混乱した場合は、時代全体の名称を変える際に「改元」という言葉を使うことを思い出すとわかりやすいです。
「改元」という言葉は、元号の「元」の字を使っています。元号を改めることを「改元」と言います。
しかしながら現在では、年号と元号の違いは曖昧であり、辞書で調べても同じものとして扱われていることが多いです。年に付ける呼び名という意味で混同して使われる傾向があります。
年号と元号の英語表記の違い
年号を英語にすると「Year」となり、例えば「今は2020年」を英語にすると「It is the year 2020」になります。
一方の元号を英語にすると「Era」となり、例えば「令和という日本の元号」を英語にすると「a Japanese era called Reiwa」になります。
年号の意味
年号とは
年号とは、20○○年や平成○○年など、具体的な特定の年を指すことを意味しています。一般的に馴染み深く、書類などに記載したりする年は「年号」だと言えます。
20○○年という表記については「西暦」という呼ばれ方もしますが、これも「年号」にあたるものです。
表現方法は「年号を変える」「年号を西暦に直す」「年号を覚える」
「年号を変える」「年号を西暦に直す」「年号を覚える」などが、年号を使った一般的な言い回しです。
「出版年号」「創立年号」「施行年号」の意味
年号が用いられた言葉には、本の最終ページにその本がいつ書かれたものなのかを示す意味の「出版年号」、会社を興した年のことを示す意味の「創立年号」、法律などが施行された年のことを意味する「施行年号」というような使われ方をします。
年号の類語
年号の号の字を使った別の言葉としては、年号を変えることを意味する「改号」、立場や資格を意味する「称号」、文字や図形を意味する「符号」、個人事業主の名称を意味する「屋号」などがあります。
元号の意味
元号とは
元号とは、本来は中国にあった言葉で、日本では645年に「大化」と名付けられたのがはじめです。年号と違い特定の年ではなく「昭和」や「平成」など、年・時代全体の名称のことを意味しています。
古くは天災などの天変地異がおこった時などにその名称を改めていましたが、現在は天皇の皇位継承があった場合に限り元号を改めます。元号は政令である元号法によって定められます。政令とは、内閣が制定する命令のことです。
表現方法は「元号を改める」「元号を変える」「元号を決める」
「元号を改める」「元号を変える」「元号を決める」などが、元号を使った一般的な言い回しです。
元号の類語
元号の元の字を使った別の言葉としては、天皇が即位した最初の年を意味する「元年」、その家系の一番最初の人を意味する「元祖」、元旦の朝のことを意味する「元朝」、物質の根源を意味する「元素」、事業を始める時のお金を意味する「元金」などがあります。
年号の例文
年号は具体的な特定の年を指す意味を持ちます。歴史を学ぶ際や重要な書類などを記入する際に使うことが多いです。
この言葉がよく使われる場面としては、歴史を大きく動かす印象的な事件が起こった時や、会社や学校などを創立した時などがあります。「1600年関ヶ原の戦い」の1600年の部分や、「天保13年松下村塾を設立」の天保13年の部分が年号にあたります。
また、例文5にあるように「西暦」と「年号」を混合して使う場合もあります。厳密に言えば、例文5の2015年という部分も年号です。
しかし、「西暦」と「和暦」を分けて考えるような場面では、西暦が20○○年、和暦の年号が平成○○年にあたります。
元号の例文
元号はもともとは中国で生まれたものですが、現在では日本の他に元号制度を使っている国は存在しません。
この言葉がよく使われる場面としては、歴史を学ぶ際や皇位継承があった際などが挙げられます。
元号は漢字で二字と決められており、ローマ字で表記した時に、以前使っていた元号と頭文字が重複しないようにするのが基本です。