【木】と【草】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「木」(読み方:き)と「草」(読み方:くさ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「木」と「草」という言葉は、どちらも葉や花をつける植物という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。







木と草の違い

木と草の違いを分かりやすく言うと、木というのは、成長して幹が太くなるものを意味していて、草というのは、成長しても茎の太くならないものを意味しているという違いです。

木の中心の軸のことを「幹」(読み方:みき)といい、草のそれを「茎」(読み方:くき)と言いますが、幹はどんどん太くなるのに対して、茎はすぐに太くなるのを止め、細いままです。これが木と草の区別の目印です。

一般的には、木は背の高いもので、草は足元にあるものだと考えられています。しかし、アセビやクチナシのように背の低い木もあれば、ヒマワリやトウキビのように人間の身長をゆうに超えて育つ草もありますので、この区別は間違いです。

木は「樹齢」(読み方:じゅれい)が千年を超えるものもあることから長生きで、草はすぐに枯れてしまうものだと考えることがありますが、この区別は木と草の特徴に当てはまっています。

木の幹は、四つの層に分かれています。表面から順に「樹皮」「内樹皮」「形成層」「本部ないし本質部」の四つです。このうちの「形成層」が「本部」を形成し、年輪を作り上げていきます。「形成部」の働きによって木は幹を太く成長させることが出来ます。

草にはそうした働きはなく、発芽してから一定期間は太くなりますが、ある程度で太くなることを止めます。また草は木のように堅い樹皮に覆われることはなく、表面が柔らかいことも特徴の一つです。

生物学では、木と草には以上のような区別を付けますが、植物学では両者に本質的な区別はないと考えています。

木の意味

木とは、樹皮に覆われて表面が堅く、また幹を太くさせながら成長する植物を意味しています。

木の樹皮は死んだ細胞核で、いずれ剥がれ落ち、すぐまた別の樹皮が表面を覆います。また、木の幹の内側には形成層と呼ばれる部分があり、それが年輪を形成しながら幹を太くします。

木は絶えず堅さを保ちつつ、また太くなりながら成長するので、衝撃や環境の変化に強く、長く生き続けることが出来ます。

木の中には、何千年も生き続けるものがあります。日本で最も有名なのが鹿児島県屋久島の縄文杉で、推定樹齢は最高で7200年ほどとされています。その他にも、この島には樹齢が千年を超える木が多く見つかっています。

木の類語・類義語としては、同じく「き」と読む「樹」があります。「木」は生きている木も枯れて落ち朽ちた木も表現しますが、「樹」は生きている木しか意味することは出来ません。

例えば「木材」は伐採された木を加工して作るものなので、既に木に命はありません。木材を表現するのに「樹」という言葉を使うことは出来ません。また「樹木」という言葉がありますが、立木のことしか意味することは出来ません。

木を使った別の言葉としては、移植するために鉢植えなどで育てられる幼い木を意味する「苗木」、生えてから数年の若い木を意味する「若木」、年数の経った木を意味する「老木」「老い木」、海に流れて漂う木や、そうして海岸に流れ着いた木を意味する「流木」などがあります。

草の意味

草とは、茎の表面は柔らかく、また茎が太くならない植物を意味しています。

草は一般に足元に生えているものと考えられています。しかしヒマワリやトウキビなど、人間の背丈よりも高くなる植物も草に分類されます。

他方で、「低木」(読み方:ていぼく)と呼ばれる低い木の中には、人の腰丈ほどまでしか高くならないものもあるので、一概に高さで草か木か判断することは、本来は出来ません。

草は茎の表面が柔らかく、太くならないものです。逆に木は、幹が樹皮に覆われて堅く、また少しづつ太さを増しながら成長していくものです。ただしこの区別は生物学上のもので、植物学では本質的な区別を考えません。

草の類語・類義語としては、草の茎や枝について、光合成などの役割を果たす緑いろの器官を意味する「葉」、種子植物が有性生殖を行う器官を意味する「花」などがあります。

草の字を使った言葉としては、人民をかよわい草にたとえた「民草」、土の中に根を張るのではなく水面に浮いている草、そこから転じて漂って定まらない物事や、安定しない生活を意味する「根無し草」などがあります。

木の例文と使い方

1.学校の裏山の木を勝手に切ってはいけません。
2.見たことのない木を見つけたので、写真を撮って、図書館の図鑑でなんという種類のものか調べた。
3.ヤマを張ったとおり、テストで木の部分の名称を答えさせる問題が出た。
4.木の構造に興味を持つようになったきっかけは、学校の授業だった。
5.台風で境内の銀杏の木が倒れた。

この言葉がよく使われる場面としては、幹を持つ植物を表現したい時などが挙げられます。

木と草を区別するのは、幹を持つか茎を持つかの違いです。太くなるかどうかも両者を区別する指標ですが、それは言葉の定義に関することなので、「木」という言葉を使う時に「幹が太くなる」ということが意識されているわけではありません。

また、幹があれば木だということは私達の意識に定着しているので、日常的な場面では使い分けに困ることはありません。

草の例文と使い方

1.庭の草むしりをしたら、いつのまにか全身泥だらけになっていた。
2.この空き地はもうだいぶ長いこと手入れされていないのか、雑草が伸びっぱなしになっていた。
3.焚火をするために落ち葉や枯れ草を集める。
4.草野球のチームってこんなにあるんだ。
5.この動画の猫ホント草生える。

この言葉がよく使われる場面としては、茎を持つ植物を表現したい時などが挙げられます。

草を木から区別するのは、幹ではなく草を持つという点です。茎は幹とは異なり太くはなりませんが、この点は度外視しても、茎か幹かは表面の形や堅さで判断がつきます。

幹なのか茎なのかは自然と分かるものですので、日常的な場面で使い分けを心配する必要はありません。

また、植物を直接に表現しない用法として、例文4や例文5のような使われ方があります。例文4の「草野球」というのは、素人の野球のことです。「草サッカー」や「草バスケ」などの言葉もあります。「野良試合」と同じような考え方から、「草」という言葉が使われています。

例文5の草というのは「笑える、面白い、ウケる」を意味するネットスラングです。インターネットやSNSの書き込みで、面白いことを表現するのに「w」という記号を使うことがありますが、それが草の形に似ていることから「草」という漢字が使われるようになりました。

単に「草」という単独の形で使われることもありますが、「笑わずにはいられない」という意味で「草不可避」というように使われることもあり、また強調すると「大草原」になります。