同じ「てのひら」という読み方の「手の平」と「掌」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「手の平」と「掌」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
手の平と掌の違い
手の平と掌の意味の違い
手の平と掌の違いを分かりやすく言うと、手の平は人体の一部を指すことが多く、掌は慣用句として使われることが多いという違いです。
手の平と掌の使い方の違い
一つ目の手の平を使った分かりやすい例としては、「手の平がかゆいので明日病院へ行く予定だ」「手の平の痛みが治まらない」「手の平サイズの部品を扱っている」「すぐ手の平を返す人は苦手です」などがあります。
二つ目の掌を使った分かりやすい例としては、「彼の告白は掌を指すように失敗するのは明らかだ」「宝くじが当たったことを伝えたら掌を返すように優しくなった」「掌にほくろがあるのは珍しい」などがあります。
手の平と掌は同音同義語
手の平と掌は同じ意味を持っている言葉なので、どちらを使っても問題ありません。ただし、一般的に使われているのは手の平の方と覚えておいてください。また、掌は古い言葉なのですが、慣用句として今でも使われています。
手の平と掌の英語表記の違い
手の平も掌も英語にすると「palm」となり、例えば上記の「手の平の痛みが治まらない」を英語にすると「The pain in the palm doesn’t go away」となります。
手の平の意味
手の平とは
手の平とは、手を握ったときに内側になる面を意味しています。
手の平の使い方
手の平を使った分かりやすい例としては、「手の平のかゆみが治らない」「手の平に痛みとしびれを感じている」「使うなら手の平サイズのスマホが良い」「手の平にイボができた」などがあります。
その他にも、「手の平が腫れて痛い」「手の平をほぐすマッサージをして貰った」「手の平を返す人には注意しよう」「手の平にニキビができた」「手の平を火傷した」などがあります。
手の平は、一般的に人体の一部を指して使う言葉になります。
「手の平返し」の意味
手の平を使った表現に「手の平返し」があります。手の平返しとは、言葉や態度がそれまで変わることを意味しています。基本的に手の平返しはマイナスのイメージで使われることが多いです。
手の平の対義語
手の平の対義語・反対語としては、手を握ると外側になる面を意味する「手の甲」があります。
手の平の類語
手の平の類語・類義語としては、たなごころを意味する「手の裏」、勢力の及ぶ範囲内のことを意味する「手の内」、開いた手の平のことを意味する「平手」、などがあります。
手の平の手の字を使った別の言葉としては、手に持って遊ぶことを意味する「手遊び」、手に触れることを意味する「手当たり」、手を洗うことを意味する「手洗い」、手の形のことを意味する「手形」、手元にあるお金を意味する「手金」などがあります。
その他にも、物事の処理の仕方を意味する「手際」、手で操る人形のことを意味する「手傀儡」、手でもて遊ぶことを意味する「手草」、腕と手の平の繋がる部分のことを意味する「手首」、手で組むことを意味する「手組」などがあります。
掌の意味
掌とは
掌とは、手を握ったときに内側になる面を意味しています。
掌の使い方
掌を使った分かりやすい例としては、「彼が有罪なのは掌を指すように明らかだ」「掌を返すように態度を変えてきた」「掌のしびれの原因はなんだろう」「掌へのキスは求婚のメッセージだ」「昨日から掌がかゆい」などがあります。
掌の読み方
掌という言葉は様々な読み方があるのですが、どれを使っても間違いではありません。「てのひら」以外の読み方としては、「たなごころ」「しょう」「たなうら」「たなそこ」などがあります。この中でも「たなごころ」と読んで使うことが非常に多いです。
その「たなごころ」を使った慣用句は多数あり、現代でも使われています。例を挙げると「掌の中(読み方:たなごころのうち)」「掌を指す(読み方:たなごころをさす)」「掌を返す(読み方:たなごころをかえす)」「掌の玉(読み方:たなごころのたま)」などがあります。
掌の類語
掌の類語・類義語としては、たなごころのことを意味する「手底」(読み方:たなそこ)、手の平のことを意味する「手の腹」、手の平の中のことを意味する「掌中」などがあります。
掌の字を使った別の言葉としては、自分の思い通りにすることを意味する「掌握」、手首の関節を手の平方向に折り曲げることを意味する「掌屈」、手の平の上のことを意味する「掌上」、指を開いた手の平の形のことを意味する「掌状」などがあります。
その他にも、手の平がある側のことを意味する「掌側」、手の平全体にある皮膚の隆起線のことを意味する「掌紋」、手の平の中のことを意味する「掌裏」(読み方:しょうり)などがあります。
手の平の例文
この言葉がよく使われる場面としては、手を握ったときに内側になる面を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4のように人体の一部を表現したい時に使うのが一般的です。それ以外だと例文5のように、言葉や態度がそれまでと変わる手の平を返すという表現で使います。また手の平を返すという表現を使う場合はマイナスなイメージになることが多いと覚えておいてください。
掌の例文
この言葉がよく使われる場面としては、手を握ったときに内側になる面を表現したい時などが挙げられます。
掌という言葉は様々な読み方があるのですが、よく使われるのは「てのひら」と「たなごころ」です。例文1から例文3は「たなごころ」の読み方で使われており、例文4と例文5は「てのひら」の読み方で使われています。
また例文1の「握れば拳、開けば掌」ということわざは、握り締めれば人を殴る拳になるし、開けば人をなでる掌になるという意味が転じて、物事は心の持ち方や状況によって変わるということの例えになっています。
手の平と掌どちらを使うか迷った場合は、日常的に使われている手の平を使うと覚えておけば間違いありません。