似た意味を持つ「自己啓発」(読み方:じこけいはつ)と「自己研鑽」(読み方:じこけんさん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「自己啓発」と「自己研鑽」という言葉は、どちらも自分を磨くことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「自己啓発」と「自己研鑽」の違い
「自己啓発」と「自己研鑽」の意味の違い
「自己啓発」と「自己研鑽」の違いを分かりやすく言うと、「自己啓発」とは意識を高めるという抽象的な行為のこと、「自己研鑽」とはスキルを磨くという具体的な行為のことという違いです。
「自己啓発」と「自己研鑽」の使い方の違い
一つ目の「自己啓発」を使った分かりやすい例としては、「自己啓発セミナーに参加することにしました」「自己啓発セミナーに騙される人が後を絶たない」「私は自己啓発に関する本をたくさん読んでいます」「自己啓発目標があると人生が変わると言われている」などがあります。
二つ目の「自己研鑽」を使った分かりやすい例としては、「自己研鑽を怠ってはいけません」「今年のゴールデンウィークは自己研鑽のために使いました」「入学後も自己研鑽に努める所存です」「チームは自己研鑽の場を提供してくれました」などがあります。
「自己啓発」と「自己研鑽」の使い分け方
「自己啓発」と「自己研鑽」はどちらも自分を磨くという似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「自己啓発」は生き甲斐やモチベーションなど、精神面を高める抽象的な行為を指すのに対して、「自己研鑽」は資格取得の勉強やスキルアップのための練習など、具体的な行為を指す場合に使うというのが違いになります。
「自己啓発」と「自己研鑽」の英語表記の違い
「自己啓発」を英語にすると「Self-development」となり、例えば上記の「私は自己啓発に関する本をたくさん読んでいます」を英語にすると「I’ve been reading a lot of books on self-development lately」となります。
一方、「自己研鑽」を英語にすると「self-improvement」となり、例えば上記の「チームは自己研鑽の場を提供してくれました」を英語にすると「The team will provide you with opportunities for self-improvement」となります。
「自己啓発」の意味
「自己啓発」とは
「自己啓発」とは、本人の意思で自分自身の能力向上や精神的な成長を目指すことを意味しています。
表現方法は「自己啓発本」「自己啓発力」「自己啓発セミナー」
「自己啓発本」「自己啓発力」「自己啓発セミナー」などが、自己啓発を使った一般的な言い回しです。
「自己啓発」の使い方
「自己啓発」を使った分かりやすい例としては、「怪しげな自己啓発セミナーには参加しない方がいいと教わりました」「自己啓発の本を読むことによって私の人生観が変わりました」「自己啓発を図るためにたくさん本を読んでいます」などがあります。
「自己啓発」は自分自身を意味する「自己」と、人が気づかずにいるところを教え示してより高い認識や理解に導くことを意味する「啓発」が合わさり、本人の意思で自分自身の能力向上や精神的な成長を目指すことを意味している言葉です。
「自己啓発」は生き甲斐やモチベーションなどの、精神面を高める抽象的な行為を指しています。また、「自己啓発」は広く一般的に使われている言葉ですが、ビジネスシーンにおいての意識向上のために使われることが多いです。
「自己啓発」を向上させるためには「自己啓発本」や「自己啓発セミナー」に参加するという手段があります。もちろんメリットもありますが、のめり込み過ぎて周りが見えなくなるというデメリットもあるので、注意するようにしましょう。
「自己啓発」の類語
「自己啓発」の類語・類義語としては、自己を変革することを意味する「自己変革」、自分の魅力を高める努力をすることを意味する「自分磨き」、水準が上がることを意味する「レベルアップ」などがあります。
「自己研鑽」の意味
「自己研鑽」とは
「自己研鑽」とは、自分の能力やスキルを磨くことを意味しています。
表現方法は「自己研鑽に努める所存」「自己研鑽を怠らず」
「自己研鑽に努める所存」「自己研鑽を怠らず」などが、「自己研鑽」を使った一般的な言い回しになります。
「自己研鑽」の使い方
「自己研鑽」を使った分かりやすい例としては、「今年のお正月休みは自己研鑽のために使いました」「プロジェクトリーダーとして己研鑽を怠らず誰よりも仕事をしました」「日々の自己研鑽を重ねるキャプテンは周りからの信頼も厚い」などがあります。
「自己研鑽」は自分自身を意味する「自己」と、学問などを深く究めること「研鑽」が合わさり、自分の能力やスキルを磨くことを意味する言葉です。「研鑽」のみだと主に学問だけですが、「自己研鑽」とすることによって学問以外に対しても使うことができます。
「自己研鑽」は日常生活とビジネスシーンのどちらでも使うことが可能です。また、会社や学校の面接や履歴書で使うこともできます。
「自己研鑽」の類語
「自己研鑽」の類語・類義語としては、順位や等級などが上がることを意味する「ランクアップ」、自分自身を変えることを意味する「自己革新」、自分の技術や精神をしっかりしたものにすることを意味する「自分を鍛える」などがあります。
「自己啓発」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、本人の意思で自分自身の能力向上や精神的な成長を目指すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「自己啓発」は基本的にプラスの意味で行なわれる行動ですが、それを逆手に悪いことを考えている人もいるのが現実です。
「自己研鑽」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分の能力やスキルを磨くことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「自己研鑽」は学問だけではなく自分の能力やスキルを磨く場合に使うことができます。
「自己啓発」と「自己研鑽」はどちらも自分を高めることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、意識を高めるという抽象的な行為の時は「自己啓発」を、スキルを磨くという具体的な行為の時は「自己研鑽」を使うと覚えておきましょう。