似た意味を持つ「ディーラー」と「ブローカー」と「トレーダー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ディーラー」と「ブローカー」と「トレーダー」という言葉は、為替取引に関する人や業者という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ディーラーとブローカーとトレーダーの違い
ディーラーとブローカーとトレーダーの意味の違い
ディーラーとブローカーとトレーダーの違いを分かりやすく言うと、ディーラーは販売店を表現する時に使い、ブローカーは仲介人を表現する時に使い、トレーダーは取引人を表現する時に使うという違いです。
ディーラーとブローカーとトレーダーの使い方の違い
ディーラーという言葉は、「ディーラーに駄々をこねて自動車のオプション品を安くしてもらった」「ディーラープロモーションに熱が入っている」などの使い方で、販売業者を意味します。
ブローカーという言葉は、「悪質なブローカーに引っ掛からないことを祈る」「ブローカーという言葉は悪いイメージを付与する時にも使われることがある」などの使い方で、仲介人を意味します。
トレーダーという言葉は、「アルバイトで得た資金でデイトレーダーとして取引をしている人もいるらしい」「トレーダーとしての活動に専念すると同僚が退職した」などの使い方で、取引業者を意味します。
ディーラーとブローカーとトレーダーの使い分け方
ディーラーもトレーダーも外国為替市場にて取引を行う業者を指すことがある言葉ですが、前者は自社の資金に関するリスクを考えて売買を行うのに対し、後者は他の顧客から注文を受けて処理することが求められています。
一方のブローカーは、第三者として仲介をする人や業者を指す言葉で、自身が取引をすることはなく、他社同士の取引を成立させたら手数料を受け取ることができます。
これが、ディーラー、ブローカー、トレーダーの明確な違いです。
ディーラーの意味
ディーラーとは
ディーラーとは、販売業者を意味しています。また、メーカーが特別に契約している販売店も指します。
英語では「dealer」と表記する言葉で、自身の負担で証券などを購入する金融機関や、トランプゲームにおいてカードを配る人を指すこともあります。
ディーラーを使った言葉として、「ディーラーオプション」「ディーラープロモーション」があります。
「ディーラーオプション」の意味
一つ目の「ディーラーオプション」とは、車販売において販売業者の工場で取り付ける特別注文装備品を指す言葉です。シートカバーなどのアクセサリーや、ナビやオーディオなどの機器を取り付けることができ、納車後でも対応してもらえるのが特徴的です。
「ディーラープロモーション」の意味
二つ目の「ディーラープロモーション」とは、メーカーが小売店に対して販売促進を目的として援助を行うことを意味する言葉です。経営一般に関する助言や、販売方法の教授、広告活動に関する経費の一部負担などが該当します。
ディーラーの類語
ディーラーの類語・類義語としては、生産者と消費者との間に立って商品を売買することで利益を得ようとする人を意味する「商人」、品物を売る人を意味する「売人」、商売を生業とする人を意味する「商売人」があります。
ブローカーの意味
ブローカーとは
ブローカーとは、仲介人を意味しています。
英語では「broker」と表記する言葉で、第三者として契約などにおける法律行為の成立を仲立ちする人を指します。
「外為ブローカー」の意味
ブローカーを使った言葉として、「外為ブローカー」(読み方:がいためぶろーかー)があります。これは、金融機関同士が取引を行うインターバンク市場での取引を仲介する業者を指す言葉で、「外国為替ブロ-カー」の略称です。
外国為替取引の売り手と買い手の仲立ちを行い、その取引を成立させた場合には手数料を両者から受け取ることとなります。
また、為替取引を行いたいディーラーの要望などを電話で受け、肉声で取引を行うブローカーを「ボイスブローカー」と言うのに対し、インターネットを通じて株式の取引サービスを行う「オンラインブローカー」や「ネット証券」と言います。
ブローカーの類語
ブローカーの類語・類義語としては、生産者などから商品を仕入れ最終消費者以外に対して販売を行う業者を指す「問屋」、当事者に支障がある時など代わって職務を行うことを意味する「代行」、他人間の売買の媒介をすることを意味する「仲立ち」などがあります。
トレーダーの意味
トレーダーとは
トレーダーとは、取引業者を意味しています。
英語では「trader」と表記する言葉で、商人、貿易商や貿易会社を指します。今日では、投資を行う人に対する言葉として多く使われる言葉です。
「デイトレーダー」の意味
トレーダーを使った言葉として、「デイトレーダー」があります。これは株式や債権などの取引を行う個人投資家を指す言葉です。
いわゆるFXと呼ばれる外国為替証拠金取引や、農産物などの商品を一定日時に一定の価格で売買することを約束する商品先物取引などの取引を「デイトレード」と言うことから、「デイトレーダー」と呼ばれています。
また、デイトレーダーは、2002年以降専業トレーダーが増加したこともあり、「専業デイトレーダー」と「兼業デイトレーダー」と区別されることもあります。専業トレーダーらが集まって投資会社を設立したり、企業に雇われるディーラーも存在するなど様々です。
トレーダーの類語
トレーダーの類語・類義語としては、商工業などの事業を営んでいる人を意味する「業者」があります。
ディーラーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、販売業者を意味する時などが挙げられます。
例文1の「サブディーラー」とは、メーカーとは契約を結んでいない店舗を指す言葉で、整備工場や中古車販売店などが新車販売も行っているというのが特徴です。
ブローカーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、仲介人を意味する時などが挙げられます。
例文1の「不動産ブローカー」とは、不動産会社とは異なり、正規の資格や免許を持たないにも関わらず不動産の仲介を行う人を指す言葉です。
トレーダーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、取引業者を意味する時などが挙げられます。
例文3のように企業に所属しているわけではない人に対しては、ディーラーという言葉を使うことはできません。
ディーラーとブローカーとトレーダーどれを使うか迷った場合は、販売店を表す場合は「ディーラー」を、仲介人を表す場合は「ブローカー」を、取引人を表す場合は「トレーダー」を使うと覚えておけば間違いありません。