似た意味を持つ「切り上げ」(読み方:きりあげ)と「四捨五入」(読み方:ししゃごにゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「切り上げ」と「四捨五入」という言葉は、どちらも計算で使うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「切り上げ」と「四捨五入」の違い
「切り上げ」と「四捨五入」の意味の違い
「切り上げ」と「四捨五入」の違いを分かりやすく言うと、「切り上げ」とは計算で端数がある時に1ケタ増やすこと、「四捨五入」とは計算で端数が4以下なら0にして5以上なら1ケタ増やすこという違いです。
「切り上げ」と「四捨五入」の使い方の違い
一つ目の「切り上げ」を使った分かりやすい例としては、「0.7以上の端数を切り上げる」「今日は娘の誕生日なので仕事を早く切り上げる」「1700を切り上げると2000です」などがあります。
二つ目の「四捨五入」を使った分かりやすい例としては、「36.769を小数第3位で四捨五入すると36.77になる」「4731の十の位を四捨五入すると切り捨てるので4700になります」「5787の十の位を四捨五入すると切り上げるので5800になる」などがあります。
「切り上げ」と「四捨五入」の計算方法の違い
「切り上げ」と「四捨五入」はどちらも計算において使う言葉ですが、使い方に少し違いがあります。
「切り上げ」は計算で端数がある時に1ケタ増やすことで、「切り上げ」た場合は0から9の全ての数字で繰り上げることができます。
一方、「四捨五入」は計算で端数が4以下なら0にして5以上なら1ケタ増やすことで、4以下の数字であれば捨てて0になり、5以上の数字であれば1繰り上げます。
分かりやすい例を挙げると、3745を100の位までの概数にせよという問題が出た場合、「切り上げ」は3800、「四捨五入」は3700になります。
また、「1755」を100の位までの概数にせよという問題が出た場合は、「切り上げ」は1800、
「四捨五入」も1800になります。
その他の違いとしては、「切り上げ」は計算以外にも使うことが可能で、区切りをつけて終わりにすることや通貨の対外価値を高くすることの意味を持っていることです。
「切り上げ」と「四捨五入」の英語表記の違い
「切り上げ」を英語にすると「round up」「stop 」「leave off」となり、例えば上記の「0.7以上の端数を切り上げる」を英語にすると「Round up decimals 0.7 and above to the next whole number」となります。
一方、「四捨五入」を英語にすると「round off」となり、例えば上記の「36.769を小数第3位で四捨五入すると36.77になる」を英語にすると「If 36.769 is rounded off to the second decimal place, it becomes 36.77」となります。
「切り上げ」の意味
「切り上げ」とは
「切り上げ」とは、計算で求める位未満の端数を求める位に1として加えることを意味しています。その他にも、区切りをつけて終わりにすることや通貨の対外価値を高くすることの意味も持っています。
「切り上げ」の使い方
「2340を百の位で切り上げると2400になります」「12345を千の位で切り上げると13000となります」などの文中で使われている「切り上げ」は、「計算で求める位未満の端数を求める位に1として加えること」の意味で使われています。
一方、「この辺で切り上げ終わりにしよう」「天候が悪くなってきたので今日は切り上げます」などの文中で使われている「切り上げ」は、「区切りをつけて終わりにすること」の意味で使われています。
「切り上げ」は複数の意味を持つ言葉ですが、一般的に使われているのは、計算で求める位未満の端数を求める位に1として加えることと、区切りをつけて終わりにすることの意味になります。
「切り上げ」のやり方
「切り上げ」は計算で端数がある時に1ケタ増やすことで0から9の全ての数字を繰り上げることができます。また、切り上げた位以下の数字を0にするのも特徴です。
例えば23756を千の位までの概数にすると、3が繰り上がり、切り上げた位以下の数字を0にするので24000となります。
「切り上げ」の対義語
「切り上げ」の対義語・反対語としては、 計算で、求める位未満の端数を捨てることを意味する「切り捨て」、 物価や貨幣価値を低くすることを意味する「切り下げ」などがあります。
「切り上げ」の類語
「切り上げ」の類語・類義語としては、取り扱いを打ち切ることを意味する「締め切り」、物事がすっかり終わることを意味する「終了」などがあります。
「四捨五入」の意味
「四捨五入」とは
「四捨五入」とは、計算で求める位の次の端数が4以下なら切り捨て5以上なら切り上げて1とし求める位に加えることを意味しています。
「四捨五入」の使い方
「四捨五入」を使った分かりやすい計算例としては、「1670の十の位を四捨五入すると切り上げるので1700」「1640十の位を四捨五入すると切り捨てるので1600」「2387十の位を四捨五入すると切り上げるので2400」「2328十の位を四捨五入すると切り捨てるので2300」などがあります。
「四捨五入」は計算する場合にのみ使うので、とても限定的な言葉になっています。
「四捨五入」のやり方
「四捨五入」の計算方法としては、求める桁の次の位の数字が4以下の場合は切り捨てて0にし、5以上ならば切り上げて上の位に1を加えることです。
例えば5471の百の位を四捨五入せよという問題が出た場合は、百の位は4なのでそこに注目し、4以下なので切り捨てて5000となります。
その他にも例を挙げると、53827の百の位を四捨五入せようという問題が出た場合は、百の位は8なのでそこに注目し、5以上なので切り上げて上の位に1を加えて54000となります。また、「四捨五入」する位以下の数字を0にするのがポイントです。
「切り上げ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、計算で求める位未満の端数を求める位に1として加えることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、区切りをつけて終わりにすることや通貨の対外価値を高くすることを表現したい時にも使います。
例文1の「切り上げ」は計算で求める位未満の端数を求める位に1として加えること、例文2から例文4の「切り上げ」は区切りをつけて終わりにすること、例文5の「切り上げ」は通貨の対外価値を高くすることの意味で使っています。
「四捨五入」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、計算で求める位の次の端数が4以下なら切り捨て5以上なら切り上げて1とし求める位に加えることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文が四捨五入の計算方法になります。
「切り上げ」と「四捨五入」どちらの言葉を使うか迷った場合、計算で端数がある時に1ケタ増やすことを表現したい時には「切り上げ」を、計算で端数が4以下なら0にして5以上なら1ケタ増やすことを表現したい場合は「四捨五入」を使うようにしましょう。