似た意味を持つ「鼻白む」(読み方:はなじろむ)と「しらける」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「鼻白む」と「しらける」という言葉は、どちらも興がさめることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「鼻白む」と「しらける」の違い
「鼻白む」と「しらける」の意味の違い
「鼻白む」と「しらける」の違いを分かりやすく言うと、「鼻白む」とは人が主語になる時にしか使えない、「しらける」とは雰囲気や場所が主語になる場合にも使えるという違いです。
「鼻白む」と「しらける」の使い方の違い
一つ目の「鼻白む」を使った分かりやすい例としては、「彼女が言った言葉に鼻白む」「彼の鋭い指摘に鼻白む」「いきなり彼氏が怒鳴り出したため、私は鼻白むことになった」「私の提案を無視されて鼻白む」などがあります。
二つ目の「しらける」を使った分かりやすい例としては、「彼の面白くない冗談が場をしらけさせる」「あの人がいると座が白ける」「日が経つにつれて壁紙がしらける」「飲んでるる時にシラフの人がいるとしらけると言う人もいます」「彼女は場をしらけさせる」などがあります。
「鼻白む」と「しらける」の使い分け方
「鼻白む」と「しらける」は似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「鼻白む」は「私の提案を無視されて鼻白む」「いきなり彼氏が怒鳴り出したため、私は鼻白むことになった」などように、人が主語になる場合にしか使えません。
一方、「しらける」は「彼の空気の読めない発言で座がしらける」「くだらない痴話喧嘩でしらけたムードになる」などのように、雰囲気や場所が主語になる場合にも使えるというのが違いになります。
「鼻白む」と「しらける」の英語表記の違い
「鼻白む」を英語にすると「to lose interest」「lose my nerve」「get timid」となり、例えば上記の「私の提案を無視されて鼻白む」を英語にすると「When my proposal was ignored, I lost all interest in it」となります。
一方、「しらける」を英語にすると「wet blanket」「have a chill cast over it」となり、例えば上記の「彼女は場をしらけさせる」を英語にすると「She is a wet blanket」となります。
「鼻白む」の意味
「鼻白む」とは
「鼻白む」とは、気後れした顔つきをすることを意味しています。その他にも、興ざめすることの意味も持っています。
「鼻白む」の使い方
「相手の気勢に一瞬鼻白む」「突然の退職命令で鼻白む彼が気の毒です」などの文中で使われている「鼻白む」は、「気後れした顔つきをすること」の意味で使われています。
一方、「無粋な話に一同は鼻白む」「彼の場違いな発言にその場にいる人たちは鼻白む」「彼女の空気の読めない発言に鼻白む」などの文中で使われている「鼻白む」は、「興ざめすること」の意味で使われています。
「鼻白む」は文語的なニュアンスを持つ言葉なので、日常生活やビジネスシーンの会話などではあまり使われていません。そのため、馴染みのない人も多いでしょう。もし、口語で使う場合は、「興ざめ」や「がっかり」などの表現が適しています。
また、「鼻白む」はどちらの意味でもマイナスなイメージを伴っているため、使う場面や場所は選ぶようにしましょう。
「鼻白む」の類語
「鼻白む」の類語・類義語としては、高まっていた感情や興味が衰えたり薄らいだりすることを意味する「冷める」、体力や気力が衰えて弱ることを意味する「萎える」、気持ちや勢いが削がれることを意味する「盛り下がる」などがあります。
「しらける」の意味
「しらける」とは
「しらける」とは、興がさめて気まずい雰囲気になることを意味しています。その他にも、白くなること、具合が悪くなること、明らかにすることの意味も持っています。
表現方法は「場がしらける」「座がしらける」
「場がしらける」「座がしらける」などが、「しらける」を使った一般的な言い回しになります。
「しらける」の使い方
「しらける」を使った分かりやすい例としては、「彼女の空気の読めない発言のせいで座がしらけてしまった」「座がしらけることばかり言う彼はみんなから嫌われている」「私が話すとしらけることが多いのでいつも黙っています」などがあります。
「しらける」は複数の意味を持つ言葉ですが、一般的に使われているのは興がさめて気まずい雰囲気になることの意味です。また、マイナスなイメージを伴っている言葉になります。
「しらける」の語源
「しらける」の語源は諸説ありますが、万葉時代から使われていた「白く」が変化したのが有力な語源と言われています。元々は、白くなるという意味で使われていたのですが、江戸時代辺りから、明るみに出ることで面白くなくなるというニュアンスで使われるようになりました。
これが転じて、興がさめて気まずい雰囲気になることを「しらける」というようになったそうです。
「しらける」は人だけではなく、「場がしらける」「座がしらける」などのように、雰囲気や場所が主語になる場合にも使えるというのが特徴です。
「しらける」の類語
「しらける」の類語・類義語としては、それまでの楽しい気分や興味が薄れることを意味する「興ざめ」、楽しい気分や興味をそぐことを意味する「興醒まし」、面白みや色気をなくすことを意味する「艶消し」などがあります。
「鼻白む」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、気後れした顔つきをすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、興ざめすることを表現したい時にも使います。
例文1と例文2の「鼻白む」は気後れした顔つきをすること、例文3から例文5の「鼻白む」は興ざめすることの意味で使っています。
「しらける」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、興がさめて気まずい雰囲気になることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、白くなることを表現したい時にも使います。
例文1から例文4の「しらける」は興がさめて気まずい雰囲気になること、例文5の「しらける」は白くなることの意味で使っています。
「鼻白む」と「しらける」はどちらも興がさめることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「鼻白む」は人が主語になる時にしか使えないのに対して、「しらける」は雰囲気や場所が主語になる場合にも使えると覚えておきましょう。