【否めない】と【否定できない】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「否めない」(読み方:いなめない)と「否定できない」(読み方:ひていできない)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「否めない」と「否定できない」という言葉は、どちらも否定することができないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「否めない」と「否定できない」の違い

「否めない」と「否定できない」の意味の違い

「否めない」と「否定できない」の違いを分かりやすく言うと、「否めない」の方が「否定できない」よりやや一般的に使われているという違いです。

「否めない」と「否定できない」の使い方の違い

一つ目の「否めない」を使った分かりやすい例としては、「今更感が否めない質問をしてもよろしいでしょうか」「上司の命令であるならば否めない」「この規則は時代遅れ感が否めない」などがあります。

二つ目の「否定できない」を使った分かりやすい例としては、「彼女の犯行であることを否定できない」「今回の展示会は前回よりもレベルが下がっている感が否定できない」「リモートワークが始まってから太ったことは否定できない」などがあります。

「否めない」と「否定できない」の使い分け方

「否めない」と「否定できない」はどちらも否定することができないことを表しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「否めない」の方が「否定できない」よりやや一般的に使われているという点です。

また、「否めない」と「否定できない」の意味に大きな違いはないので、お互い置き換えても問題ありません。

「否めない」と「否定できない」の英語表記の違い

「否めない」も「否定できない」も英語にすると「cannot deny」「undeniable」となり、例えば上記の「時代遅れ感が否めない」を英語にすると「Seem undeniably behind the times」となります。

「否めない」の意味

「否めない」とは

「否めない」とは、断ることができないことを意味しています。その他にも、否定できないことの意味も持っています。

表現方法は「〇〇感が否めない」「辛いけど否めない」「否めない彼氏感」

「〇〇感が否めない」「辛いけど否めない」「否めない彼氏感」などが、「否めない」を使った一般的な言い回しになります。

「否めない」の使い方

「結婚式への招待とあらば否めない」「上司からの飲みへの誘いとあらば否めない」などの文中で使われている「否めない」は、「断ることができないこと」の意味で使われています。

一方、「私はこれに関して経験不足であることが否めない」「私の買い物に無理につき合わせてしまっている感が否めない」などの文中で使われている「否めない」は、「否定できないこと」の意味で使われています。

「否めない」は否定することを意味する「否む」に、可能性を表す「れる」ついた「否める」に、打消しの言葉である「ない」が合わさり、否定できないことの意味で使われている言葉です。

「否めない」は否定することができないことを意味する言葉なので、可能性があるやあるかもしれないなどの可能性や推量のニュアンスで使うことができます。

例えば上記の「私はこれに関して経験不足であることが否めない」を分かりやすく解説すると、「私はこれに関して経験不足な可能性がある」「私はこれに関して経験不足なのかもしれない」と解釈することができます。

「否めない」は日常生活よりも、どちらかというビジネスシーンで使われていることが多い言葉です。また、断言しない曖昧な表現なので、はっきりと言い切ることができない場合に使える便利な言葉です。

「否めない」の類語

「否めない」の類語・類義語としては、しない可能性があることを意味する「ないかもしれない」、断定することはできない可能性があることを意味する「あるやもしれない」などがあります。

「否定できない」の意味

「否定できない」とは

「否定できない」とは、そうではないと打ち消すことができないことを意味しています。

表現方法は「可能性は否定できない」「否定できない人」

「可能性は否定できない」「否定できない人」などが、「否定できない」を使った一般的な言い回しになります。

「否定できない」の使い方

「否定できない」を使った分かりやすい例としては、「これらが盗まれる可能性が否定できない」「いけないことだと分かっているが、彼に恋愛感情があるのは否定できない」「彼女は30歳を超えてから急に老けた感は否定できない」などがあります。

「否定できない」はそうではないと打ち消すことを意味する「否定」に、動作や作用を打ち消すことを意味する「できない」が合わさり、そうではないと打ち消すことができないことを意味する言葉です。

また、可能性があるやあるかもしれないなどの可能性や推量のニュアンスで使うことができます。

「否定できない」の対義語

「否定できない」の対義語・反対語としては、そうではないと打ち消すことを意味する「否定する」があります。

「否定できない」の類語

「否定できない」の類語・類義語としては、 起こる可能性があることを意味する「あり得る」、物事が実現できる見込みがあることを意味する「可能性がある」などがあります。

「否めない」の例文

1.体調があまり良くないが、社長から飲みのお誘いなので、否めない。
2.会社の業績が落ちる一方なので、業務提携の話を否めない。
3.5年前は世界トップクラスの選手であったが、最近で衰えている感が否めない。
4.ドラフト1位の選手にはとても期待しているが、プロ野球選手として経験不足であることは否めない。
5.新年の挨拶も今更感が否めないですが、今年もよろしくお願いいたします。
6.服というのは、同じデザインでも、後発の安価なブランドの場合、どうしても安っぽい感が否めません。
7.失恋をしてからも、彼女はいつも通りに明るく振る舞っていたが、やはり無理しているなと思う感じは否めない。
8.私は人前で話すことが苦手で、結婚式のスピーチもやったことがなかったが、親友の晴れ舞台とあらば否めないだろう。
9.将来の健康のことを考えて普通のビールからノンアルコールビールに変えたのだが、少々物足りなくなったのは否めない。
10.友人はコストコの会員なのでよく連れていってもらっているが、若干無理につき合わせている感は否めない。

この言葉がよく使われる場面としては、断ることができないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、否定できないことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「否めない」は断ることができないこと、例文3から例文5の「否めない」は否定できないことの意味で使っています。

「否定できない」の例文

1.この決定に違和感があることは否定できないが、もう決まったことだしやりきるしかありません。
2.彼は学生時代にとても活躍していたが、プロとして経験不足なのは否定できない。
3.一時期に比べて売り上げが落ちてきているので、弊社が衰退していることは否定できない。
4.彼が有能であることは否定できないが、このプロジェクトに参加させることはできません。
5.今のままの視聴率であれば、番組が打ち切りになることも否定できない。
6.同僚が突然会社にこなくなり、家族や友人も心当たりを探したが一向に見つからないし、携帯も繋がらない。このまま見つからないとすると、何か時間に巻き込まれた可能性も否定できない。
7.規制改革は抵抗勢力の反発が予想されるが、彼らも否定できない事実を積み上げることで、改革を推し進めるほかないだろう。
8.犯人は鍵を壊さずに入ったからと言って身内の犯行と決めつけるのは時期尚早だ。鍵を盗んで複製した可能性だって否定できないからね。
9.部下に恋愛感情があるのは否定できないが、あくまで仕事は仕事で、間違っているところがあれば厳しく指導している。
10.師匠はまじめに後進を育てる気もないのか弟子たちの才能の芽を摘んできたことは否定できないだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、そうではないと打ち消すことができないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように「否定できない」は可能性があるやあるかもしれないなどの可能性や推量のニュアンスで使うことができます。

「否めない」と「否定できない」はどちらも否定することができないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「否めない」の方が「否定できない」よりも一般的に使われていると覚えておきましょう。

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