【喜怒哀楽】と【一喜一憂】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「喜怒哀楽」(読み方:きどあいらく)と「一喜一憂」(読み方:いっきいちゆう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「喜怒哀楽」と「一喜一憂」という言葉は、どちらも物事に対して起こる感情を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




喜怒哀楽と一喜一憂の違い

喜怒哀楽と一喜一憂の意味の違い

喜怒哀楽と一喜一憂の違いを分かりやすく言うと、喜怒哀楽とは様々な感情を表し、一喜一憂とは感情の変化を表すという違いです。

喜怒哀楽と一喜一憂の使い方の違い

一つ目の喜怒哀楽を使った分かりやすい例としては、「彼女は喜怒哀楽が激しいので苦手です」「喜怒哀楽を表現した歌詞です」「マスクで喜怒哀楽が分かりづらい」「素直な子どもは喜怒哀楽が豊かです」などがあります。

二つ目の一喜一憂を使った分かりやすい例としては、「母はいつも私のテスト結果で一喜一憂する」「恋愛で一喜一憂する自分に疲れました」「値動きに一喜一憂する日々です」「スコアに一喜一憂せず試合に集中しよう」などがあります。

喜怒哀楽と一喜一憂の使い分け方

喜怒哀楽と一喜一憂という言葉は、どちらも物事に対して起こる感情を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

喜怒哀楽とは、喜びと怒り、悲しみと楽しみといった人間が持っている感情の総称です。「喜怒哀楽が激しい」「喜怒哀楽が豊か」のように感情の出し方を表す時などに使われています。

一喜一憂とは、状況に応じて喜んだり悲しんだりすることを意味します。物事に振り回されて精神的に安定していない様子を表し、ネガティブな印象を併せ持つ言葉です。

つまり、喜怒哀楽は人が持つ様々な感情を表していることに対して、一喜一憂はその感情の変化を表しているという違いがあります。

喜怒哀楽と一喜一憂の英語表記の違い

喜怒哀楽を英語にすると「feelings」「human emotions」となり、例えば上記の「彼女は喜怒哀楽が激しい」を英語にすると「She is very emotional」となります。

一方、一喜一憂を英語にすると「alternate hope and fear」「glad and sad」となり、例えば上記の「一喜一憂する」を英語にすると「be glad and sad by turns」となります。

喜怒哀楽の意味

喜怒哀楽とは

喜怒哀楽とは、人間の持っている様々な感情、喜び・怒り・悲しみ・楽しみの四つの情のことを意味しています。

表現方法は「喜怒哀楽が激しい」「喜怒哀楽がない」「喜怒哀楽を共にする」

「喜怒哀楽が激しい」「喜怒哀楽がない」「喜怒哀楽を共にする」などが、喜怒哀楽を使った一般的な言い回しです。

喜怒哀楽の使い方

喜怒哀楽を使った分かりやすい例としては、「就活ならではの喜怒哀楽があります」「ジャニーズWESTの喜怒哀楽が好きです」「喜怒哀楽は人間の醍醐味だと思います」「彼には喜怒哀楽の哀の感情が欠落していると思う」などがあります。

その他にも、「喜怒哀楽が顔に出る」「仕事中は喜怒哀楽を出さないようにしています」「珍道中の岡山旅行で喜怒哀楽を味わう」「喜怒哀楽をイラストで表現する」「英語圏の人々は喜怒哀楽が激しい」などがあります。

喜怒哀楽とは、人間が根本的に持っている様々な感情を指す言葉です。喜は喜び、怒は怒り、哀は悲しみ、楽は楽しみをそれぞれ意味する四字熟語です。喜怒哀楽は四つの感情だけでなく、恐怖・驚き・不安など様々な感情を含み、ポジティブな感情もネガティブな感情も全て表す言葉です。

喜怒哀楽の語源

喜怒哀楽の語源は、は古代中国の思想書「中庸」にあります。「喜怒哀楽を未だ発せざる、これを中という」と記されており、「喜怒哀楽などの感情が起こる前の状態を中と呼ぶ」と説いています。

喜怒哀楽の対義語

喜怒哀楽の対義語・反対語としては、精神や感情などの心の働きのないことを意味する「無情」、冷淡で人情がないことを意味する「非人情」などがあります。

喜怒哀楽の類語

喜怒哀楽の類語・類義語としては、感情のことを意味する「嬉笑怒罵」、悲しみと喜びを意味する「哀歓」、悲しみと喜びを意味する「悲喜」、物事に接したときに心にいだく感情や考え方を意味する「気持ち」、ある期間持続する漠然とした心身の状態を意味する「気分」などがあります。

一喜一憂の意味

一喜一憂とは

一喜一憂とは、状況の変化に応じて、喜んだり心配したりすることを意味しています。

表現方法は「一喜一憂する」「一喜一憂しない」「一喜一憂が激しい」

「一喜一憂する」「一喜一憂しない」「一喜一憂が激しい」などが、一喜一憂を使った一般的な言い回しです。

一喜一憂の使い方

一喜一憂を使った分かりやすい例としては、「彼の一言に一喜一憂してしまう」「恋愛で一喜一憂して気持ちが不安定です」「他人の言動に一喜一憂しないようにする」「模試の結果に一喜一憂しないでください」などがあります。

その他にも、「物事に一喜一憂しない方法を教えてください」「一喜一憂しないためには見識を広げましょう」「試合運びに一喜一憂しながら応援する」「英語のテストに一喜一憂しています」「マーケット動向に一喜一憂せずに運用する」などがあります。

一喜一憂とは、環境や情況が変化する度に、喜んだり心配したりすることを意味します。些細な物事に振り回されるさまを表し、マイナスイメージを伴う言葉です。人の感情の変化を表すため、ビジネスシーンよりも日常会話で用いられることの多い四字熟語です。

一喜一憂の対義語

一喜一憂の対義語・反対語としては、落ち着いていてどんなことにも動じないさまを意味する「泰然自若」、大事にあっても顔色一つ変えず平然と落ち着いている様子を意味する「神色自若」、どのようなことがあっても平然としていることを意味する「言笑自若」などがあります。

一喜一憂の類語

一喜一憂の類語・類義語としては、悲しいことと嬉しいことを代わる代わる味わうことを意味する「悲喜交交」(読み方:ひきこもごも)、少し顔をしかめたり笑ったりする些細な表情の変化を意味する「一顰一笑」、驚きあわてて非常にうろたえることを意味する「周章狼狽」などがあります。

喜怒哀楽の例文

1.アメリカ留学では英語だけでなく、喜怒哀楽をはっきりと出すことの大切さも学びました。
2.イラストで喜怒哀楽を表現する時には、キャラクターの表情だけでなく色使いがポイントになります。
3.喜怒哀楽の喜びと楽しみの違いは、嬉しいと感じるか楽しいと感じるかでしょう。
4.私たちの創作ダンスでは、喜怒哀楽それぞれの意味を表現するところに主眼を置きました。
5.喜怒哀楽の激しい韓国ドラマの続きが観たくて、ネットで検索しています。
6.喜怒哀楽の中でも特に怒が強い人が隣の席になり、物をバンバン机に投げつけるので出社するのが憂鬱になってきた。
7.うちの妻は、喜怒哀楽がわかりやすく顔に出ます。私にだけだったらいいのですが、誰にでもそうなので、見ているこちらははらはらすることが多いです。
8.いくら美人でも彼女のような喜怒哀楽が激しいのは苦手なので、恋愛対象にはなりえないよ。
9.以前芸術家の一家にインタビューしたことがあったが、皆喜怒哀楽が豊かでやはり感受性が大事なのだなと痛感した。
10.突然の吉報に喜びを表現したかったが、仕事中は喜怒哀楽を出すことは憚られたので、いったん現場を抜け出すことにした。

この言葉がよく使われる場面としては、喜びと怒り、悲しみと楽しみを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「喜怒哀楽が激しい」とは、感情が顔や態度に出やすいことです。また、「今泣いた烏がもう笑う」のように感情が変わりやすいことも意味する言い回しです。

一喜一憂の例文

1.受験の秘訣は、模試の結果に一喜一憂せずにやるべき事を粛々と進めることです。
2.試合中は得点にいちいち一喜一憂せずに、平常心でプレーするように心掛けています。
3.恋愛で一喜一憂するのが楽しいと感じる時期は過ぎたのか、面倒に感じるようになりました。
4.株価の上下に一喜一憂しないこととアドバイスされたが、少しの変動が気になって仕方がありません。
5.周囲に振り回されてしまうのですが、他人の言動に一喜一憂しない方法はありますか。
6.今年の夏の東京オリンピックでは、日本人選手の結果に一喜一憂しながらかぶりつくようにテレビを見ていた。
7.2年前の夏、大病で手術をしてからというもの、半年ごとの検査結果に一喜一憂する日々が続いています。
8.デイトレーダーをやるのなら相場の上下に一喜一憂していたらダメで気持ちを一定に保つ必要がある。
9.定期テストの点数に一喜一憂するあまり、毎日の食事がのどを通らなくなることもあった。
10.ダイエットを始めたと言ってもすぐに痩せるわけじゃないんだから、体重計の数字に一喜一憂するのはおやめなさい。

この言葉がよく使われる場面としては、状況が変わるたびに喜んだり心配したりして、落ち着かないことを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「模試の結果に一喜一憂」とは、複数あるテストの結果にいちいち喜んだり、心配したりして、落ち着かない様子を表しています。例文5の「他人の言動に一喜一憂」とは、他人の言動に振り回されているさまを表現しています。

喜怒哀楽と一喜一憂という言葉は、どちらも物事に対して起こる感情を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、人が根源的に持っている様々な感情を表現したい時は「喜怒哀楽」を、状況に応じた感情の変化を表現したい時は「一喜一憂」を使うようにしましょう。

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