似た意味を持つ「だのに」と「なのに」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「だのに」と「なのに」という言葉は、どちらも前述の事柄を受けてそれと相反する内容を導くことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「だのに」と「なのに」の違い
「だのに」と「なのに」の意味の違い
「だのに」と「なのに」の違いを分かりやすく言うと、「だのに」とは一般的に使われていない、「なのに」とは一般的に使われているという違いです。
「だのに」と「なのに」の使い方の違い
一つ目の「だのに」を使った分かりやすい例としては、「彼は夕方には来ると言っていた。だのに来ませんでした」「さっきお昼ご飯を食べたばかりです。だのにお腹が空いてしまいました」などがあります。
二つ目の「なのに」を使った分かりやすい例としては、「毎日遅くまで練習している。なのに一向に上達しません」「朝から彼女ことを待っていた。なのにこの場所へ来ることはなかった」「彼女は日本に来てまだ1ヶ月なのに日本語がとても上手です」などがあります。
「だのに」と「なのに」の使い分け方
「だのに」と「なのに」はどちらも前述の事柄を受けてそれと相反する内容を導くことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「だのに」はとても古い言い方で、現代においてはほとんど使われていません。一方、「なのに」は広く一般的に使われており、現代の日常会話などでも頻繁に登場する言葉というのが違いです。
また、「なのに」は上記の「毎日遅くまで練習している。なのに一向に上達しません」のように文頭だけではなく、「彼女は日本に来てまだ1ヶ月なのに日本語がとても上手です」のように文中においても使うことができます。
一方、「だのに」は文中で使うことはなく、文頭のみで使う言葉になります。
「だのに」と「なのに」の英語表記の違い
「だのに」も「なのに」も英語にすると「even though」「but」となり、例えば上記の「彼女は日本に来てまだ1ヶ月なのに日本語がとても上手です」を英語にすると「Her Japanese is very good even though he’s only been here for a month」となります。
「だのに」の意味
「だのに」とは
「だのに」とは、前述の事柄を受けてそれと相反する内容を導くことを意味しています。
「だのに」の使い方
「だのに」を使った分かりやすい例としては、「今日は炎天下で外を歩くのも辛かった。だのにお店は繁盛しました」「昨日お金を明日返すと言われた。だのに一向に返してくれる気配がありません」「優秀な監督を雇いした。だのに試合に勝つことができません」などがあります。
「だのに」は前述の事柄を受けてそれと相反する内容を導くことを意味する接続詞です。接続詞とは、自立語で活用がなく、先行する語や文節や文を受けて後続する語や文節や文に言いつづけ、それらのものの関係を示す言葉のことです。
「だのに」以外の接続詞としては、順接の「だから」「したがって」、逆接の「しかし」「けれども」、累加の「または」「および」、選択の「あるいは」「もしくは」などがあります。
「だのに」は基本的に文頭で使うのが特徴です。したがって、文中では使わない言葉と覚えておきましょう。また、「だのに」は肯定的な事柄と否定的な事柄のどちらでも使うことができます。
「だのに」の類語
「だのに」の類語・類義語としては、前述の事柄を受けてそれと相反する内容を導くことを意味する「だというのに」、前に述べた事柄と相反する内容を導くことを意味する「とは言え」などがあります。
「なのに」の意味
「なのに」とは
「なのに」とは、前述の事柄に対しあとの事柄がそれと矛盾する内容であることを意味しています。
「なのに」の使い方
「なのに」を使った分かりやすい例としては、「昨日はいつもより早く寝ました。なのに眠くて仕方がありません」「1時間前におやつのケーキを食べさせた。なのにお腹が空いたと言われてしまった」「私は一生懸命仕事をしている。なのに成果が一向に出ません」などがあります。
前述の事柄に対しあとの事柄がそれと矛盾する内容であることを意味する接続詞です。
また、「なのに」特徴としては文頭でも文中でもどちらでも使うことができるという点です。例えば上記の「昨日はいつもより早く寝ました。なのに眠くて仕方がありません」は文頭での使い方になります。
一方、「彼はお金持ちなのに幸せそうではない」「彼はまだ日本に来て三か月なのに日本語が上手です」などは文中での使い方です。
また、「なのに」は肯定的な事柄と否定的な事柄のどちらでも使うことができる言葉と覚えておきましょう。
「なのに」の類語
「なのに」の類語・類義語としては、そうであるのにのことを意味する「それなのに」、今まで述べてきた事柄を受けてそれと相反することを述べることを意味する「しかし」、前述の事柄を受けてそれと相反する事柄を導くことを意味する「そのくせ」などがあります。
「だのに」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前述の事柄を受けてそれと相反する内容を導くことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「だのに」は話し言葉として使うのが一般的です。
「なのに」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前述の事柄に対しあとの事柄がそれと矛盾する内容であることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「なのに」は話し言葉として使うのが一般的です。
「だのに」と「なのに」はどちらも前述の事柄を受けてそれと相反する内容を導くことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一般的に使われている「なのに」の方を使っておけば間違いないでしょう。