【熟考】と【熟慮】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「熟考」(読み方:じゅっこう)と「熟慮」(読み方:じゅくりょ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「熟考」と「熟慮」という言葉は、どちらもよく考えることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。

熟考と熟慮の違い

熟考と熟慮の違いを分かりやすく言うと、熟考は単に十分に考える、熟慮は様々な方面から十分に考えるという違いです。

一つ目の熟考を使った分かりやすい例としては、「弊社として色々と検討し熟考させていただいた結果、明日より営業を再開いたします」「熟考した結果、上京することに決めた」「彼は熟考を重ねた結果、警察官になる道を選んだ」などがあります。

二つ目の熟慮を使った分かりやすい例としては、「私は熟慮の末、彼と別れる決断をした」「裁判官は熟慮に欠ける決定は出すべきではない」「採用の件は熟慮してご返事させて頂きます」などがあります。

熟考と熟慮はほとんどの同じ意味を持っておりどちらを使っても間違いない場合が多いのですが、あえて言うならば熟考は単に十分に考える、熟慮は様々な方面から十分に考えると覚えておけば間違いないでしょう。

そのため、熟考は熟考を重ねると表現できるのですが、熟慮を重ねるという表現はできません。熟考の十分に考えることは何度も重ねることができるのですが、熟慮はすでに様々な方面から十分に考えているからです。熟慮は熟考を重ねたという言葉とほぼ同じ意味とイメージしていいです。

反対に熟慮の末は表現できるのですが、熟考の末とはあまり表現しません。熟考の末と表現するなら最初から熟慮という言葉を使えばいいからです。

熟考も熟慮も英語にすると、よく考えることを意味する「Consideration」となり、例えば上記の「熟慮の上ご返事させて頂きます」を英語にすると「I will reply after careful consideration」となります。

熟考の意味

熟考とは、念を入れてよく考えることを意味しています。

熟考を使った分かりやすい例としては、「弊社として色々と検討し熟考させていただきましたが、サービス継続が困難なため本日を持ってサービスを終了いたします」「彼女は熟考した結果、転職することにした」などがあります。

その他にも、「熟考する子供は授業参観であまり発言をしない」「彼女は熟考を重ねた上でお見合いをすることにした」「彼は熟考した結果FA宣言を行使することにした」「ローンしてまで高級車を買うか熟考している」などがあります。

熟考は頻繁に見かける言葉ではないですが、ビジネスシーンでも日常生活でも使うことができます。十分に考えるという意味を持っているので大事な決定や判断を下すとき時に使います。また、「熟考を重ねる」「「熟考した上で」「熟考した結果」などの言葉で表現することが多いです

熟考の類義語としては、一度考えてみることを意味する「一考」、論理的に道筋を立てて考えることを意味する「思索」、あれこれと考えを巡らすこと「思案」、よく調べて考えることを意味する「検討」などがあります。

熟考の考の字を使った別の言葉としては、愚かな考えのことを意味する「愚考」、工夫をして考えることを意味する「考案」、物事を明らかにするためによく調べて考えることを意味する「考察」、比べて合わせて考えることを意味する「比考」などがあります。

その他にも、はっきりしない点を考えて明らかにすることを意味する「考定」、もう一度考え直すことを意味する「再考」、考えることを意味する「思考」、ちょっと考えることを意味する「小考」、長い時間を掛けて考えることを意味する「長考」などがあります。

熟慮の意味

熟慮とは、色々なことを考え入れて検討することを意味しています。

熟慮を使った分かりやすい例としては、「私の短所は熟慮が足らないことだ」「彼は熟慮の末今シーズン限りで引退することを決めた」「彼の発言いつも熟慮に欠けている」「市長を決める選挙で私は熟慮して一票を投じた」などがあります。

熟慮という言葉は様々な方面から見て物事を考えることを意味しており、ニュアンス的には、熟考を何回も重ねたのが熟慮とイメージしてくれたら分かりやすいはずです。

また、熟慮はビジネスシーンと日常生活どちらでも見る言葉で、様々な方面から物事を考えて決定や判断を下す時によく使います。熟慮のよく使われる表現方法としては、「熟慮の末」「熟慮に欠ける」「熟慮した」などがあります。

熟慮を使った四字熟語としては、「熟慮断行」(読み方:じゅくりょだんこう)があります。熟慮断行とは、十分に考えた上で思い切って実行することを意味しています。

熟慮断行を使った分かりやすい例としては、「彼は熟慮断行が素晴らしいので経営者として成功するはずだ」「社長は会社の命運を握っているため、熟慮断行することを求められている」などがあります。

熟慮の類義語としては、黙って考えることを意味する「黙考」(読み方:もっこう)、心を落ち着けて深く考えることを意味する「潜考」、よく考えることを意味する「勘考」、いろいろ思いを巡らし考えることを意味する「思量」などがあります。

熟慮の慮の字を使った別の言葉としては、考えすぎのことを意味する「過慮」、苦心して色々考えることを意味する「苦慮」、愚かな考えのことを意味する「愚慮」、物事を色々な要素を含めてよく考えることを意味する「考慮」などがあります。

熟考の例文と使い方

1.熟考する人は物事を論理的にこなすことが多いので見習いたい。
2.当店として色々と検討し熟考させていただきましたが、経営が困難なため今月を持って閉店とさせて頂きます。
3.ビジネスでは判断は素早くし、熟考して決断することがとても大事である。
4.熟考した結果、就職するのではなく大学院に進むことにした。
5.彼は熟考を重ねて、一族が経営している旅館を継ぐ道を選んだ。

この言葉がよく使われる場面としては、念を入れてよく考えることを表現したい時などが挙げられます。

例文2から例文4のように、ビジネスシーンでも日常生活でも使える言葉になります。十分に考えることを意味しているので、熟考した結果大事な決定や判断を下すことが多いです。また、例文5のように熟考を表現する際には、熟考を重ねてという言葉をよく使います。

熟慮の例文と使い方

1.みんなから好かれる人は熟慮が働ない発言をしないので真似していきたい。
2.熟慮しているだけじゃ人生は変わらない、行動することが一番大事だ。
3.当商品はご返品できませんので熟慮の上ご購入お願い致します。
4.経営者にとってとても大切なことは熟慮断行することだと思う。
5.私は熟慮の末、都内にマイホームを購入することに決めた。

この言葉がよく使われる場面としては、色々なことを考えて念入りに検討することを表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文3のように、様々な方面から十分に考えることを表現する時に使う言葉です。また、例文5のように熟慮の末という言い回しはよく使われます。

熟考と熟慮はほとんど同じ意味を持っているため、どちらを使っても間違いではないです。強いて言うならば、「〇〇を重ねる」と表現したい時には熟考を、「〇〇の末」と表現したい時には熟慮をと覚えておけばいいでしょう。