似た意味を持つ「門外漢」(読み方:もんがいかん)と「畑違い」(読み方:はたけちがい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「門外漢」と「畑違い」という言葉は、どちらも専門ではないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「門外漢」と「畑違い」の違い
「門外漢」と「畑違い」の意味の違い
「門外漢」と「畑違い」の違いを分かりやすく言うと、「門外漢」とはただ単純に専門ではないこと、「畑違い」とは専門の分野ではないが別の専門の分野を持っていることという違いです。
「門外漢」と「畑違い」の使い方の違い
一つ目の「門外漢」を使った分かりやすい例としては、「私は経理について門外漢です」「門外漢の私にも分かるように説明してください」「彼女は自分は門外漢で詳しいことは知らぬと前置きをしました」などがあります。
二つ目の「畑違い」を使った分かりやすい例としては、「畑違いの仕事はとても苦労します」「畑違いの妹に会ってみたいです」「内科は畑違いなので別の先生を呼んできてください」「彼は畑違いの仕事を見事にこなした」などがあります。
「門外漢」と「畑違い」の使い分け方
「門外漢」と「畑違い」はどちらも似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「門外漢」はただ単純に専門ではないことを意味しているのに対して、「畑違い」は専門の分野ではないが、別の専門の分野があるという意味で使う言葉というのが違いになります。
分かりやすい例を挙げると、「物理学に関しては門外漢です」とすると、ただ単純に物理学は専門ではないことを表しています。一方、「物理学に関しては畑違いです」とすると、物理学は専門ではないが、他に何か専門の分野を持っているという意味になります。
また、「畑違い」は兄弟姉妹の中で母親が異なることという全く異なる意味を持っているというのも違いの一つです。
「門外漢」と「畑違い」の英語表記の違い
「門外漢」を英語にすると「outsider」「layman」「amateur」となり、例えば上記の「彼女は自分は門外漢で詳しいことは知らぬと前置きをしました」を英語にすると「she premised that she was an outsider and not versed in the matter」となります。
一方、「畑違い」を英語にすると「be out of one’s line」「be not one’s specialty」となり、例えば上記の「彼は畑違いの仕事を見事にこなした」を英語にすると「He did the work very well thought it was out of him line」となります。
「門外漢」の意味
「門外漢」とは
「門外漢」とは、その物事について専門家でない人のことを意味しています。
表現方法は「門外漢なのですが」「門外漢で恐縮ですが」「門外漢故」
「門外漢なのですが」「門外漢で恐縮ですが」「門外漢故」などが、「門外漢」を使った一般的な言い回しになります。
「門外漢」の使い方
「門外漢」を使った分かりやすい例としては、「工学については門外漢なのでその質問には答えられません」「門外漢ですがSNSを広告として活用するのはどうでしょうか」「門外漢の人に説明を求めても無駄だろう」などがあります。
「門外漢」はビジネスシーンにおいて、「門外漢ですがSNSを広告として活用するのはどうでしょうか」「門外漢でございますがよろしくお願いします」などのように、知識が浅いことを申し訳なく思うことや、自分を謙遜している場合に使います。
「門外漢」の由来
「門外漢」の由来は弟子入りできない人のことです。「門」には弟子となって教えを受ける所という意味があり、「門下に入る」とすると弟子になって専門の分野を学ぶという意味になります。
それに門の外にいる男のことを「外漢」が合わさり、門に入れない人、つまり専門性がない人という意味で使われるようになりました。
「門外漢」は女性に対しても使える
昔は技術を身に付ける人が男のみだったため「漢」という漢字が使われていますが、女性に対しても使える言葉と覚えておきましょう。
「門外漢」の対義語
「門外漢」の対義語・反対語としては、ある特定の学問や事柄を専門に研究してそれに精通している人のことを意味する「専門家」があります。
「門外漢」の類語
「門外漢」の類語・類義語としては、その事に経験が浅く未熟な人のことを意味する「素人」、芸術やスポーツなどを職業としてではなく趣味として愛好する人のことを意味する「アマチュア」などがあります。
「畑違い」の意味
「畑違い」とは
「畑違い」とは、専門とする分野や領域が異なっていることを意味しています。その他にも、兄弟姉妹の中で母親が異なることの意味も持っています。
表現方法は「畑違いの人」「畑違いの仕事」「畑違いの親父」
「畑違いの人」「畑違いの仕事」「畑違いの親父」などが、「畑違い」を使った一般的な言い回しになります。
「畑違い」の使い方
「生物学は私の畑違いなので全く分かりません」「畑違いの分野では結果を出すことができませんでした」などの文中で使われている「畑違い」は、「専門とする分野や領域が異なっていること」の意味で使われています。
一方、「自分に畑違いの弟がいることを知り驚きました」「来月畑違いの姉と会うことになっている」などの文中で使われている「畑違い」は、「兄弟姉妹の中で母親が異なること」の意味で使われています。
「畑違い」は専門とする分野や領域が異なっていることと、兄弟姉妹の中で母親が異なることという全く異なる意味を持つ言葉です。
専門とする分野や領域が異なっていることの意味は、ただ単純に専門ではないことを表すのではなく、別の専門分野があるという意味が含まれています。
「畑違い」の類語
「畑違い」の類語・類義語としては、母が同じで父の違う兄弟姉妹のことを意味する「種違い」、その分野を専門としていない人のことを意味する「専門外」などがあります。
「門外漢」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、その物事について専門家でない人のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「門外漢」はその分野に関して専門ではない人を指す言葉です。
「畑違い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、専門とする分野や領域が異なっていることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、兄弟姉妹の中で母親が異なることの意味も持っています。
例文1から例文3の「畑違い」は専門とする分野や領域が異なっていること、例文4と例文5の「畑違い」は兄弟姉妹の中で母親が異なることの意味で使われています。
「門外漢」と「畑違い」はどちらも専門でないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ただ単純に専門ではないという意味で使うのが「門外漢」、専門の分野ではないが別の専門の分野を持っているという意味を含んでいるのが「畑違い」と覚えておきましょう。