似た意味を持つ「逢引」(読み方:あいびき)と「逢瀬」(読み方:おうせ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「逢引」と「逢瀬」という言葉は、どちらも「愛し合う男女がこっそり会うこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
逢引と逢瀬の違い
逢引と逢瀬の意味の違い
逢引と逢瀬の違いを分かりやすく言うと、逢引とは男女が密かに会う行為を表し、逢瀬とは男女が密かに会う機会を表すという違いです。
逢引と逢瀬の使い方の違い
一つ目の逢引を使った分かりやすい例としては、「秘密めいた逢引を楽しむ」「彼は二人の女性と逢引しているらしいよ」「家族に嘘をついて愛人と逢引する」「夜の公園で逢引するカップルを盗み撮りした」などがあります。
二つ目の逢瀬を使った分かりやすい例としては、「二人のお気に入りのカフェで逢瀬を重ねる」「芸能人が一般女性との逢瀬をスクープされた」「禁断の恋なのに逢瀬を繰り返してしまう」「光源氏は藤壺と逢瀬を遂げる」などがあります。
逢引と逢瀬の使い分け方
逢引と逢瀬という言葉は、どちらも「恋愛感情のある男女が人に知られないように会うこと」を意味しますが、微妙なニュアンスの違いがあります。
逢引とは、相愛の男女が人目を避けて会うことを意味し、会うという行為そのものを指す言葉です。一方、逢瀬とは、愛し合う男女がひそかに会う機会を意味し、人目を忍んで会うチャンスや場所を指します。
また、逢引も逢瀬も現代ではあまり使われない表現ですが、どちらかと言えば逢引の方が一般的な言葉であり、逢瀬は古めかしい言い方になります。これらが、逢引も逢瀬という言葉の明確な違いになります。
逢引と逢瀬の英語表記の違い
逢引を英語にすると「assignation」「secret meeting of lovers」「secret date」となり、例えば上記の「逢引を楽しむ」を英語にすると「enjoy a secret date」となります。
一方、逢瀬を英語にすると「date」「rendezvous」「tryst」となり、例えば上記の「逢瀬を重ねる」を英語にすると「repeat dates」となります。
逢引の意味
逢引とは
逢引とは、相愛の男女が人目を避けて会うことを意味しています。
逢引の読み方
逢引の読み方は「あいびき」です。「あいひき」「おういん」などと読まないようにしましょう。また、逢引は「媾曳き」とも書きますが、逢引と表記することが一般的です。
逢引の使い方
逢引を使った分かりやすい例としては、「罪悪感に駆られながら逢引きを繰り返した」「二人の初めての逢引は映画デートでした」「英語教師と密かに逢引する」「あの二人は今も逢引しているらしい」などがあります。
その他にも、「既婚男性との逢引を同僚に見られた」「かつて激しく愛し合い密かに逢引を重ねた仲です」「心苦しく思いながらも逢引を重ねる」「茶屋が男女の逢引に使われていた時代がありました」などがあります。
逢引という言葉の「逢」は思いがけずに出会うこと、「引」は誘い寄せることを表します。逢引とは、愛し合っている男女が隠れて会うこと、人目を忍んでデートすることを意味する言葉です。江戸の後期から使われ始めた言葉で、現在では後ろめたい男女関係のニュアンスを伴います。
「逢引茶屋」は誤り
逢引という言葉を用いた誤った使い方には「逢引茶屋」があります。正しくは「出合茶屋」であり、江戸時代に使われた男女が密会に使う茶屋のことです。「待合茶屋」「出合宿」とも言いました。
逢引の類語
逢引の類語・類義語としては、密かに会うことを意味する「密会」、男女が人目を避けてこっそり会うことを意味する「忍び逢い」などがあります。
逢瀬の意味
逢瀬とは
逢瀬とは、会う時、特に愛し合う男女が密かに会う機会を意味しています。
表現方法は「逢瀬を重ねる」「逢瀬を楽しむ」「束の間の逢瀬」
「逢瀬を重ねる」「逢瀬を楽しむ」「束の間の逢瀬」などが、逢瀬を使った一般的な言い回しです。
逢瀬の使い方
逢瀬を使った分かりやすい例としては、「郊外のワイナリーで逢瀬を重ねる」「近所の公園で束の間の逢瀬を楽しむ」「二人の逢瀬はいつも川の土手だった」「中学校教師が生徒と逢瀬していると噂が立つ」などがあります。
その他にも、「彼は人妻と逢瀬を重ねているようだ」「アキラはたまの逢瀬を心ゆくまで楽しんだ」「逢瀬の後は虚しさだけが残った」「不倫カップルの逢瀬スポットとなっている」「夜の海辺の逢瀬を楽しむ」などがあります。
逢瀬とは、会う機会を意味し、特に恋愛関係にある男女が密かに会うことについて言う言葉です。逢瀬は古語にもある古めかしい表現であり、日常会話で使われることは少なくなっていますが、文学作品などで用いられています。
逢瀬の由来
逢瀬という言葉の由来は、川の流れにあります。逢瀬の「瀬」は川や海の浅い所であり、歩いて渡れる場所という意味合いから、場所や機会などを表します。思いがけずに出会うことを表す「逢」と組み合わさり、なんとか会うことができる場所や機会を表す時に用いられるようになりました。
「逢瀬の通り」は誤り
逢瀬を用いた誤った使い方には「逢瀬の通り」があります。正しくは「仰せの通り」であり、相手の指示や意向に忠実に沿うさまを意味します。
逢瀬の対義語
逢瀬の対義語・反対語としては、一緒にいたものが離れ離れになることを意味する「別れる」、いとまごいをして別れることを意味する「決別」、人と別れることを意味する「離別」、交際を絶つことを意味する「絶交」、交際をやめることを意味する「断交」などがあります。
逢瀬の類語
逢瀬の類語・類義語としては、恋い慕う相手と日時を定めて会うことを意味する「デート」、男女が会うことを意味する「ランデブー」、待ち合わせることを意味する「待ち合わせ」などがあります。
逢引の例文
この言葉がよく使われる場面としては、愛し合っている男女が示し合わせて会うこと、特に男女が人目をしのんで会うことを表現したい時などが挙げられます。
「あいびき」は、上記の例文にあるように「逢引」のように送り仮名なしで表記される場合と、「逢引き」「逢い引き」のように送り仮名を付けて表記する場合があります。
逢瀬の例文
この言葉がよく使われる場面としては、会う機会、特に男女が会うことを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「逢瀬を重ねる」という言い回しは、男女が繰り返して会うことを意味します。例文2にある「束の間の逢瀬」とは、男女が人目を避けて短時間だけ会うことを表しています。
逢引と逢瀬という言葉は、どちらも男女が密かに会うことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、密かに会う行為を表現したい時は「逢引」を、密かに会う機会や場所を表現したい時は「逢瀬」を使うようにしましょう。