似た意味を持つ「相変わらず」(読み方:あいかわらず)と「相も変わらず」(読み方:あいもかわらず)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「相変わらず」と「相も変わらず」という言葉は、どちらも今までと変わった様子が見られないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「相変わらず」と「相も変わらず」の違い
「相変わらず」と「相も変わらず」の意味の違い
「相変わらず」と「相も変わらず」の違いを分かりやすく言うと、「相変わらず」はプラスとマイナスどちらのイメージでも使える、「相も変わらず」はマイナスのイメージでしか使えないという違いです。
「相変わらず」と「相も変わらず」の使い方の違い
一つ目の「相変わらず」を使った分かりやすい例としては、「相変わらず貧乏暇なしです」「あなたは相変わらずお美しいです」「相変わらずお元気そうで何よりです」「彼は相変わらず彼女に好意を持っていた」などがあります。
二つ目の「相も変わらず」を使った分かりやすい例としては、「私も相も変わらず元気に過ごしています」「この時間帯は相も変わらず満員電車になる」「相も変わらずあの彼と付き合っているんですか」などがあります。
「相変わらず」と「相も変わらず」の使い分け方
「相変わらず」と「相も変わらず」はどちらも今までと変わった様子が見られないことという同じ意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「相変わらず」は「相変わらずお元気そうですね」「相変わらずお綺麗ですね」などのようにプラスのイメージでも使うこともあれば、「相変わらずサッカーが上手くならない」「相変わらず実家暮らしなのね」などのようにマイナスなイメージで使うこともできます。
一方、「相も変わらず」は「相も変わらずタバコを吸っているのね」「相も変わらずニートなのね」などのように、今までと変わった様子が見られないことを軽い嘲りや卑下の気持ちを込めた時に使うので、マイナスのイメージでしか使わないというのが違いです。
「相変わらず」と「相も変わらず」の英語表記の違い
「相変わらず」も「相も変わらず」も英語にすると「as before」「as ever」「as always」「as usual」となり、例えば上記の「彼は相変わらず彼女に好意を持っていた」を英語にすると「He was as fond of her as before」となります。
「相変わらず」の意味
「相変わらず」とは
「相変わらず」とは、今までと変わった様子が見られないことを意味しています。
「相変わらず」の使い方
「相変わらず」を使った分かりやすい例としては、「奥さんは相変わらずお若いですね」「あなた達は相変わらず仲が良いですね」「この駅は相変わらず人が多いです」「相変わらず野球をやっているんだね」などがあります。
「相変わらず」は今までと変わった様子が見られないことや以前と同じことを意味する副詞です。
副詞とは、品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。「相変わらず」以外の副詞は、「ちょっと」「とても」「ひたすら」「だいぶ」「かなり」「しばらく」「すぐに」などがあります。
「相変わらず」はいい意味でも悪い意味でも使える
「相変わらず」は「相変わらずお若いですね」「彼は相変わらずかっこいい」などのようにプラスのイメージで使うことが多いですが、「彼の部屋は相変わらず汚い」のように、マイナスのイメージで使うこともできます。
また「相変わらず」は他人だけではなく、「相変わらず元気に過ごしております」「相変わらず貧乏ですが楽しく生きています」などのように、自分自身対して使うことも可能です。
「相変わらず」の目上の人に対して使う敬語表現
「相変わらず」を使う上で注意しなければならないことは、目上の人に対しては使えないという点です。上記のように「相変わらず」は代わり映えしないというマイナスなニュアンスで使うこともあるため、相手に良い印象を与えない可能性があります。
そのため、目上の人に対して使う場合は、「相変わらず」ではなく「お変わりなく」を使うようにしましょう。
「相変わらず」の類語
「相変わらず」の類語・類義語としては、以前と比べて違いがないことを意味する「やはり」、それでもまだのことを意味する「なおかつ」、やはりの音変化で他と比べて違いがないことを意味する「やっぱり」などがあります。
「相も変わらず」の意味
「相も変わらず」とは
「相も変わらず」とは、今までと変わった様子が見られないことを軽い嘲りや卑下の気持ちを込めて言うことを意味しています。
「相も変わらず」の使い方
「相も変わらず」を使った分かりやすい例としては、「彼は相も変わらずメールの返信が遅い」「私は高校3年生になったが相も変わらず補欠です」「彼は30歳を過ぎても、相も変わらず働こうとしない」などがあります。
「相も変わらず」は「相変わらず」を強調した言葉です。しかし、強調したことにより本当に進歩していないというニュアンスになり、軽い嘲りや卑下の気持ちを込めて使います。そのため、マイナスなイメージでしか使わないと覚えておきましょう。
「相変わらず」は悪い意味でしか使えない
また、「相も変わらず」はマイナスなイメージでしか使わない言葉なので、目上の人に対して使うことはできません。
「相も変わらず」の類語
「相も変わらず」の類語・類義語としては、その上まだのことを意味する「なおも」、今になってもまだのことを意味する「未だに」、前の通りであることを意味する「依然として」、今になってもなおのことを意味する「今以て」などがあります。
「相変わらず」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、今までと変わった様子が見られないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「相変わらず」はプラスとマイナスどちらのイメージでも使える言葉です。
「相も変わらず」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、今までと変わった様子が見られないことを軽い嘲りや卑下の気持ちを込めて言うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「相も変わらず」はマイナスのイメージでのみ使う言葉です。
「相変わらず」と「相も変わらず」はどちらも今までと変わった様子が見られないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、プラスとマイナスどちらのイメージでも使えるのが「相変わらず」、マイナスのイメージでしか使えないのが「相も変わらず」と覚えておきましょう。