似た意味を持つ「深慮遠謀」(読み方:しんりょえんぼう)と「深謀遠慮」(読み方:しんぼうえんりょ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「深慮遠謀」と「深謀遠慮」という言葉は、どちらも「よく考えて計画を立てること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
深慮遠謀と深謀遠慮の違い
深慮遠謀と深謀遠慮の意味の違い
深慮遠謀と深謀遠慮の違いを分かりやすく言うと、深慮遠謀よりも深謀遠慮の方が一般的に使われているという違いです。
深慮遠謀と深謀遠慮の使い方の違い
一つ目の深慮遠謀を使った分かりやすい例としては、「野心家の彼はいつも深慮遠謀を巡らしている」「新規事業に向けて深慮遠謀する」「次の会議で深慮遠謀の策を提案するつもりです」「二人が別の道を選んだのは深慮遠謀の結果でしょう」などがあります。
二つ目の深謀遠慮を使った分かりやすい例としては、「マクロな視点で深謀遠慮の策を考える」「各国が脱炭素の主導権を狙い深謀遠慮する」「深謀遠慮に富む企てを立てる」「軍師には深謀遠慮の目論見があった」などがあります。
深慮遠謀と深謀遠慮の使い分け方
深慮遠謀と深謀遠慮という言葉は、日常会話で使われることが少ないのですが、ビジネスシーンや、ゲームのなかで「深謀遠慮の策」「深謀遠慮の軍配」などと用いられています。どちらも「将来を見越し、よくよく考えて計画を立てること」を意味する四字熟語です。
二つの言葉は構成する漢字の順番を入れ替えただけであり、意味や使い方に違いはありません。上記の例文にある「深慮遠謀」と「深謀遠慮」は、互いに置き換えて使うことができます。
あえて違いを挙げるならば、「深慮遠謀」よりも「深謀遠慮」の方が一般的に使われています。ただし、使い方に差はないので、どちらを使っても問題ないことを覚えておきましょう。
深慮遠謀と深謀遠慮の英語表記の違い
深慮遠謀も深謀遠慮も英語にすると「long-sightedness」「far sight and deep design」となり、例えば上記の「深慮遠謀を巡らす」を英語にすると「work out a far‐sighted scheme」となります。
深慮遠謀の意味
深慮遠謀とは
深慮遠謀とは、遠い将来のことまで考えて周到に計画を立てることを意味しています。
深慮遠謀の読み方
深慮遠謀の読み方は「しんりょえんぼう」です。誤って「しんりょえんむ」「しんろえんぼう」などと読まないようにしましょう。
深慮遠謀の使い方
深慮遠謀を使った分かりやすい例としては、「気候変動の対策に深慮遠謀の策はないものか」「引っ越しを決めたのは深慮遠謀の結果です」「娘が深慮遠謀もなしに英語教師になりたいと言っている」などがあります。
その他にも、「彼は深慮遠謀をめぐらす策士だ」「上司が深慮遠謀に乏しいので困る」「契約には相手方の深慮遠謀が見え隠れしていた」「利益が上がるという深慮遠謀があるのではないか」「深慮遠謀の末に離婚することにした」などがあります。
深慮遠謀の「深慮」は深く考えること、「遠謀」は遠い将来まで見通したはかりごとを表します。深慮遠謀とは、先々のことを見通して、深く考えをめぐらせて手抜かりのない計画を立てることを意味します。また、その計画そのものを指す言葉です。
深慮遠謀と「深謀遠慮」「遠謀深慮」は同じ意味
深慮遠謀と同義の四字熟語には、「深謀遠慮」「遠謀深慮」があります。いずれも、漢字4文字を入れ替えただけであり、意味に違いはないため同じように使うことができます。
深慮遠謀の対義語
深慮遠謀の対義語・反対語としては、考えや行動などが軽はずみで浮ついているさまを意味する「軽佻浮薄」、内容などが薄っぺらで中身のないさまを意味する「軽薄短小」、物事を深く考えずに軽々しく行うことを意味する「軽卒」などがあります。
深慮遠謀の類語
深慮遠謀の類語・類義語としては、物事を注意深く十分に考えるさまを意味する「用意周到」、物や人の性格などがどっしりとして大きいさまを意味する「重厚長大」、物事を注意深く十分に考えるさまを意味する「思慮深い」などがあります。
深謀遠慮の意味
深謀遠慮とは
深謀遠慮とは、先のまた先の事までよく考えて、周到に計画を立て準備することを意味しています。
深謀遠慮の使い方
深謀遠慮を使った分かりやすい例としては、「深謀遠慮の策に溺れて失敗する」「三国志は深謀遠慮の策略や奇行の話が魅力です」「英語の習得方法について深謀遠慮する」「勝つために深謀遠慮して作戦を練る」などがあります。
その他にも、「君の考えは深謀遠慮にほど遠い浅はかな思いつきだ」「企画が通るように深謀遠慮して再構成することにした」「戦術家は深謀遠慮を戦術を立てる」「深謀遠慮が働いて危険を回避することができた」などがあります。
深謀遠慮の「深謀」は深く考えられたはかりごと、「遠慮」は遠く慮る(おもんばかる)の意味で、遠い先行きのことまで考え抜くことを表します。深謀遠慮は、遠く先々のことまで考えて深く計画をめぐらすことを意味する言葉です。前述の「深慮遠謀」「遠謀深慮」と同じ意味を持ちます。
深謀遠慮の由来
深謀遠慮という言葉の由来は、前漢時代の文官である賈誼の著書「過秦論」にあります。その中で秦王朝を批判して、「深謀遠慮、行軍用兵之道、非及曩時之士也」と記し、「深く考えたはかりごと、軍や兵の使い方も諸侯国には及ばない」と表しました。
深謀遠慮の対義語
深謀遠慮の対義語・反対語としては、よく考えないで軽はずみに物事を決めたり行動したりすることを意味する「軽率短慮」、思慮の足りないさまを意味する「浅はか」、あさはかで軽々しいことを意味する「浮薄」などがあります。
深謀遠慮の類語
深謀遠慮の類語・類義語としては、深く考えをめぐらすことを意味する「深慮」、遠い先のことまで深く考えることを意味する「遠謀深慮」、いろいろと方法を考え思慮をめぐらすことを意味する「百術千慮」などがあります。
深慮遠謀の例文
この言葉がよく使われる場面としては、遠く先々のことまで考えて、深く計画をめぐらすことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にある「深慮遠謀」は、同じ意味を持つ「深謀遠慮」「遠謀深慮」に置き換えることができます。
深謀遠慮の例文
この言葉がよく使われる場面としては、はるか先のことまで深く考えて計画を立てることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にある「深謀遠慮」は、同義である「深慮遠謀」「遠謀深慮」に置き換えることができます。
深慮遠謀と深謀遠慮という言葉は、どちらも「先を見越し、深く考えて計画すること」を意味します。意味や使い方に違いはないので、どちらの言葉を使うか迷った場合は好みにより選べば良いでしょう。