【心中お察しします】と【ご心労お察しします】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「心中お察しします」(読み方:しんちゅうおさっしします)と「ご心労お察しします」(読み方:ごしんろうおさっしします)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「心中お察しします」と「ご心労お察しします」という言葉は、どちらもあなたの気持ちは分かりますということを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「心中お察しします」と「ご心労お察しします」の違い

「心中お察しします」と「ご心労お察しします」の意味の違い

「心中お察しします」と「ご心労お察しします」の違いを分かりやすく言うと、「心中お察しします」は相手が精神的に追い込まれている場合でなくても使える、「ご心労お察しします」は相手が精神的に追い込まれている場合にのみ使えるという違いです。

「心中お察しします」と「ご心労お察しします」の使い方の違い

一つ目の「心中お察しします」を使った分かりやすい例としては、「上司から理不尽な待遇を受けたこと心中お察しします」「ご子息を亡くされてさぞやお力落としのことと、心中お察しします」などがあります。

二つ目の「ご心労お察しします」を使った分かりやすい例としては、「あなたのご心労お察しします」「旦那様が入院されたと伺い、ご心労お察しします」「ご家族のご心労お察しします。一刻も早く娘さんが見つかることを祈っております」などがあります。

「心中お察しします」と「ご心労お察しします」の使い分け方

「心中お察しします」と「ご心労お察しします」はどちらもあなたの気持ちは分かりますということを意味しており、大きな違いはありません。

あえて違いを挙げるならば、「心中お察しします」は相手が精神的に追い込まれている場合でなくても使えるのに対して、「ご心労お察しします」は相手が精神的に追い込まれている場合にのみ使えるという点です。

「心中お察しします」と「ご心労お察しします」の英語表記の違い

「心中お察しします」も「ご心労お察しします」も英語にすると「You have my sympathies」「My sympathies are with you」「I understand how you are feeling」となります。

「心中お察しします」の意味

「心中お察しします」とは

「心中お察しします」とは、あなたの気持ちは分かりますということを意味しています。

「心中お察しします」の読み方

「心中お察しします」の読み方は「しんちゅうおさっしします」です。誤って「しんじゅううおさっしします」と読まないようにしましょう。

「心中お察しします」の使い方

「心中お察しします」を使った分かりやすい例としては、「先日の津波で家屋が被害に遭われたとのこと、心中お察しします」「契約が打ち切りになったと聞いて心中お察しします」「突然の事故に巻き込まれたとのことで心中お察しします」などがあります。

「心中お察しします」は心の中のことを意味する「心中」に、接頭語の「お」、他人の気持ちを推し量って同情することを意味する「察する」、丁寧語の「ます」が合わさり、あなたの気持ちは分かりますという意味で使われている言葉です。

「心中お察しします」は不幸や悲しい出来事が起こった際に、相手を気遣う言葉として使います。そのため、お葬式などでよく使用されている表現です。

また、ビジネスシーンでは困難な相手の状況へ理解を示す場合にも使います。この場合はクッション言葉として使うのが一般的です。

クッション言葉とは、「大変恐れ入りますが」「大変申し訳ございませんが」「大変ありがたいお話なのですが」「不本意ではございますが」などのように、伝えたい本題に入る前に一言添えて気遣いを示す言葉のことです。

「心中お察しします」は嬉しいことや祝い事に対しては使えないので注意しましょう。あくまでも、相手に不幸や悲しい出来事が起こった際に、相手を気遣う言葉として使います。

「心中お察しします」の類語

「心中お察しします」の類語・類義語としては、あなたの気持ちが分かりますということを意味する「お気持ちお察しします」、相手の苦労や辛い気持ちを思いやることを意味する「胸中お察しします」などがあります。

「ご心労お察しします」の意味

「ご心労お察しします」とは

「ご心労お察しします」とは、あなたの気持ちは分かりますということを意味しています。

「ご心労お察しします」の使い方

「ご心労お察しします」を使った分かりやすい例としては、「部長のご心労はお察しします」「奥様が入院中とのことでご心労お察しします」「来月転勤になると聞いてご心労お察しします」「この一連の騒動についてご心労お察しします」などがあります。

「ご心労お察しします」は精神的な疲れのことを意味する「心労」に、他人の気持ちを推し量って同情することを意味する「察する」、接頭語の「ご」「お」、丁寧語の「ます」が合わさった言葉です。

「ご心労お察しします」は相手が精神的に追い込まれている場合にのみ使えるというのが特徴になります。そのため、相手が精神的に追い込まれていない時は使うのは適していません。その場合は、「ご心中お察しします」の方を使うようにしましょう。

「ご心労お察しします」はビジネスシーンで目上の人にも使える

「ご心労お察しします」はビジネスシーンにおいても使える言葉です。また、敬語表現なので目上の人に対して使っても問題ありません。ただし、あなたの気持ちはわかりますという上から目線と捉える人もいるため、使う相手は十分に見極めるようにしましょう。

「ご心労お察しします」の類語

「ご心労お察しします」の類語・類義語としては、相手の悲しみに共感して同情することを意味する「ご心痛お察しします」、相手の苦労などをお察しすることを意味する「拝察いたします」などがあります。

「心中お察しします」の例文

1.長年連れ添った奥様との別れ、さぞお辛いことと心中お察しします。
2.まったく予期せぬ事故で、ご家族の皆様がさぞや驚かれたであろうこと、心中お察しします。
3.自爆テロに巻き込まれて入院され、さぞお辛かったことと心中お察しします。
4.会社の上層部のスキャンダルにより、本プロジェクトが中止になったのこと、心中お察しします。
5.これからという時に事件に巻き込まれ、心中お察しします。今無理なさらぬようゆっくりとご静養ください。
6.もう少しのところでグランプリを逃してしまった悔しさ、心中お察しします。でも最終オーディションまで残ったんだから、それは誇りにしていいと思います。
7.この度は会社が倒産してしまったということで心中お察しします。転職先でお悩みなら私に任せていただければと思います。
8.突然の事故に巻き込まれたとのことで、心中お察しします。ただ命にかかわるものではないと聞いて安心いたしました。
9.事件についてはさぞやお力を落としのことと、心中お察しします。どうかお一人で抱え込まないでください。
10.怪我をされた被害者の心中お察しします。もし他の乗客が止めに入っていれば、大怪我をすることもなかったと思います。

この言葉がよく使われる場面としては、を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「心中お察しします」は誰かに不幸があった場合に使われている言葉です。

「ご心労お察しします」の例文

1.息子さんが行方不明になった聞き、ご家族のご心労お察しします。
2.慣れない土地でのお仕事、並々ならぬ困難の数々、ご心労お察しします。
3.部長の地元が震災により大きな被害を受けたと聞いて、ご心労お察しします。
4.医療従事者の方だけはなく、そのご家族の方々も大変だったことと存じます。ご心労をお察しします。
5.そのようななかでの日々のご指導は、ご心労お察しします。
6.奥様が体調を崩されて入院されているとのこと、ご心労お察しします。何か手伝えることがありましたらいつでも声をかけてください。
7.一連の騒動につきましては、ご心労お察ししますが、説明責任をしっかり果たしていただきたく存じます。
8.震災による大津波で家を失ったと伺い、ご心労お察しします。何か困ったことがあればいつでもご相談くださいね。
9.大丈夫でしたか?真夜中の地震にはさぞ驚かれたことでしょう。ご心労お察しします。地震の被害が少ないといいですね。
10.前任者から引き継いだ仕事がトラブルだらけだとお聞きして、ご心労お察しします。何か協力できることがあったらおっしゃってください。

この言葉がよく使われる場面としては、あなたの気持ちは分かりますということを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「ご心労お察しします」は相手が精神的に酷く疲弊している場合に使う使う言葉です。

「心中お察しします」と「ご心労お察しします」はどちらもあなたの気持ちは分かりますということを表します。

どちらの言葉を使うか迷った場合、相手が精神的に追い込まれている場合でなくても使えるのが「心中お察しします」、相手が精神的に追い込まれている場合にのみ使えるのが「ご心労お察しします」と覚えておきましょう。

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