【二枚岩】と【一枚岩】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「二枚岩」(読み方:にまいいわ)と「一枚岩」(読み方:いちまいいわ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「二枚岩」と「一枚岩」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「二枚岩」と「一枚岩」の違い

「二枚岩」は「一枚岩」の間違い

「二枚岩」と「一枚岩」の違いを分かりやすく言うと、「二枚岩」とは「一枚岩」の間違った使い方、「一枚岩」とは組織などがしっかりとまとまっていることです。

「二枚岩」は誤字

一般的には「二枚岩」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「一枚岩」のことを間違えて「二枚岩」を使っている人がほとんどです。

「一枚岩」は正しい日本語

正しい言葉である「一枚岩」を使った分かりやすい例としては、「一枚岩と言われてきた派閥だが最近は対立が目立っています」「チームが一枚岩となったことで日本一になることができました」「この党は世間で言われるような一枚岩ではない」などがあります。

「一枚岩」という言葉はあっても、「二枚岩」という言葉は存在しません。同時に「一枚岩」という単語の意味について「組織などがしっかりとまとまっていること」と覚えておきましょう。

「一枚岩」の英語表記

「一枚岩」を英語にすると「monolith」「slab of rock」となり、例えば上記の「この党は世間で言われるような一枚岩ではない」を英語にすると「This party is not, as is generally believed, monolithic」となります。

「二枚岩」の意味

「二枚岩」とは

「二枚岩」とは、「一枚岩」の間違った使われ方です。

「二枚岩」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。言葉が似ているため、「一枚岩」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「二枚岩」と間違えやすい理由

「一枚岩」と「二枚岩」を何故間違えてしまうのかというと、「二枚腰」「二枚落ち」「二枚重ね」などの「二枚」を使った言葉が多数存在しているため、「一枚岩」だけでなく「二枚岩」もあると勘違いしてしまっているのが原因です。

しかし、「二枚岩」という言葉は存在しないので間違えないように注意しましょう。また、「二枚腰」とは相撲などで粘り強い腰のこと、「二枚落ち」とは将棋で上位者が飛車と角行を落として指すこと、「二枚重ね」とは同じものを2枚重ねることを意味しています。

「二枚」を使った正しい日本語

間違った言葉である「二枚岩」の「二枚」を使った他の言葉としては、矛盾したことを言うことを意味する「二枚舌」、イケメンのことを意味する「二枚目」、芝居などの興行で中心となる二人の出演者のことを意味する「二枚看板」などがあります。

「一枚岩」の意味

「一枚岩」とは

「一枚岩」とは、組織などがしっかりとまとまっていることを意味しています。その他にも、1枚の板のように平らで大きな岩のことの意味も持っています。

表現方法は「一枚岩ではない」「一枚岩になる」

「一枚岩ではない」「一枚岩になる」などが、「一枚岩」を使った一般的な言い回しになります。また、「一枚岩ではない」とは、「一枚岩」であることを否定している言葉なので、組織などが一つにまとまっていないことを意味する言葉です。

「一枚岩」の使い方

「私たちは一枚岩となって今シーズンの優勝を狙いにいきます」「弊社は一枚岩の結束を誇っている」などの文中で使われている「一枚岩」は、「組織などがしっかりとまとまっていること」の意味で使われています。

一方、「有名な一枚岩と言えば、オーストラリアにあるエアーズロックです」「一枚岩を観に行くために旅行へ行く」などの文中で使われている「一枚岩」は、「1枚の板のように平らで大きな岩のこと」の意味で使われています。

「一枚岩」の語源

「一枚岩」は元々、1枚の板のように平らで大きな岩のことの意味で使われていた言葉ですが、この1枚の板のように繋がっていることが転じて、組織などがしっかりとまとまっていることの意味で使われるようになったのが語源です。

現代では、岩のことを指す以外は組織などがしっかりとまとまっていることの意味で使うのが一般的になっています。

エアーズロックやマウントオーガスタスも「一枚岩」

また、「一枚岩」は世界中に存在しています。一番有名なのはオーストラリアにあるエアーズロックです。観光地としても盛んで年間数多くの人が訪れています。しかし、エアーズロックは世界で2番目に大きい「一枚岩」になります。

世界で1番目に大きい「一枚岩」は西オーストラリアにあるマウントオーガスタスです。大きさはエアーズロックの2倍以上と言われています。ではなぜ、エアーズロックほど有名ではないのかというと、アクセスの悪さです。

マウントオーガスタスは最寄りの空港から何十時間もかかるかつ、舗装されていない道路を走らなければいけないので、辿り着くことが困難とされています。一方、エアーズロックは観光地として栄えており、空港から30分程度で着くことが可能です。

また、日本にも「一枚岩」は存在しており、和歌山県にある「古座川の一枚岩」です。「古座川の一枚岩」は国指定の天然記念物にも指定されています。

「一枚岩」の類語

「一枚岩」の類語・類義語としては、多くの人が一つの目的のためにまとまることを意味する「一致団結」、心を一つにしてまとまることを意味する「一丸となる」、複数の組織や団体が共同して闘争することを意味する「共闘」などがあります。

「二枚岩」の例文

1.「二枚岩」という言葉は存在しないので、おそらく「一枚岩」の言い間違いだろう。
2.「一枚岩」という言葉は組織などがしっかりとまとまっていることで、「二枚岩」という言葉はない。
3.「二枚岩」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.今こそチームが二枚岩となって頑張るべきだろうという言葉を使う人はいるが、正しくは今こそチームが一枚岩となって頑張るべきだろうです。
5.優秀な人材が多いが組織として一枚岩ではないので先行きが不安ですという言葉はあるが、優秀な人材が多いが組織として二枚岩ではないので先行きが不安ですという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「一枚岩」という言葉を間違えて「二枚岩」と表現している時などが挙げられます。

「二枚岩」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「一枚岩」を間違えて使っている可能性が高いです。

「二枚岩」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「二枚岩」ではなく、「一枚岩」と表現するのが正しい使い方になります。

「一枚岩」の例文

1.苦しい闘いを乗り越えるために、チーム全員で一枚岩になることがこの合宿の目的です。
2.日本全体が一枚岩となって、この危機を乗り越えていきたいです。
3.あの企業は急成長を遂げているが、一枚岩ではないのでいつ崩壊してもおかしくありません。
4.日本にも一枚岩があるらしいので、有休休暇を取って観に行くことにしました。
5.世界一の一枚岩を観るために、1週間オーストラリアへ旅行することにしました。
6.どんなに志を同じくして始まった集団であっても、それが一枚岩ではなかったことがわかるのは早いものです。
7.シェアNo.1を誇るライバル企業も決して一枚岩ではないことを知り、わが社にも勝機は必ずやってくると確信しました。
8.敵が一枚岩ではないことも考えられるが、ここは安易に相手の話に乗るのは控えて、様子を見るべきだとリーダーに進言した。
9.支持者は一枚岩ではなく、政治団体から金をつかまされて支持している者もいるので、そこにつけ込む者もあらわれた。
10.私達は一枚岩になって優勝を目指さなければならないのに、チーム内部では派閥同士がいがみ合っている有様であった。

この言葉がよく使われる場面としては、組織などがしっかりとまとまっていることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、1枚の板のように平らで大きな岩のことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「一枚岩」は組織などがしっかりとまとまっていること、例文4と例文5の「一枚岩」は1枚の板のように平らで大きな岩のことの意味で使っています。

「二枚岩」と「一枚岩」どちらを使うか迷った場合は、「二枚岩」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「一枚岩」を使うようにしましょう。

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