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【勧善懲悪】と【破邪顕正】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「勧善懲悪」(読み方:かんぜんちょうあく)と「破邪顕正」(読み方:はじゃけんしょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「勧善懲悪」と「破邪顕正」という言葉は、どちらも正義を奨励することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




勧善懲悪と破邪顕正の違い

勧善懲悪と破邪顕正の意味の違い

勧善懲悪と破邪顕正の違いを分かりやすく言うと、勧善懲悪とは悪を懲らしめること、破邪顕正とは悪を正すことという違いです。

勧善懲悪と破邪顕正の使い方の違い

一つ目の勧善懲悪を使った分かりやすい例としては、「彼は勧善懲悪の思想を持ったジャーナリストだ」「勧善懲悪ものの映画を観るとスカッとする」「完全無欠のヒーローが活躍する勧善懲悪モノが好きです」などがあります。

二つ目の破邪顕正を使った分かりやすい例としては、「剣道には破邪顕正の精神が息づいています」「破邪顕正を胸に生きるアニメのヒーローに憧れている」「破邪顕正して自分の行いを正すべきです」などがあります。

勧善懲悪と破邪顕正の使い分け方

勧善懲悪と破邪顕正という言葉は、どちらも不正を許さず、正義を奨励することを表す四字熟語ですが、意味や使い方には違いがあります。

勧善懲悪とは、善良な人や善良な行いを奨励して、悪者や悪い行いを懲こらしめることです。小説や芝居などで、善人が救われ悪人に罰が下されるようなストーリーを指す時に使われることが多い言葉です。

破邪顕正とは、不正を破って正義を明らかにすることです。本来は仏教用語であり、「破邪」は誤った教義を打ち破ること、「顕正」は正しい仏の道理をあらわし示すことを意味します。勧善懲悪にある悪を懲らしめる意味合いはなく、悪を正そうとする意味合いが強い言葉です。

勧善懲悪と破邪顕正の英語表記の違い

勧善懲悪を英語にすると「poetic justice」「politic justice」「rewarding good and punishing evil」となり、例えば上記の「勧善懲悪の世界」を英語にすると「thought of poetic justice」となります。

一方、破邪顕正を英語にすると「crushing evil and spreading the truth」「militancy」「iconoclasm」となり、例えば上記の「破邪顕正の精神」を英語にすると「sense of crushing evil and spreading the truth」となります。

勧善懲悪の意味

勧善懲悪とは

勧善懲悪とは、善事を勧め、悪事を懲らすことを意味しています。

勧善懲悪の使い方

勧善懲悪を使った分かりやすい例としては、「勧善懲悪の精神で悪者を裁くべきだ」「勧善懲悪の海外ドラマで英語の勉強をしています」「勧善懲悪のアニメは子どもにどんな影響を与えますか」などがあります。

その他にも、「勧善懲悪小説でおすすめの作品を教えてください」「アフガニスタンの勧善懲悪省が厳しい統制を行う」「いかにも勧善懲悪な展開は気持ち悪いです」「勧善懲悪が嫌いなので時代劇は観ません」などがあります。

勧善懲悪の意味をわかりやすく言うと、善いことを勧めて、悪いことに罰を与えることです。特に、小説や芝居などにおいて、善玉が最後には栄え、悪玉は滅びるという筋書きによって示される道徳的見解を指す言葉です。略して「勧懲」とも言います。

勧善懲悪の由来

勧善懲悪という言葉の由来は、孔子の編纂と伝えられている歴史書「春秋左氏伝」にあり、この中で「悪人を懲らし、善人を進め励ます」という内容が書かれています。また、日本においては聖徳太子の十七条の憲法に「勧善懲悪」と記述されており、古くからある四字熟語であることが分かります。

「勧善懲悪省」の意味

上記の例文にある「勧善懲悪省」とは、アフガニスタンに存在する行政機関のことです。サウジアラビアの宗教警察「勧善懲悪委員会」を元にしており、イスラム教の教えに人々が従うように国民の行動を監視することを目的とした組織です。

勧善懲悪の対義語

勧善懲悪の対義語・反対語としては、悪者などが勢力をふるい好き勝手にふるまうことを意味する「跳梁跋扈」、人の道に外れた甚だしい悪事を意味する「悪逆無道」、この上なく悪く道理にはずれていることを意味する「極悪非道」などがあります。

勧善懲悪の類語

勧善懲悪の類語・類義語としては、悪事には罰則を与えて禁止し善事には褒賞を与えて奨励することを意味する「遏悪揚善」、善なるものを揚げて不正なものを取り除くことを意味する「激濁揚清」、弱い者を救い横暴な者をこらしめることを意味する「弱きを助け強きを挫く」などがあります。

破邪顕正の意味

破邪顕正とは

破邪顕正とは、誤った考えを打破し正しい考えを示し守ること、不正を破って正義を明らかにすることを意味しています。

破邪顕正の読み方

破邪顕正の読み方は、「はじゃけんしょう」の他に「はじゃけんせい」とも読みますが、一般的には「はじゃけんしょう」と読まれています。正の呉音である「しょう」という読み方は、仏教語で多く用いられています。

破邪顕正の使い方

破邪顕正を使った分かりやすい例としては、「弓道は破邪顕正の人生観を養う武道です」「弓矢は破邪顕正の象徴とされています」「私の座右の銘は破邪顕正です」「破邪顕正の想いで友人の悪事を正す」などがあります。

その他にも、「破邪顕正は仏教の道を指し示す言葉です」「破邪顕正を標榜する書物を探しています」「創価学会の破邪顕正の魂を学ぶ一冊です」「破邪顕正抄を英語に訳して海外に広める」などがあります。

破邪顕正とは、もともと仏教用語であり、仏の教えに背く誤った教義を打ち破り、正しい仏法をあきらかにすることを意味します。転じて、間違った考えを否定し、正しい考えを示すことの意味で用いられるようになりました。

破邪顕正の由来

破邪顕正という言葉の由来は、仏教の一派である三論宗の教義の綱要書「三論玄義」にあります。このなかで著者の吉蔵は、重要な三論のうち、本当に大切なことは「顕正」と「破邪」であると説いています。破邪顕正は、三論宗において重要な思想なのです。

破邪顕正の対義語

破邪顕正の対義語・反対語としては、悪事がしきりに行われることを意味する「横行」、好ましくない事物があたりいっぱいに出回ることを意味する「氾濫」などがあります。

破邪顕正の類語

破邪顕正の類語・類義語としては、天の道は厳しく悪事はすぐに露見し報いを受けることを意味する「天網恢恢」、悪事を働けばすぐに天罰が現れることを意味する「天罰覿面」、乱れた世の中を治め整えて正常で平穏な世に戻すことを意味する「撥乱反正」などがあります。

勧善懲悪の例文

1.勧善懲悪アニメは子供の道徳観をはぐくむと思うので、積極的に観せています。
2.アンパンマンの世界は、正義は勝つという勧善懲悪を描いた作品なのだろうか。
3.私は勧善懲悪のアンチテーゼなので、自分の子どもにヒーロー戦隊モノを観せたくありません。
4.いかにも勧善懲悪な展開の作品を観ていると、ガッカリを通り越して気持ち悪くなります。
5.私見ですが、勧善懲悪の映画や時代劇が好きな人には学級委員タイプが多い気がします。
6.母は勧善懲悪で終わる時代劇が大好きだったが、父や義母、私たち子どもに対する日頃の憂さを晴らすことができる時間だったからかもしれない。
7.私の映像作品への視聴傾向はといいますと、ストーリー展開に驚きなど求めず、むしろ様式美を愛しているので、シリーズもののテレビの時代劇など、勧善懲悪でわかりやすいフォーマットの映像作品を好んで見ています。
8.これがドラマなら勧善懲悪でめでたしめでたしとなるわけだが、現実の社会はそんな簡単にはいかないのだ。
9.祖父母は遠山の金さんや水戸黄門、暴れん坊将軍などの勧善懲悪の時代劇が大好きで、いつも観るのを楽しみにしていた。
10.息子には勧善懲悪の物語をたくさん読むように心がけており、大人になっても世の中の悪に負けない強い子に育てたいと思っている。

この言葉がよく使われる場面としては、善事や善行を勧め、悪事や悪行を懲らしめることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、勧善懲悪という言葉は、「正義が勝ち、悪が滅びる」というストーリー展開のアニメや映画、小説などに関して用いられています。

破邪顕正の例文

1.師範は、剣道という武道は破邪顕正の信念を養うと子供たちに話しました。
2.破邪顕正を心得えてはいても、時には周りに流されてしまうこともあるでしょう。
3.時代劇アニメを観て、息子が破邪顕正の捕物道具である十手の使い方に興味を持ちました。
4.浄土真宗の僧である存覚は、破邪顕正抄の中で世俗権力による価値観を生きる拠り所とすることを説きました。
5.私は海外で破邪顕正の教宣活動を進めるために、英語を勉強しています。
6.ずっと同じ顔触れのうちの部署では長年にわたり不正が行われていたが、破邪顕正の精神を持つ社員が異動してきて、悪行が明るみに出て部が解体された。
7.破邪顕正の人生観を養うために、師範に頼み込んで剣道を始めてみたのですが、非常に奥が深くて修行し甲斐があります。
8.和室には警察官だった祖父の座右の銘である破邪顕正が掛け軸として飾ってあり、私はとても気に入っている。
9.確かに鬼畜な敵に対峙できるのは破邪顕正の勇ましさだけである。しかしいたずらに敵に突進するのはいただけない。
10.この回では連戦連勝の主人公が破邪顕正の剣をもってしても敵の返り討ちに遭ってしまい、一種のスランプに陥るのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、邪道を打ち破って、正しい道理を明らかにすることを表現したい時などが挙げられます。

破邪顕正は仏教由来の言葉ですが、上記の例文にあるように、不正を打破して正義をあらわすこと意味で一般に用いられています。

勧善懲悪と破邪顕正という言葉は、どちらも「正義を勧める」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、悪を懲らしめることを表現したい時は「勧善懲悪」を、正しい道理を明らかにすることを表現したい時は「破邪顕正」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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