【糾弾】と【弾劾】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「糾弾」(読み方:きゅうだん)と「弾劾」(読み方:だんがい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「糾弾」と「弾劾」という言葉は、どちらも物事の罪を明らかにするような意味を持つ共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




糾弾と弾劾の違い

糾弾と弾劾の意味の違い

糾弾と弾劾の違いを分かりやすく言うと、糾弾は罪や責任を問いただして「非難する」ことを意味していて、弾劾は罪や責任を公にはっきりさせて「責任を取るように求める」ことを意味しているという違いです。

糾弾と弾劾の使い分け方

糾弾というのは、罪や責任を本人に問い詰めて、その罪などを認めさせ、正しい判断により非難することを意味しています。糾弾する場合には、罪を問い詰めることを公の場で行う必要はありません。

当事者同士での話し合いによって行われるのが糾弾であると覚えておくようにしましょう。また、糾弾の場合には、相手を非難はするものの、相手に責任を取らせるところまでは表現することが出来ません。ただ非難するのが「糾弾」です。

対する弾劾というのは、公の場で犯罪や不正行為について明らかにして、罪を犯した人に責任を取るように求めることを意味しています。裁判用語としても使われる言葉で、公務員などの非行に対して国会が追及したり、処罰をしたりすることを意味します。

弾劾というのは、糾弾と違って罪や責任について、公の場で公式にはっきりさせる必要があります。そして、その罪を非難するだけではなく、明確に責任を取るように求めることが弾劾です。

裁判官などを何らかの罪により免職させる場合などにも、この弾劾という表現が使われます。弾劾裁判という言葉もあり、これは裁判官を裁判するために、国会により設けられる裁判のことを意味しています。

糾弾と使う場合には、一番大事にされる部分は罪を「非難する」ことであり、弾劾と使う場合には、一番大事なのは罪を公にして「責任を取らせる」ことであると覚えておくようにしましょう。

糾弾の意味

糾弾とは

糾弾とは、罪や責任を問いただして、相手を非難することを意味しています。糾弾という言葉が意味する一番大事な部分は、相手のことを非難すること、つまり相手の失敗や欠点などを取り上げて責めるということです。

糾弾の使い方

糾弾というのは、公の場で行われなくても良いものであり、例えば一対一の関係で相手の失敗などを非難する場合にも「僕は彼女を糾弾した」などのように使うことが出来ます。事実を公にする必要性はなく、当事者間で解決できれば良いものとされます。

また、糾弾と表現した場合には、ただ非難するだけではなく、責任を本人に認めさせるべく問いただすという行為も行われなくてはなりません。ただ非難するという意味だけを持つ言葉ではないことを覚えておくようにしましょう。

「糾弾する」は政治や事件で使われる

糾弾という言葉は、日常生活ではあまり使用されない言葉ですが、政治の問題や何か事件などが合った場合には、罪や問題の責任を問いたださなくてはならない場合などもあります。

そういった場合に、公の場ではなくても相手に罪を問いただし、それについて正しい意見からの非難をすることを「糾弾する」という言葉で表現するものです。糾弾の「糾」という字は、問いただして調べるという意味を持ちます。

糾弾の類語

糾弾の類語・類義語としては、人の欠点などを取り上げて責めることを意味する「非難」、欠点を指摘し正すよう論じることを意味する「批判」などがあります。

糾弾の「糾」という字を使った別の単語としては、意見や主張などが対立してもつれることを意味する「紛糾」、ある目的のもとに人々を寄せ集めてまとめることを意味する「糾合」、罪や不正を厳しく問いただすことを意味する「糾問」などがあります。

弾劾の意味

弾劾とは

弾劾とは、物事の不正や罪を明らかにして、相手に責任を取るように求めることを意味しています。また、裁判用語として、公務員など公の立場にある人の非行について、国会が責任を追及することによって、処罰する手続きのことも弾劾と表現します。

弾劾の使い方

弾劾というのは、相手の行った不正などをはっきりと明らかにするという意味が含まれています。この明らかにするというのは、公の場で明らかにするという意味です。つまり、弾劾というのは、広く公開して罪を問いただすことを意味する言葉です。

弾劾という言葉を使った場合には、責任を追及するだけではなく、その責任を負うように相手に求めることも含まれます。公の場で、広く責任追及を行い、その結果、しっかりと罪の責任を取ってもらうのが弾劾だと考えるようにしましょう。

「弾劾裁判」の意味

また、裁判用語としては、公務員などの公に守られている立場の人が罪を犯した場合、その責任を国民の代表である国会が追及して、処罰の手続きをすることを意味する言葉として使われるものです。弾劾裁判などの言葉で使われることもあります。

弾劾は、一対一の話し合いなどで行われるものではなく、広く多数の人たちに不正や罪を明らかにした上で、責任を取るように求めることです。日常生活ではあまり使用される言葉ではありませんが、意味はしっかりと理解しておくようにしましょう。

表現方法は「弾劾する」「弾劾証拠」「弾劾訴追」

「弾劾する」「弾劾証拠」「弾劾訴追」などが、弾劾を使った一般的な言い回しです。

弾劾の類語

弾劾の類語・類義語としては、犯人の訴追を求めることを意味する「告訴」、検察官が裁判所に公訴を提起することを意味する「起訴」などがあります。

弾劾の「弾」という字を使った別の単語としては、支配者が権力を行使して反対勢力の活動を抑圧することを意味する「弾圧」、圧迫をはね返そうとする力を意味する「弾力」、つま弾きにすることを意味する「指弾」などがあります。

糾弾の例文

1.教授のあの発言について、僕はどうしても許すことが出来ないので、いずれ糾弾するつもりだ。
2.どんなに立場が上の人が相手であっても、明らかに罪となる事柄については、糾弾するべきだと思う。
3.彼女は失敗しても、いつも言い訳を繰り返すので、いずれは糾弾するつもりでいる。
4.損害を受けた人たちを集めて、相手方を糾弾するための会を発足した。
5.彼の罪については、糾弾するだけでは事足りないような気がしています。
6.彼は不良少年だったので、授業中に先生を糾弾するなどの問題行動をたびたび起こしていました。
7.いつもは政府批判で騒がしいマスコミが政府の無策を糾弾することがないのは不可解に思えました。
8.差別を糾弾してたはずの人や集団が、今度は差別する側になってしまうのはなぜだろう。
9.大統領は民衆によって自らの失政を糾弾されることを良しとせず、警官隊を多数配置して厳しく取り締まった。
10.私は一緒に糾弾している仲間だと思ってた人達からもはしごを外されて、孤立無援となってしまいました。

この言葉がよく使われる場面としては、相手の罪や責任を問いただし、それを正しい意見から非難することを表現したい時などが挙げられます。糾弾というのは、公の場で行われなくても良いもので、相手を非難することに重点を置いている表現です。

糾弾という言葉を使った場合には、相手の罪を公にすることを目的としているわけではなく、相手に非を認めさせ、それについて非難することに重きを置いています。そのため、当事者同士でのやり取りで「糾弾」を行うことが可能です。

相手の罪や失敗について、本人に問い詰めて、どうしてそのような問題が起こってしまったのか、なぜそのような罪を犯したのか、などを追及して責めることを「糾弾」と表現するのだと覚えておくようにしましょう。

弾劾の例文

1.裁判官の弾劾を求める運動が起こった。
2.この事件について、犯人は弾劾されるべきだろうと思う。
3.政府の失敗を弾劾する権利が国民にはあると思うな。
4.昔は腐敗した政治を弾劾するような運動も広く行われていたらしいよ。
5.今回の件については、生徒全員で学校側を弾劾する心づもりでいる。
6.日本では弾劾の対象となるのは裁判官と人事官のみだが、アメリカでは大統領に対しても弾劾を行うことができる。
7.大規模デモ集会でリーダーとみられる男は現政権を弾劾せよ!と威勢よく声を上げていました。
8.もし裁判官が罪を犯せば、国会で弾劾裁判が開かれると習うが、今までそのような事例があったのだろうか。
9.クーデター未遂により、政治的信用を失った男は弾劾を受け、組織から追放されました。
10.弁護側は目撃者の供述調書を弾劾証拠として提出し、その証言に信用性がないことを主張した。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の不正や罪を明らかにして、相手に責任を取るように求めることを表現したい時などが挙げられます。また、公務員などの公の立場にある人の非行について責任を追及する場合なども「弾劾」と表現します。

弾劾という言葉が表すのは、責任の追及だけではなく、その責任を取らせるということにあります。また、責任追及は公に行われるべきであり、公式に罪を問われ、その責任をその人に担わせることが弾劾の意味であると覚えておくようにしましょう。

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