【便宜】と【利便】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「便宜」(読み方:べんぎ)と「利便」(読み方:りべん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「便宜」と「利便」という言葉は、好都合なことという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




便宜と利便の違い

便宜と利便の意味の違い

便宜と利便の違いを分かりやすく言うと、便宜は一時的な処理や配慮を表現する時に使い、利便は役立つものや便利を表現する時に使うという違いです。

便宜と利便の使い方の違い

一つ目の便宜を使った分かりやすい例としては、「便宜上ナンバリングするだけで優劣はありません」「便宜を図ってもらえることとなったため期待に応えたいと思った」「できるだけ便宜を与えてやりたいという心意気に感服した」などがあります。

二つ目の利便を使った分かりやすい例としては、「ユーザーの利便性を一番に考慮するためにアンケート調査を多く行なっている」「昔は生活利便の観点で先進国とそれ以外の国との間で今よりも大きく差があった」などがあります。

便宜と利便の使い分け方

便宜と利便はどちらも便という漢字を含み、都合が良いことを意味する言葉ですが、得られる結果の対象や期間が異なります。

便宜は、「便宜上」「便宜的」「便宜主義」などの表現をすることから、その場その場の対応を相手のために行う場合に使われることもある言葉です。

一方の利便は、「利便向上」「利便性」「利便化」などの表現をすることから、一時的ではなく持続的に、かつ相手を特定しない物などに対して使われる言葉です。

また、どちらの言葉も「図る」という言葉と一緒に使うことができますが、「便宜を図る」はその時々に適した方法や特定の相手への配慮をする時に使い、「利便を図る」は便利になるように考える時に使う表現です。

つまり、便宜は一時的かつ特定の相手の利益となる言動に対して使い、利便は継続的に不特定の相手の利益となる物やサービスに対して使われるという違いがあると言えます。

便宜と利便の英語表記の違い

便宜と利便も英語にすると「convenience」となり、例えば上記の「便宜上」を英語にすると「for convenience sake」となり、上記の「ユーザーの利便性」を英語にすると「the convenience of a user」となります。

便宜の意味

便宜とは

便宜とは、目的を達成するのに都合が良いことを意味しています。

表現方法は「便宜を与える」「便宜を図る」「便宜を受ける」

「便宜を与える」「便宜を図る」「便宜を受ける」などが、便宜を使った一般的な言い回しです。

便宜の使い方

便宜を使った分かりやすい例としては、「特定の相手だけに便宜を図るのはどうかと思う」「電車やタクシーはマイカーを持たない人たちの足として便宜を与えてくれる」「衣食住の便宜だけは失わないようにしたい」などがあります。

一方、「便宜主義でいると後々後悔するだろう」「便宜的に相談口を設けて一時的に他者の要望を聞くことができるようにした」「便宜上略称を使用している」などの文中で使われている便宜は、「その時々に適したやり方」の意味で使われています。

便宜の読み方

便宜は「べんぎ」という読み方をしますが、「びんぎ」という読み方をすることもあります。この場合は好機という意味も持ちますが、「べんぎ」と読むのが一般的とされているためあまり使われていません。

どちらの読み方をしても都合がいいという意味がありますが、「べんり」という読み方の場合は便利が良いことや、その場に適するような特別なやり方という意味もあります。

「便宜主義」の意味

上記例文の「便宜主義」とは、その時その時の都合によって物事を処理する姿勢を指す言葉です。物事の本質を考えずに対応するため「ご都合主義」とも呼ばれています。

便宜の対義語

便宜の対義語・反対語としては、都合の悪いことを意味する「不都合」、物事を行うのに具合が悪い事情を意味する「差し障り」があります。

便宜の類語

便宜の類語・類義語としては、都合がよく利益のあることを意味する「便益」、ちょうど良いことを意味する「好個」、条件に当てはまり都合が良いことを意味する「好都合」、望ましい状態となって好都合なことを意味する「渡りに船」などがあります。

利便の意味

利便とは

利便とは、都合の良いことを意味しています。

利便の使い方

利便を使った分かりやすい例としては、「利便性に特化したサービスは一躍有名となった」「利便が悪いために両親に転居を勧められる」「利便さなどもあって、その街の土地の値段は高く設定されている」などがあります。

その他にも、「学生たちの利便を考慮し、土曜日も朝のバス変わらず運行されている」「利便の増進を図るプロジェクトが進められている」「新設されるビルは近隣住民に対して利便をもたらさないと批判を浴びていた」などがあります。

利便の読み方

利便は「りべん」という読み方をしますが、「りびん」などの読み方をすることはできません。

「利便性」の意味

上記例文の「利便性」は、便利であることだけではなく、便利さの程度も意味する言葉として使われます。そのため、「利便の向上」「利便を考慮」などの表現は「利便性の向上」「利便性を考慮」などに変えることもできます。

また、同じ役に立つことを意味する便利という言葉は、利便とほとんど同じように使われますが、「便利性」という表現はないため「利便性」のように程度を表すことはできません。

利便の対義語

利便の対義語・反対語としては、物事をするのに必要な時間や労力を意味する「手間」、便利ではないことを意味する「不便」、煩わしい様子を意味する「面倒」があります。

利便の類語

利便の類語・類義語としては、簡単で便利なことを意味する「簡便」、便利なものとして常に使うことを意味する「重宝」、ためになることを意味する「有益」、役に立つことを意味する「有用」、この上なく便利なことを意味する「至便」などがあります。

便宜の例文

1.実際にその場にいなくとも応援する球団の活躍を確認できるため、テレビやラジオなどはファンに便宜を与えてくれた。
2.先輩に便宜を図ってもらったおかげで、今回の社内プレゼンが上手くいったと言っても過言ではないだろう。
3.誰も訪れないような辺鄙な場所であったとしても、狙う客層の便宜となるようにその対象にとっての必需品を売ることで少しでも利益を得ることができる。
4.お互いの利益のために便宜的に婚約をすることとなった友人は、相手の理解も得られているためか以前より自由になった様子だった。
5.便宜上名前が変更されているだけで、誰もが開かずとも内容を理解することができるのであればファイル名は何でも構わない。
6.上司が便宜を図ってくれたおかげで私の案が採用されたが、それ以来上司の顔色をうかがうようになり不自由になった。
7.公的なお金が使われるこの現場では、便宜を図ってもらったお返しとして、金品を渡してしまうと収賄になってしまいます。
8.慣れない海外出張で体調を崩し、現地のスタッフに色々便宜を図ってもらった話になぜが尾ひれがつき、自分の都合で現地スタッフをこき使ったという話にされていた。
9.難しい取材に関しては、会長さんからいろいろ便宜を与えていただいているので感謝してもしきれない。
10.もともとプロトタイプには名前がなかったので、便宜的に名前を付けたのだが、それがそのまま製品名になったというわけだ。

この言葉がよく使われる場面としては、目的を達成するのに都合が良いことなどが挙げられます。

例文4と例文5の例文のように、その時々に合う一時的な解決方法に対しても便宜という言葉が使われています。

利便の例文

1.交通の利便が良い点は引っ越しの決め手となっており、その他にもスーパーマーケットやコンビニが近くにあることも理由だ。
2.利便性向上を図るために新たなサービスの提供を予定していると発表した企業に対する期待の声がSNSで挙がっていた。
3.利便化された環境に身を置きすぎたからか、いざスマートフォンやパソコンなどが無い生活をしろと言われたら耐えられないだろう。
4.実家の最寄りにある利便が悪い駅は、周囲にほとんど何もなく、タクシーやバスが無ければどこにも行くことができないため、必ず両親に連絡を入れてから帰郷している。
5.自宅から片道2時間も掛かる学校への進学は利便を考慮して断念する他なかったが、何故最初に調べておかなかったのだろうと反省した。
6.その文化人類学者は人類が利便さばかりを追求していると人間としての生命力が削がれてしまうのではと危惧していた。
7.行政には免許を返納した年配者の利便を損なわないような公共交通システムの構築をお願いしているが、なかなか難しいとのことだ。
8.貨物駅の建設は周辺住民の利便をもたらさないばかりでなく、騒音問題など新たな公害が発生する恐れすらあった。
9.この街はお店も少ないし利便性も悪いから、どんどん若者が流出しているのに市は何の対策も打ってはくれないのだ。
10.インターネットがこれほどまで広がったのは、単に利便の向上に寄与していたからで、それ以上でもそれ以下でもない。

この言葉がよく使われる場面としては、都合の良いことなどが挙げられます。

例文1の「利便が良い」と例文4の「利便が悪い」という表現は、それぞれ「利便性が良い」「利便性が高い」や「利便性が悪い」「利便性が低い」などの表現に変えることができます。

便宜と利便どちらを使うか迷った場合は、一時的な処理や配慮を表す場合は「便宜」を、役立つものや便利を表す場合は「利便」を使うと覚えておけば間違いありません。

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