似た意味を持つ「ブランディング」と「マーケティング」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ブランディング」と「マーケティング」という言葉は、「商品販売における戦略」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ブランディングとマーケティングの違い
ブランディングとマーケティングの意味の違い
ブランディングとマーケティングの違いを分かりやすく言うと、ブランディングはマーケティングにおける活動工程のうちの一つであるという違いです。
ブランディングとマーケティングの使い方の違い
一つ目のブランディングを使った分かりやすい例としては、「インターネットのブランディングという方法は国内だけじゃなく国外にも通用する」「まずはインナーブランディングで社員に商品価値を伝える」などがあります。
二つ目のマーケティングを使った分かりやすい例としては、「スマホやパソコンの普及によってオンラインマーケティングは当たり前となってきた」「今回のマーケティングは経営戦略を無事に成功に導いた」などがあります。
ブランディングとマーケティングの使い分け方
ブランディングとマーケティングはどちらも、商品開発や販売などの企業活動における戦略を表しますが、示す範囲が若干異なります。
ブランディングは、企業や商品のブランドの価値を高めていく企業活動を指す言葉で、ブランドの認識方法を計画し、その通りに認知されることを目的としています。
一方のマーケティングは、商品の企画開発や、市場調査、営業や集客など消費者の手に商品が渡るまでの企業活動を指す言葉です。顧客にとって価値ある商品を生む活動の過程に対して使われる言葉です。
つまり、ブランディングは市場調査や計画などを指すため、企画、調査から販売、宣伝などのマーケティングに含まれていると言えます。
ブランディングとマーケティングの英語表記の違い
ブランディングを英語にすると「branding」となり、例えば上記の「インターネットのブランディング」を英語にすると「web branding」となります。
一方、マーケティングを英語にすると「marketing」となり、例えば上記の「オンラインマーケティング」を英語にすると「online marketing」となります。
ブランディングの意味
ブランディングとは
ブランディングとは、消費者らにとって価値のあるブランドにするための活動を意味しています。
表現方法は「ブランディングする」「ブランディングを高める」「ブランディングを図る」
「ブランディングする」「ブランディングを高める」「ブランディングを図る」などが、ブランディングを使った一般的な言い回しです。
ブランディングの使い方
ブランディングを使った分かりやすい例としては、「企業ブランディングによって多くの消費者の注目の的となった」「リブランディングに失敗するも根強い人気を誇っている」「商品ブランディングではターゲットを絞った」などがあります。
その他にも、「リブランディングで味を変えてしまうとファンはがっかりするのではないか」「アウターブランディングによってリンゴのマークはアップル社のものと印象づいた」「ブランディングのおかげで企業名から商品名が出るようになった」などがあります。
ブランディングは英語で「branding」と表記され、価値のある商品や有名な商品を指す「brand」がもとになった言葉です。ブランディングは「ブランド化」という表現に言い換えることもできます。
ブランディングの歴史
石器時代以降洞窟に描かれた絵画の家畜や動物、商品に付けられる記章などからブランディングの歴史は始まっており、20世紀半ば頃から消費者とブランドの関係性を社会的、心理的な面から模索するようになり、ロゴやシンボルが作られるのが当たり前となります。
ブランディングの手法
消費者が購入を決めるための要素が単純になるように、具体的にはパッケージのデザインやプレゼントキャンペーン、口コミを含むインターネット上での宣伝広告などがブランディングの手法として挙げられます。
こういった販売される商品やサービス、それを提供する企業など以外にも、建築物や地域なども該当し、「まちづくり」「地域活性化」などで地域の特産品を広める活動もブランディングに当たります。
ブランディングの類語
ブランディングの類語・類義語としては、自身の取り扱うものを他者のものと区別するための標識とすることを意味する「商標化」があります。
マーケティングの意味
マーケティングとは
マーケティングとは、消費者の求める商品を生み出し理想的な販売を行い需要増加などを図る企業活動を意味しています。
表現方法は「マーケティング戦略」「マーケティング手法」「マーケティング企業」
「マーケティング戦略」「マーケティング手法」「マーケティング企業」などが、マーケティングを使った一般的な言い回しです。
マーケティングの使い方
マーケティングを使った分かりやすい例としては、「ダイレクトマーケティングにはメリットもデメリットもある」「マーケティング部に所属してからSNSでの情報収集を多くするようになった」「マーケティング成功事例から学びを得る」などがあります。
その他にも、「インフルエンサーに協力を仰ぐこともマーケティングの一環だ」「SNSマーケティングによって若者の中の認知度がぐんと上がった」「デジタルマーケティングは今では一般的と言えるだろう」などがあります。
マーケティングは英語で「marketing」と表記され、市場や需要を意味する「market」の派生語ではありますが、マーケティングはそのまま訳さずに使われている言葉です。
その定義は様々ですが、書籍の多くは「顧客や社会全体などにとって価値あるものを提供するために創造や伝達、配達、交換を行うための活動や、その過程」と定義しています。
マーケティングの歴史
19世紀末頃から誕生したとされ、物を売り込むためのマスマーケティングから、顧客中心のマーケティングへと変化し、徐々に企業や組織が社会全体をより良いものにするための事業などの戦略に発展していると考えられています。
「ダイレクトマーケティング」の意味
上記例文の「ダイレクトマーケティング」は、メディアなどによる一方的な宣伝広告ではなく、顧客の反応などを踏まえ、顧客の需要に応じたマーケティングを指す言葉です。具体的にはポストに投函されるダイレクトメッセージなどが該当します。
マーケティングの類語
マーケティングの類語・類義語としては、コミュニケーションで顧客に大して商品を売り込むことを意味する「セールス」があります。
ブランディングの例文
この言葉がよく使われる場面としては、消費者らにとって価値のあるブランドにするための企業活動などが挙げられます。
例文2の「リブランディング」とは、売り上げが伸び悩んでいる場合や顧客をさらに増やす場合など、商品やサービスなどの見直しを行い、ロゴや商品の一部などを変更することを指す言葉です。
マーケティングの例文
この言葉がよく使われる場面としては、消費者の求める商品を生み出し理想的な販売を行い需要増加などを図る企業活動などが挙げられます。
例文1の「マーケティング戦略」とは、消費者などの分析を行うことで需要を見極め、どういった価値のものをどのように提供するかなどを決定していくことを指す言葉です。
ブランディングとマーケティングは、どちらも「商品販売における戦略」を表します。
どちらを使うか迷った場合は、価値あるものにして他と区別化するための企業活動を表す場合は「ブランディング」を、商品を売り込むための開発から販売までの企業活動を表す場合は「マーケティング」を使うと覚えておけば間違いありません。