【編集後記】と【あとがき】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「編集後記」(読み方:へんしゅうこうき)と「あとがき」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「編集後記」と「あとがき」という言葉は、どちらも書籍や雑誌などの巻末に書き添える言葉のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「編集後記」と「あとがき」の違い

「編集後記」と「あとがき」の意味の違い

「編集後記」と「あとがき」の違いを分かりやすく言うと、「編集後記」とは編集者が書き記した言葉のこと、「あとがき」とは著者が書き記した言葉のことという違いです。

「編集後記」と「あとがき」の使い方の違い

一つ目の「編集後記」を使った分かりやすい例としては、「彼は編集後記を書くのがとても上手です」「編集後記を上手に書けるように勉強しています」「編集後記を最初に読む変わった人もいるらしい」などがあります。

二つ目の「あとがき」を使った分かりやすい例としては、「この本のあとがきを最初に読みました」「私はあとがきを書くのがどうも苦手だ」「あとがきを書いたらこの本も完成だろう」「彼はあとがきを書くのがとても上手だ」などがあります。

「編集後記」と「あとがき」の使い分け方

「編集後記」と「あとがき」はどちらも書籍や雑誌などの巻末に書き添える言葉のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「編集後記」は書籍や雑誌などの巻末に編集者が書き記したあとがきのこと、つまり書いた人が編集者になります。編集者とは本や新聞などの刊行物や論文などの内容を編集する者のことを指しています。

一方、「あとがき」は、手紙や文章などの終わりに書き添える言葉のこと、つまり書いた人が著者になります。著者とは書物を書き著した人のことを指しています。

以上のことから、「編集後記」と「あとがき」は書いた人によって使い分けると覚えておきましょう。

「編集後記」と「あとがき」の英語表記の違い

「編集後記」も「あとがき」も英語にすると「an afterword」「a postscript」「P.S.」となり、例えば上記の「この本のあとがきを最初に読みました」を英語にすると「I read the postscript of this book first」となります。

「編集後記」の意味

「編集後記」とは

「編集後記」とは、書籍や雑誌などの巻末に編集者が書き記したあとがきのことを意味しています。

「編集後記」の読み方

「編集後記」の読み方は「へんしゅうこうき」です。誤って「へんしゅうごき」などと読まないようにしましょう。

「編集後記」の使い方

「編集後記」を使った分かりやすい例としては、「編集後記は長くない文章が好ましいだろう」「その広報誌の編集後記を最初に読みました」「この週刊誌の編集後記はとても面白いです」「編集後記を書いたらこの社内報も完成だ」などがあります。

「編集後記」は書籍や雑誌などの巻末に編集者が書き記したあとがきのこと、つまり書いた人が編集者というのが特徴です。また、雑誌、書籍、社内報、広報誌など様々ものに対して書くことができます。

「編集後記」の内容としては、本編で書くことができなかった裏話や編集者の正直な感想などが多いです。また、トラブルなどの苦労した話やボツになった話なども書かれることがあります。

したがって、「編集後記」は編集者の普段は知ることができない人柄を伝えることができるため、読者に親近感を抱てもらうことができる貴重な機会です。

「編集後記」の書き方

「編集後記」の書き方としては、まず挨拶から始めると読者も入り込みやすくなります。また、季節の挨拶を入れるとさらに文章が引き締まると覚えておきましょう。

その後、本編で書くことができなかった裏話や編集者の正直な感想、トラブルなどの苦労した話やボツになった話などを記載し、最後の結びの言葉で締めるのが「編集後記」の一般的な書き方になります。

「編集後記」を書く上で注意点

「編集後記」を書く上で注意しなければいけない点は三つあります。

一つ目は長くしすぎないことです。本編を読んだ後に長い文章を読むと読者もうんざりすることが多いでしょう。そのため、サラっと読みやすく親近感が湧くくらいの長さが適しています。

二つ目は難しい言葉や漢字を使わないことです。こちらも本編のあとに難しい言葉や漢字を使われると読者がうんざりします。そのため、読みやすく親しみやすい言葉を使うことで、読者の心を掴むことができると覚えておきましょう。

三つ目は身内ネタを使わないことです。いくら裏話といっても一部の人しか分からないようなネタであれば、その他の読者の心は離れてしまします。そのため、誰にでも共感できるような内容を書くのがいいでしょう。

「編集後記」の類語

「編集後記」の類語・類義語としては、本文とは別に書物の終わりに記す文章のことを意味する「跋文」(読み方:ばつぶん)、本文のあとに書き記すことを意味する「後記」などがあります。

「あとがき」の意味

「あとがき」とは

「あとがき」とは、手紙や文章などの終わりに書き添える言葉のことを意味しています。

「あとがき」の漢字表記

「あとがき」を漢字にすると、「後書き」や「後書」と表記することができます。

「あとがき」の使い方

「あとがき」を使った分かりやすい例としては、「彼女はあとがきを書くのがとても上手です」「このあとがきを読んでくださっている皆様に感謝を伝えたいです」「いつもあとがきに何を書けばいいか迷ってしまう」などがあります。

「あとがき」の内容としては、本編で書くことができなかった裏話や編集者の正直な感想などが多いです。また、トラブルなどの苦労した話やボツになった話なども書かれることがあります。

したがって、「あとがき」は編集者の普段は知ることができない人柄を伝えることができるため、読者に親近感を抱てもらうことができる貴重な機会です。

また、「あとがき」を読むために本を購入したり、親近感を抱くことができるので「あとがき」を最初に読むなど、書籍において「あとがき」はかかせないコンテンツとなっています。

「あとがき」の主な内容としては、本編を書き上げた感想、執筆時の苦労やエピソードを語る裏話、著者の作品対する想い、執筆にあたってご協力いただいた方への感謝のことばなどです。あくまでも例なので、これらを絶対に入れなければならないというわけではないと覚えておきましょう。

「あとがき」の対義語

「あとがき」の対義語・反対語としては、書物や文章の序文のことを意味する「端書」、本文に入る前に簡単に書き添えることを意味する「前書き」などがあります。

「あとがき」の類語

「あとがき」の類語・類義語としては、書物や書画の巻物の末尾に記す文のことを意味する「跋」(読み方:ばつ)、文章や特に手紙の末尾に記す文句のことを意味する「末筆」、著作者が著書の末尾に書き添える文章のことを意味する「後序」などがあります。

「編集後記」の例文

1.編集後記は挨拶から始めると読者も入りやすくなるため、絶対に必要だと思います。
2.編集者になったので、編集後記の書き方を一から勉強しています。
3.社内報の編集後記はいつも面白いので、とても楽しみにしています。
4.私は編集後記から読むことが多いので、よく変わった人物と言われている。
5.彼はとても上手な編集後記を書くので、とても重宝しています。
6.私は社内報の編集を担当しているが、経費削減のため密かに人気のあった書籍紹介のコーナーと料理レシピ、編集後記のページは割愛されることになってしまった。
7.この週刊誌の編集後記はとても面白いと言われたが、肝心の特集ページについてはあまり芳しい反応を得られなかった。
8.大抵の読者は編集後記なんぞ読み飛ばしてしまうだろうから、もっと好きに書いてやろうという闘志が湧いた。
9.編集長はたった100文字程度の編集後記に何時間もかけているのだから、私も記事を書く時は見習わなければならないと思った。
10.会報誌は編集後記を書いてデータ送れば次は最終確認のみとなりました。編集委員会の人たちのおかげで予定より早く完成しそうです。

この言葉がよく使われる場面としては、書籍や雑誌などの巻末に編集者が書き記したあとがきのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「編集後記」はとても限定的な場面で使う言葉です。

「あとがき」の例文

1.このシリーズはあとがきがとても面白いので、発売したらすぐに購入しています。
2.あとがきを上手に書くことによって、読者の共感を得られることもあるはずだ。
3.この本のあとがきでは、当初の予定から大きく変更されていたことが語られていました。
4.私は小説を購入したら、いつもあとがきから読むようにしている。
5.この本はあとがきも含めると1000ページにも及ぶので、読むのには相当時間がかかるだろう。
6.あとがきからは著者の素の姿や人間味を感じることができ、また本編とのギャップや裏話なども興味深く、コンサートのMCのようにファンはとても楽しみにしているはずだ。
7.映画の最後のスタッフロールで、撮影の様子やNGシーンなどが映されると、映画のあとがきのようで私は好きだ。
8.私は、どんな本でもあとがきから読むのが好きです。それは、アンソロジーであれば、編者の思いが、小説であれば執筆者の思いが、力の抜けた表現でつづられているからです。
9.私は手に取った本が読むに値するかどうかは、まえがき、目次、あとがきを読んでから決めるようにしている。
10.この書籍のくだらなさを象徴するのは、著者のあとがきである。とても下手な文章で、しかも気どっているので読むに値しない。

この言葉がよく使われる場面としては、手紙や文章などの終わりに書き添える言葉のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「あとがき」はとても限定的な場面で使う言葉です。

「編集後記」と「あとがき」はどちらも書籍や雑誌などの巻末に書き添える言葉のことを表します。どちらの言葉を使うかか迷った場合、編集者が書き記した言葉のことを表現したい時は「編集後記」を、著者が書き記した言葉のことを表現したい時は「あとがき」を使うと覚えておきましょう。

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