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【取り繕う】と【繕う】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「取り繕う」(読み方:とりつくろう)と「繕う」(読み方:つくろう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「取り繕う」と「繕う」という言葉は、どちらも外見だけ飾って見た目をよくすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「取り繕う」と「繕う」の違い

「取り繕う」と「繕う」の意味の違い

「取り繕う」と「繕う」の違いを分かりやすく言うと、「取り繕う」の方が「繕う」より改まった表現という違いです。

「取り繕う」と「繕う」の使い方の違い

一つ目の「取り繕う」を使った分かりやすい例としては、「失敗や過失を取り繕うことができました」「彼女は人前で取り繕うことには長けています」「その場はなんとか取り繕うことができました」などがあります。

二つ目の「繕う」を使った分かりやすい例としては、「破れたTシャツを繕う」「彼女はその場を繕うために嘘をつきました」「私はその場を繕うために話題を変えることにした」などがあります。

「取り繕う」と「繕う」の使い分け方

「取り繕う」と「繕う」は同じ意味を持つ言葉で大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「取り繕う」の方が「繕う」より改まった表現という点です。

ではなぜ「取り繕う」の方が改まった表現かというと、「取り」には、動詞などに付いて語調を整改まった感じにするという意味を持っているのが理由になります。

「取り繕う」と「繕う」の英語表記の違い

「取り繕う」も「繕う」も英語にすると「gloss over」「smooth things over」「keep up」「patch things up」となり、例えば上記の「その場はなんとか取り繕うことができました」を英語にすると「I managed to smooth things over for the moment」となります。

「取り繕う」の意味

「取り繕う」とは

「取り繕う」とは、外見だけ飾って見た目をよくすることを意味しています。その他にも、不都合なことを隠して上辺を飾ること、間に合わせに修繕することの意味も持っています。

「取り繕う」は「取繕う」とも表記可能

「取り繕う」は送り仮名を省略して、「取繕う」と表記することもできます。

表現方法は「取り繕う人」「自分を取り繕う」「取り繕うとする」

「取り繕う人」「自分を取り繕う」「取り繕うとする」などが、「取り繕う」を使った一般的な言い回しになります。

「取り繕う」の使い方

「彼はプライドが高いので取り繕うことが多い」「彼は体裁ばかりを取り繕う人です」などの文中で使われている「取り繕う」は、「外見だけ飾って見た目をよくすること」の意味で使われています。

一方、「陽気に振る舞って悲しみを取り繕うことにしました」「ふすまの破れを取り繕う」などの文中で使われている「取り繕う」は、「不都合なことを隠して上辺を飾ることや間に合わせに修繕すること」の意味で使われています。

「取り繕う」は動詞などに付いて語調を整改まった感じにすることを意味する「取り」に、体裁をよくすることを意味する「繕う」が合わさり、外見だけ飾って見た目をよくすることや不都合なことを隠して上辺を飾ることを意味する動詞です。

「取り繕う」はその場しのぎやごまかすという場面で使うため、基本的にマイナスのイメージで使う言葉になります。そのため、その場を良い雰囲気にするというプラスのイメージで使うことはほとんどないと覚えておきましょう。

「取り繕う」の類語

「取り繕う」の類語・類義語としては、いいかげんに言ったりしたりしてその場をごまかすことを意味する「お茶を濁す」、本心を見やぶられないようにでまかせを言ったりしてその場や上辺を取り繕うことを意味する「ごまかす」などがあります。

「繕う」の意味

「繕う」とは

「繕う」とは、外見だけ飾って見た目をよくすることを意味しています。その他にも、不都合なことを隠して上辺を飾ること、衣服などの破れ損じたところや物の壊れた箇所を直すことの意味も持っています。

表現方法は「自分を繕う」「人目を繕う」「見繕う」

「自分を繕う」「人目を繕う」「見繕う」などが、「繕う」を使った一般的な言い回しになります。

「繕う」の使い方

「彼は世間体を繕うばかりだ」「取引先の人と会う前に乱れた髪を繕う」などの文中で使われている「繕う」は、「外見だけ飾って見た目をよくすること」の意味で使われています。

一方、「その場を何とか繕うことに成功しました」「垣根を綺麗に繕う」などの文中で使われている「繕う」は、「不都合なことを隠して上辺を飾ることや衣服などの破れ損じたところや物の壊れた箇所を直すこと」の意味で使われています。

「繕う」は三つの意味を持つ言葉ですが、どの意味でも使われています。また、衣服などの破れ損じたところや物の壊れた箇所を直すことの意味は、基本的に機械的なものには使わず、繊維製品などに使うのがが一般的です。

「繕う」はその場しのぎやごまかすという場面で使うため、基本的にマイナスのイメージで使う言葉になります。そのため、その場を良い雰囲気にするというプラスのイメージで使うことはほとんどないと覚えておきましょう。

「繕う」の類語

「繕う」の類語・類義語としては、壊れたり悪くなったりしたところを繕い直すことを意味する「修繕」、壊れたり悪くなったりしたところを繕い直すことを意味する「修正」、建造物などの傷んだ箇所を直してもとのようにすることを意味する「修繕」などがあります。

「取り繕う」の例文

1.今更体裁を取り繕ったところで、もう手遅れだと思います。
2.世間体を取り繕うためだけに、そういこと言うのは良くないとと思います。
3.彼は仕事上の失敗を必死で取り繕うとしているが、上手くできていないようです。
4.明るく振る舞って悲しみを取り繕っているが、気付いている人もいるだろう。
5.パーティーが始まる前までに、ドレスを取り繕うことにしました。
6.認知症が疑われる患者さんの家族が「最近取り繕うことが増えました」とあきれ顔で言うが、本人は意図していないだろうし自尊心を尊重してあげてほしいと胸が痛くなった。
7.会議ではなんとか取り繕うことができましたが、本腰を入れてやらないと本当にまずいことになりますよ。
8.彼は体裁ばかりを取り繕う人ですから、本当に部下のことを思っているのかどうかはわかりませんよ。
9.彼女はプライドが高いので取り繕うことが多いが、周りの幹部はそれをよく思っていませんでした。
10.いくら仕事のミスをうまく取り繕ってもミスは消えないのだから潔くミスを認めるべきだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、外見だけ飾って見た目をよくすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、不都合なことを隠して上辺を飾ること、間に合わせに修繕することを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「取り繕う」は外見だけ飾って見た目をよくすること、例文3と例文4の「取り繕う」は不都合なことを隠して上辺を飾ること、例文5の「取り繕う」は間に合わせに修繕することの意味で使っています。

「繕う」の例文

1.彼は世間体を繕ってあんなことを言ってるが、正直もう手遅れだろう。
2.相手に繕う必要は全くないと思います。ありのままの自分を見せよう。
3.彼女がその場を繕うためだけに、嘘をついたことがとてもショックです。
4.彼は必死で間違えを繕うとしたが、時すでに遅しと言ったところだ。
5.ズボンが破けてしまったので、お母さんが繕ってくれました。
6.彼女は自己中でいつもほかの職員ともめているが、口がうまく上司の前では繕ってその場を納めている。そのことがさらにみんなをむかつかせている。
7.父親は家族のことを考えず、世間体を繕うばかりだったので、娘たちからは嫌われていました。
8.彼の手にかかれば私がどんなに表情を繕って見せても、その心の中は手に取るようにわかっているに違いない。
9.叔父は返済を先送りして差し当たり借金でその場を繕ってばかりいたので首が回らなくなったのだろう。
10.私はその場を何とか繕うことに成功しましたが、その後のことを何も考えいませんでした。

この言葉がよく使われる場面としては、外見だけ飾って見た目をよくすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、不都合なことを隠して上辺を飾ること、衣服などの破れ損じたところや物の壊れた箇所を直すことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「繕う」は外見だけ飾って見た目をよくすること、例文3と例文4の「繕う」は不都合なことを隠して上辺を飾ること、例文5の「繕う」は服などの破れ損じたところや物の壊れた箇所を直すことの意味で使っています。

「取り繕う」と「繕う」はどちらも外見だけ飾って見た目をよくすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「取り繕う」の方が「繕う」より改まった表現と覚えておきましょう。

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