【貴職】と【貴殿】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「貴職」(読み方:きしょく)と「貴殿」(読み方:きでん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「貴職」と「貴殿」という言葉は、どちらも「あなたを意味する人称代名詞」であるという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




貴職と貴殿の違い

貴職と貴殿の意味の違い

貴職と貴殿の違いを分かりやすく言うと、貴職とは地位が高いとされる職業の人に使用する言葉、貴殿とは男性が同等以上の男性に使用する言葉という違いです。

貴職と貴殿の使い方の違い

一つ目の貴職を使った分かりやすい例としては、「貴職のますますのご活躍をお祈り申し上げます」「貴職を本大会の役員として委嘱いたします」「貴職下職員の方々の御参加をお願い申し上げます」などがあります。

二つ目の貴殿を使った分かりやすい例としては、「貴殿におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」「女性役員に貴殿というのは失礼ですか」「書類を貴殿に送付いたします」などがあります。

貴職と貴殿の使い分け方

貴職と貴殿という言葉は、どちらも書き言葉で、二人称の代名詞として使用されていますが、意味や使い方には違いがあります。

貴職とは、「あなた」を意味する二人称代名詞であり、役人や高い位の職業の人などに対して、尊敬の気持ちをもって用いる言葉です。一般的には、政治家や公務員あるいは医者や弁護士などの地位が高いとされている職業の人に使用します。

貴殿とは、「あなた」を意味する二人称代名詞であり、男性が目上の男性あるいは同等の男性に対して使う言葉です。もともとは目上の男性への敬称として用いられていましたが、だんだんと同輩に対する親しみの気持ちを表すようにもなりました。

つまり、貴職と貴殿の違いは使用する相手です。貴職は地位が高いとされる職業の人に使用し、貴殿は男性が同等以上の男性に使用することを覚えておきましょう。

貴職と貴殿の英語表記の違い

貴職も貴殿も英語にすると「you」となり、例えば上記の「貴職のご活躍」を英語にすると「your achievement」となります。

貴職の意味

貴職とは

貴職とは、高い位の官職を意味しています。

その他にも「役人などを敬っていう、二人称の人代名詞」の意味も持っています。

貴職の読み方

貴職の読み方は「きしょく」です。同じ読み方をする熟語に「気色」や「寄食」がありますが、意味が異なるので書き間違いに注意しましょう。

貴職の使い方

「父は土地を管理する貴職に就いています」「貴職を目指して公務員試験の勉強中です」「貴職と貴台は同じ意味ですか」などの文中で使われている貴職は、「高い位の官職」の意味で使われています。

一方、「貴職の益々のご活躍を祈念申し上げます」「貴職のご都合のよい場所までお伺いいたします」「貴職に失礼ながら申し上げます」「貴職ならびに貴事業所のみなさま」などの文中で使われている貴職は、「二人称の人代名詞」の意味で使われています。

貴職とは、もともと高い位の官職、今でいう国家公務員を意味しました。転じて、役人などを敬っていう二人称の人代名詞として使用されることが多い言葉です。口語として用いられることはほとんどなく、多くは賞状や文書あるいはメールなどで用いられています。

「貴職下」の意味

貴職を用いた日本語には「貴職下」があります。貴職下とは、貴職として示されている人の部下を意味します。部下ひとりを指すこともありますが、ほとんどの場合は部下である複数人をまとめて指します。

貴職の対義語

貴職の対義語・反対語としては、地位の低い官職や自分をへりくだっていう語を意味する「小職」、地位の低い官吏や自分を謙遜していう語を意味する「小官」などがあります。

貴職の類語

貴職の類語・類義語としては、相手を敬ってその所属する会社などをいう語を意味する「貴社」、相手を敬っていう二人称の人代名詞を意味する「貴台」、同等または目下の相手に対する敬称を意味する「貴下」などがあります。

貴殿の意味

貴殿とは

貴殿とは、男性が目上または同等の男性に対して用いる、二人称の人代名詞、あなたを意味しています。

その他にも、「相手を敬って、その住宅をいう語、貴宅」の意味も持っています。

貴殿の読み方

貴殿の読み方は「きでん」です。誤って「きてん」「きどの」などと読まないようにしましょう。

貴殿の使い方

「貴殿におかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます」「貴殿の申立ての事件番号は以下の通りでし」「貴殿に代わる言葉として貴公を用いる」「貴殿は女性に対して使ってもいいですか」などの文中で使われている貴殿は、「二人称の人代名詞」の意味で使われています。

一方、「折をみて貴殿にお伺いいたします」「貴殿はこの近くでしょうか」「貴殿は立派なお屋敷ですね」などの文中で使われている貴殿は、「相手を敬って、その住宅をいう語」の意味で使われています。

貴殿とは、「二人称の人代名詞」および「相手の家を敬っていう語」の二つの意味があります。二人称の人代名詞としては、男性が目上または同等の男性に対して用います。もとは目上の相手への敬称でしたが、のちに同輩に対する親愛の気持ちを表す語としても使用するようになりました。

貴職は男性に使う言葉

貴殿という言葉は、男性に対して使うものであり、女性に対しては、「貴女」(読み方:きじょ)を用います。また、手紙や文書で用いるもので、口頭で使用することはほとんどありません。

貴殿の対義語

貴殿の対義語・反対語としては、男性が自分をへりくだっていう語を意味する「小生」、自分をへりくだっていう一人称の人代名詞を意味する「拙者」などがあります。

貴殿の類語・類義語としては、男子が手紙などで目上の男子を敬って用いる二人称の人代名詞を意味する「尊台」、二人称の人代名詞を意味する「貴公」、他人を敬ってその住居をいう語を意味する「尊堂」などがあります。

貴職の例文

1.古い慣習の貴職の世襲を排除して、適材適所の人材登用を進めるべきです。
2.貴職が担当されている業務のうち、改善が必要なものがありましたらご相談ください。
3.貴職におかれましては、ご多忙とは存じますが明日までにご連絡いただけますでしょうか。
4.貴職におかれましては、公務員人事にご尽力されていることに敬意を表します。
5.理事会の日程が決まりました。貴職をはじめ社内関係者の皆様に是非ご出席をいただきたくご案内申し上げます。
6.ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。このたびは、貴職の業務効率化に貢献できる新システムのご提案に参上いたしました。
7.貴職におかれましては、この度の社会保障制度改革において中心的な役割を担っておられますが、国民の視点からの改善提案がございますので、よろしければご一考いただけますでしょうか。
8.貴職におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。このたび、貴職をはじめとする教育関係者の皆様を対象とした講演会を開催することとなりましたので、ご案内申し上げます。
9.貴職におかれましては、この度の大規模災害対応において中心的な役割を果たされ、被災地の復興に多大なご尽力をいただきました。心から感謝と敬意を表する次第です。
10.貴職におかれましては、これまでの国際交渉の経験を活かし、本件の推進役として中心的な活躍をしていただけるものと確信しております。

この言葉がよく使われる場面としては、高い位の官職、役職にある者を敬っていう語を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある貴職は、高い位の官職の意味で用いられています。例文2から例文5の貴職は、役職にある者を敬っていう語として使用しています。

貴殿の例文

1.今後とも貴殿のご活躍および貴社のご発展を、心よりお祈り申し上げます。
2.以前の職場は古い体質で、上司に社内メールを書く時は貴殿を使っていました。
3.今はジェンダーレスの世の中だとは言っても、貴殿を女性に対して使うのはいかがなものか。
4.間違えてしまったら失礼なので、貴殿の使い方をインターネットで調べています。
5.貴殿の庭は手入れが行き届いていて、植栽のセンスも素晴らしいですね。
6.このたびはご昇進おめでとうございます。今後とも貴殿の益々のご活躍および貴社のご発展をお祈り申し上げます。
7.貴殿におかれましては、ぜひ一度商品資料をご覧いただき、ご検討くださいますようお願い申し上げます。
8.本日は貴殿におかれましてもご多用の中、ご来社いただき誠にありがとうございます。このたびの件につきまして、貴殿のお知恵をお借りできましたら幸いです。
9.今回の人材採用に際しまして、貴殿のお知見をお借りできればと存じます。貴殿のご経験に基づいたアドバイスを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
10.先日の取締役会におきまして、貴殿のご提言に強く共感いたしました。早速検討に着手させていただきましたので、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

この言葉がよく使われる場面としては、男性が男性の相手を敬って指す語、相手を敬ってその住宅を指す語を表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4にある貴殿は、男の相手を敬った二人称代名詞として用いられています。例文5の貴殿は、相手を敬ってその住宅を指しています。

貴職と貴殿という言葉は、どちらも「二人称の人称代名詞」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、地位が高いとされる職業の人に使用したい時は「貴職」を、男性が同等以上の男性に使用したい時は「貴殿」を使うようにしましょう。

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