【二足三文】と【二束三文】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「にそくさんもん」という読み方の「二足三文」と「二束三文」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「二足三文」と「二束三文」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「二足三文」と「二束三文」の違い

「二足三文」と「二束三文」の意味の違い

「二足三文」と「二束三文」の違いを分かりやすく言うと、「二足三文」とは戦後から使われ始めた言い回し、「二束三文」とは戦前から使われていた言い回しという違いです。

「二足三文」と「二束三文」の使い方の違い

一つ目の「二足三文」を使った分かりやすい例としては、「ここにあるものは二足三文で売り払うことにしました」「全部売っても二足三文にしかならなかった」「その車じゃ二足三文にも売れないだろう」などがあります。

二つ目の「二束三文」を使った分かりやすい例としては、「年季の入った中古車だったので二束三文で買うことができました」「お金がなかったので二束三文でも売るしかありませんでした」「その時計じゃ二束三文にも売れないだろう」などがあります。

「二足三文」と「二束三文」の使い分け方

「二足三文」と「二束三文」はどちらも数が多くても値段が非常に安いことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「二足三文」は戦後から使われ始めた言い回しなのに対して、「二束三文」は戦前から使われていた言い回しという点です。

したがって、「二足三文」と「二束三文」は基本的に好きな方を使って問題ないと覚えておきましょう。

「二足三文」と「二束三文」の英語表記の違い

「二足三文」も「二束三文」も英語にすると「won’t fetch much」「dirt cheap」となり、例えば上記の「その車じゃ二足三文にも売れないだろう」を英語にすると「That car won’t fetch much, if anything」となります。

「二足三文」の意味

「二足三文」とは

「二足三文」とは、数が多くても値段が非常に安いことを意味しています。

「二足三文」の読み方

「二足三文」の読み方は「にそくさんもん」です。誤って「にあしさんもん」「にそくさんぶん」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「二足三文で売る」「二足三文にもならない」

「二足三文で売る」「二足三文にもならない」などが、「二足三文」を使った一般的な言い回しになります。また、「二足三文にもならない」とは、「二足三文」よりもさらに悪い状況を意味する言葉です。

「二足三文」の使い方

「二足三文」を使った分かりやすい例としては、「二足三文の商売はもうやめたいです」「置くスペースがないので本を売りに出したが二足三文にしかなりませんでした」「その着物を売っても二足三文にしかならないだろう」などがあります。

「二足三文」は数が多くても値段が非常に安いことを意味する四字熟語です。簡単に言うならば、いくら売っても一つの値段が安ければ全く儲けにならないことを意味しています。

「二足三文」は買い手側の視点であれば安くたくさん買えたというプラスのイメージを持つ言葉ですが、売り手側としては利益にならないけど売ったというマイナスなイメージになります。そのため、ビジネスシーンにおいて使う場合には注意が必要な言葉と覚えておきましょう。

「二足三文」の由来

「二足三文」の語源は金剛草履(読み方:こんごうぞうり)です。金剛草履とは藁や藺などを編んで作った形の大きい丈夫な草履のことで、普通のものより後部が細いのが特徴となっています。

そして、この金剛草履は二足で三文という価格で売られており、いくら売っても利益が得られなかったそうです。これが転じて、数が多くても値段が非常に安いことを「二足三文」と言うようになりました。

しかし、江戸時代では「二足三文」ではなく「二束三文」の方を使うのが一般的であったため、「二足」ではなく「二束」(読み方:ふたたば)のことを指しているという説があります。

つまり、二束売っても三文にしかならないという説の方が有力です。束とは古代日本で使われていた稲穂を数える際の単位のことで、一束は十把であるため100を意味しています。したがって、二束はどれくらいかというと200個のことです。

また、三文は現代のお金にすると100円前後に相当する金額になります。そのため、200個のものがたった100円前後の値段でしか売れないというマイナスなイメージで使われていた言葉なのです。

「二足三文」の類語

「二足三文」の類語・類義語としては、粗末で質が悪い品物のことを意味する「粗悪品」、値段が安く粗悪な物のことを意味する「安物」、粗末な品物のことを意味する「粗品」、安っぽいことを意味する「チープ」などがあります。

「二束三文」の意味

「二束三文」とは

「二束三文」とは、数が多くても値段が非常に安いことを意味しています。

「二束三文」の読み方

「二束三文」の読み方は「にそくさんもん」です。誤って「ふたたばさんもん」「にそくさんぶん」などと読まないようにしましょう。

「二束三文で売る」「二束三文にもならない」などが、「二束三文」を使った一般的な言い回しになります。また、「二束三文にもならない」とは、「二束三文」よりもさらに悪い状況を意味する言葉です。

「二束三文」を使った分かりやすい例としては、「二束三文の商売を続けていたらいつか倒産してしまいそうだ」「売っても二束三文にしかならないので捨てることにしました」「中古ショップで目当ての物を二束三文で購入できたので得した気分だ」などがあります。

「二束三文」は数が多くても値段が非常に安いことを意味する四字熟語で、簡単に言うならば、いくら売っても一つの値段が安ければ全く儲けにならないことを意味しています。

「二束三文」という表現は江戸時代から使われている古い言葉ですが、現代でも日常的に使われています。戦後は「足」を使った「二足三文」を使用する人も増えていますが、基本的に好きな方を使っても問題ありません。

「二束三文」は買い手側の視点であれば安くたくさん買えたというプラスのイメージを持つ言葉ですが、売り手側としては利益にならないけど売ったというマイナスなイメージになります。そのため、ビジネスシーンにおいて使う場合には注意が必要な言葉と覚えておきましょう。

「二束三文」の類語

「二束三文」の類語・類義語としては、損を承知でつける安い値段のことを意味する「捨て値」、粗悪な品をむやみに作ることを意味する「粗製乱造」、品物が劣っていていかにも値うちがないように見えることを意味する「安っぽい」などがあります。

「二足三文」の例文

1.引っ越しするので漫画を大量に売りにいったものの、保存状態が悪かったらしく二足三文にもならなかったです。
2.二足三文にしかならない商売をしても時間の無駄なので、一発逆転を狙うことにしました。
3.彼女は二足三文で同棲している彼氏のゲームソフトを売ってしまいました。
4.ブランドバックであったとしても、その保存状態じゃ二足三文でしか売れないだろう。
5.骨董品の価値が分からない私は、超高級品を二足三文で譲ってしまいました。
6.ド田舎に暮らすお年寄りが亡くなっただが、二足三文の残された土地について、親族は困り果てているようだった。
7.家を片付けることになり、本を古本屋に売りに出したが、二足三文にしかなりませんでした。
8.株券を持っているとはいっても、倒産寸前の会社の株しか持ってないのだから二足三文にもならんよ。
9.転売の副業を始めてみたものの、生活の足しにもならず、もう二足三文の商売はもうやめたいと思っています。
10.ゴミとして捨てるつもりだったが、引越し費用の足しになると思い、二足三文で売り払うことにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、数が多くても値段が非常に安いことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「二足三文」はマイナスなイメージで使われることが多い言葉です。

「二束三文」の例文

1.今よりも小さい家に引っ越すので夫のプラモデルを二束三文で売ったら、大激怒されてしまいました。
2.二束三文の商売を続けているようじゃ、会社がこれ以上大きくなることはないだろう。
3.金欠なので古物商に色々持ち込んでみたものの、二束三文にしかなりませんでした。
4.この建物は古いので二束三文だが、土地はそこそこの値段で売れるはずです。
5.そのバイオリンじゃ二束三文でしか売れないと思うよ。
6.施設を取り壊すにあたって、残された多数の絵は関係者によって二束三文で処分されてしまった。
7.先日、中古品店に不用品を売りに行きました。 服や財布は二束三文でしたが、専門書が意外と高値で売れました。
8.兄が買った中古車は年式が古かったので、二束三文で買うことができたそうだが、果たしてちゃんと動くのだろうか。
9.彼はこんな二束三文の土地を高値で売りつけているのだから、インチキと言われても仕方ないだろう。
10.引っ越しで出た不用品は二束三文にしかならないだろうと思っていたら弟が、これはマニアの間では高値で売れるよとテレカや雑誌を持って帰った。

この言葉がよく使われる場面としては、数が多くても値段が非常に安いことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「二束三文」はマイナスなイメージで使われることが多い言葉です。

「二足三文」と「二束三文」はどちらも数が多くても値段が非常に安いことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、戦後から使われ始めた言い回しなのが「二足三文」、戦前から使われていた言い回しが「二束三文」と覚えておきましょう。

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