【無の用】と【無用の用】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「無の用」(読み方:むのよう)と「無用の用」(読み方:むようのよう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「無の用」と「無用の用」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「無の用」と「無用の用」の違い

「無の用」は「無用の用」の間違い

「無の用」と「無用の用」の違いを分かりやすく言うと、「無の用」とは「無用の用」の間違った使い方、「無用の用」とは一見無用とされているものが実は大切な役割を果たしていることです。

「無の用」は誤字

一般的には「無の用」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「無用の用」のことを間違えて「無の用」を使っている人がほとんどです。

「無用の用」は正しい日本語

正しい言葉である「無用の用」を使った分かりやすい例としては、「無用の用という可能性もあるので決めつけない方がいいだろう」「無用の用ということもあるだろう」「どの場所に住もうと税金は無用の用だろう」などがあります。

「無用の用」という言葉はあっても、「無の用」という言葉は存在しません。同時に「無用の用」という単語の意味について「一見無用とされているものが実は大切な役割を果たしていること」と覚えておきましょう。

「無用の用」の英語表記

「無用の用」を英語にすると「The usefulness of the useless」となり、例えば上記の「どの場所に住もうと税金は無用の用だろう」を英語にすると「Tax is the usefulness of the useless wherever you live」となります。

「無の用」の意味

「無の用」とは

「無の用」とは、「無用の用」の間違った使われ方です。

「無の用」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「無用の用」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「無の用」と間違えやすい理由

「無の用」と「無用の用」を間違えてしまう理由としては、発音や漢字の成り立ちが似ていることが原因です。

正しい言葉である「無用の用」とは、役に立たないことを意味する「無用」に、必要に応える働きのあることを意味する「用」が合わさり、一見無用とされているものが実は大切な役割を果たしていることを意味しています。

したがって、「無の用」としてしまうと、何も存在しないが役に立つことという意味の分からない言葉になってしまうと覚えておきましょう。

間違った言葉である「無の用」の「無」を使った別の言葉としては、利益のないことを意味する「無益」、効力を持たないことを意味する「無効」、体力や勢力などのないことを意味する「無力」、悔しいことを意味する「無念」などがあります。

「無用の用」の意味

「無用の用」とは

「無用の用」とは、一見無用とされているものが実は大切な役割を果たしていることを意味しています。

「無用の用」の使い方

「無用の用」を使った分かりやすい例としては、「今やってる仕事が無用の用ということもある」「捨てずに保管していた書類は無用の用でした」「ただ席に座っているだけの課長と言えど無用の用である」「いらないものしか見えないが無用の用の可能性もある」などがあります。

「無用の用」とは、役に立たないことを意味する「無用」に、必要に応える働きのあることを意味する「用」が合わさり、一見無用とされているものが実は大切な役割を果たしていることを意味しています。

つまり、この世の中には無用で無価値なものなど存在しないことを指している言葉です。

「無用の用」はビジネスシーンでも使うことができる言葉ですが、物事ではなく人に対して使うと失礼に当たることもあるので注意が必要です。

例えば上記の「捨てずに保管していた書類は無用の用でした」とすると、要らないと思っていた書類は実は必要だったという意味になり使っても問題ない表現です。

一方、「何もせず席に座っている部長は無用の用だ」とすると、部長は役に立たないように見えるが実は役に立っているという意味になり、部長に対してとても失礼な言い回しになります。

「無用の用」の由来

「無用の用」の由来は中国の思想家である荘子が書いた『人間世』です。この『人間世』の中に「人皆知有用之用、而莫知無用之用也」という一文があります。

これを日本語に訳すと「人は皆、役に立つものが役立つことは知っているが、役に立たないものが役立つことを知らない」となり、これが転じて、一見無用とされているものが実は大切な役割を果たしていることを「無用の用」と言うようになりました。

「無用の用」の類語

「無用の用」の類語・類義語としては、極わずかなものでも数多く積もり重なれば高大なものとなることを意味する「塵も積もれば山となる」、一見無用とされているものが実は大切な役割を果たしていることを意味する「不用の用」などがあります。

「無の用」の例文

1.「無の用」という言葉は存在しないので、おそらく「無用の用」の言い間違いだろう。
2.「無用の用」という言葉は一見無用とされているものが実は大切な役割を果たしていることで、「無の用」という言葉はない。
3.「無の用」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.私は無の用を大事にしているという言葉を使う人はいるが、正しくは私は無用の用を大事にしているです。
5.無用の用ということもあるので保管しておいて損はないという言葉はあるが、無の用ということもあるので保管しておいて損はないという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「無用の用」という言葉を間違えて「無の用」と表現している時などが挙げられます。

「無の用」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「無用の用」を間違えて使っている可能性が高いです。

「無の用」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「無の用」ではなく、「無用の用」と表現するのが正しい使い方になります。

「無用の用」の例文

1.無用の用ということもあるので、タオルを常に鞄に入れることにしています。
2.どう見ても要らない書類にしか見えないが、無用の用という可能性もあるだろう。
3.無用の用という言葉があるように、信じて進み続けることも大切です。
4.無用の用をモットーに生きていたら何も捨てることができなくなり、ゴミ屋敷になってしまいました。
5.何も指示を出さないプロジェクトリーダーだが、無用の用とも言えるだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、一見無用とされているものが実は大切な役割を果たしていることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「無用の用」はビジネスシーンでも使うことができる言葉です。

「無の用」と「無用の用」どちらを使うか迷った場合は、「無の用」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「無用の用」を使うようにしましょう。

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