似た意味を持つ「ちなみに」と「ところで」と「そういえば」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ちなみに」と「ところで」と「そういえば」という言葉は、それまでの話題とこれからの話題を繋ぐ言葉という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ちなみに」と「ところで」と「そういえば」の違い
「ちなみに」と「ところで」と「そういえば」の意味の違い
「ちなみに」と「ところで」と「そういえば」の違いを分かりやすく言うと、「ちなみに」は内容の補足をする時に使い、「ところで」は話題の転換をする時に使い、「そういえば」は関連する話題の提示をする時に使うという違いです。
「ちなみに」と「ところで」と「そういえば」の使い方の違い
「ちなみに」という言葉は、「ちなみに私は和食が好きです」「ちなみに、先日お渡しした資料は予備もあります」などの使い方で、その前に話した内容に補足などを付け加える時の接続詞として使います。
「ところで」という言葉は、「ところで先日はお世話になりました」「ところで以前お話していた件で質問よろしいでしょうか」などの使い方で、それまでの話題とは別の話題へ変える時の言葉として使います。
「そういえば」という言葉は、「そういえば正月は帰省するのだろうか」「彼女に言われて思い出したが、そういえば今日一日ご飯を食べていない」などの使い方で、相手の発言を受けて関連する話を持ち出す時の接続詞として使います。
「ちなみに」と「ところで」と「そういえば」の使い分け方
「ちなみに」と「そういえば」は、それまでの話を受けて話題を展開する時に使う接続詞ですが、前者はそれまでの内容の補足をする時に使うのに対して、後者は何の脈絡もない話をする時にも使うことができます。
一方の「ところで」という言葉は、「そういえば」同様、それまでの会話とは関係のない話をする時に使う言葉ですが、「そういえば」という言葉のように前の話に関連する話題について話を進める時には使うことができません。
これが、「ちなみに」、「ところで」、「そういえば」の明確な違いです。
「ちなみに」の意味
「ちなみに」とは
「ちなみに」とは、その前に話した内容に補足などを付け加える時の接続詞を意味しています。
「ちなみに」の漢字表記
「ちなみに」を漢字表記すると「因みに」となり、「因む」(読み方:ちなむ)という言葉が変化したものであることがわかります。「因む」は、ある物事との関係をもとに他の物事が存在することや、つながりを持つことを意味する言葉です。
「ちな」は「ちなみに」の省略語
近年、若者の間ではSNSやその他メッセージツールなどでのやり取りにおいて「ちな」という形に「ちなみに」を省略して使われるようになり、2017年『ギャル流行語大賞』の7位に選出されました。
「ちなみに」の使い方
「ちなみに」を使った表現として、「彼は肉を食べたいと言っていた、ちなみに私も同じ気持ちだ」「私はトマトが嫌いです、ちなみにケチャップであれば食べれます」などがあります。どれも話題を補足するような使い方をします。
「ちなみに」の類語
「ちなみに」の類語・類義語としては、あることをする機会を利用して一緒に何かを言う時に使う「ついでに」、本筋を離れた話を意味する「余談」があります。
「ところで」の意味
「ところで」とは
「ところで」とは、それまでの話題とは別の話題へ変える時の接続詞を意味しています。
「ところで」は接続詞以外にも接続助詞としても使う
「ところで」を接続詞ではなく、「頑張ったところで間に合わない」「仕事を片付けたところでまた仕事が増える」などのように、自身が行動したとしても好ましくない状態になる、もしくはそのままであることを表す接続助詞としても使うことがあります。
近世後期になって「ところで」という言葉に逆説の意味が生まれ、使われるようになったことで、それはそれとしてを表す接続詞の「ところで」の意味で使われるようにもなりました。
「ところで」のビジネスメールでの使い方
英語を使ってコミュニケーションを取る人たちの間では、「ところで」を意味する「By the way」の頭文字を取って「BTW」という略語をメールなどで使っています。そのため、海外の人たちとの間でビジネスメールを送り合う際にも使われることがあります。
「ところで」の類語
「ところで」の類語・類義語としては、今話している内容よりも重要であることを話す時に使う「それより」、話題を変える時に使う「それはそうと」があります。
「そういえば」の意味
「そういえば」とは
「そういえば」とは、相手の発言を受けて関連する話を持ち出す時の言葉を意味しています。
「そういえば」の漢字表記
「そういえば」は漢字で「そう言えば」や「そう云えば」といった表記がなされることもありますが、意味は全く変わりません。
「そういえばね」「そういえばさ」は会話文で使われる
「そういえば」を使った表現として、「そういえばね」「そういえばさ」などの会話文における呼びかけであったり、「そういや」「そうそう」などの呼びかけに形を変えた表現があります。
また、「そういえば」という言葉のみで相手に返事をした場合、「そういえばそんなこともあった」や「そういえばそうだった」など思い出したように相手の言葉を肯定するような意味にもなります。
「そういえば」の類語
「そういえば」の類語・類義語としては、新しい話題に入る時に使う「時に」があります。
「ちなみに」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、その前に話した内容に補足などを付け加える時などが挙げられます。
会話文で多く使われる言葉ではあるものの、目上の人にも使うことができる接続詞です。「ちなみに言えば」や「ちなみに申し上げますと」などの言い方がなされることもあります。
「ところで」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、それまでの話題とは別の話題へ変える時などが挙げられます。
どの例文の「ところで」という言葉も、「そういえば」に置き換えて使うことができます。
「そういえば」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の発言を受けて関連する話を持ち出す時などが挙げられます。
例文1は大型連休を受けた文章であるため、「ところで」という言葉に置き換えて使うことはできませんが、例文2と例文3は置き換えて使うことができます。
「ちなみに」と「ところで」と「そういえば」どれを使うか迷った場合は、内容の補足をする場合は「ちなみに」を、話題の転換をする場合は「ところで」を、関連する話題の提示をする場合は「そういえば」を使うと覚えておけば間違いありません。