似た意味を持つ「月とすっぽん」(読み方:つきとすっぽん)と「提灯に釣鐘」(読み方:ちょうちんにつりがね)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「月とすっぽん」と「提灯に釣鐘」という言葉は、どちらも二つのものが釣り合わないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「月とすっぽん」と「提灯に釣鐘」の違い
「月とすっぽん」と「提灯に釣鐘」の意味の違い
「月とすっぽん」と「提灯に釣鐘」の違いを分かりやすく言うと、「月とすっぽん」は優劣をつけるというニュアンスがある、「提灯に釣鐘」は優劣をつけるというニュアンスがないという違いです。
「月とすっぽん」と「提灯に釣鐘」の使い方の違い
一つ目の「月とすっぽん」を使った分かりやすい例としては、「新しいパソコンを購入したが今まで使用していたものとは月とすっぽんです」「同じお肉でも値段によって味は月とすっぽんだ」「彼らは月とすっぽんほど違います」などがあります。
二つ目の「提灯に釣鐘」を使った分かりやすい例としては、「提灯に釣鐘と言われようとこの恋は諦めたくありません」「今回の競合企業とは提灯に釣鐘なので大人しく手を引こうと思う」などがあります。
「月とすっぽん」と「提灯に釣鐘」の使い分け方
「月とすっぽん」と「提灯に釣鐘」はどちらも二つのものが釣り合わないことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「月とすっぽん」は二つのものが釣り合わないだけではなく、どちらが良いという優劣をつけるというニュアンスがあります。月が優れたものを表し、すっぽんが劣っているものを表しています。
一方、「提灯に釣鐘」はただ単純に二つのものが釣り合ってないことを意味しており、どちらが良いという優劣もありません。
これが「月とすっぽん」と「提灯に釣鐘」の違いになります。
「月とすっぽん」と「提灯に釣鐘」の英語表記の違い
「月とすっぽん」を英語にすると「are as different as day and night」となり、例えば上記の「彼らは月とすっぽんほど違います」を英語にすると「They are as different as day and night」となります。
一方、「提灯に釣鐘」を直訳した英語表現はないのですが、近い表現として「It is an unequal match」「a lop-sided match」などがあります。
「月とすっぽん」の意味
「月とすっぽん」とは
「月とすっぽん」とは、比較にならないほど二つのものに違いがあることを意味しています。
「月とすっぽん」の漢字表記
「月とすっぽん」を漢字にすると、「月と鼈」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「月とすっぽん」を使うようにしましょう。
「月とすっぽん」の使い方
「月とすっぽん」を使った分かりやすい例としては、「両者は月とすっぽんほど違います」「彼は双子の兄弟なのに学力に関しては月とすっぽんである」「スマホの新機種を使ってみたが今までのものとは月とすっぽんだ」などがあります。
「月とすっぽん」とは、比較にならないほど二つのものに違いがあることを意味することわざです。ことわざとは、古くから言い伝えられてきた教訓または風刺の意味を含んだ短い言葉のことを意味しています。
「月とすっぽん」の由来
「月」とは地球の衛星のことでとてつもない大きさをしています。一方、「すっぽん」はアジアに分布しているカメの一種です。どちらも丸い形をしており似ているものの実際にはとてもつもなく大きな差があります。
これが転じて、比較にならないほど二つのものに違いがあることを「月とすっぽん」と言うようになりました。
また、「月とすっぽん」は優劣をつけるというニュアンスで使うのが特徴です。「月」が優れているものを表現し、「すっぽん」が劣っているものを表現していると覚えておきましょう。
「月とすっぽん」の類語
「月とすっぽん」の類語・類義語としては、とても差があることを意味する「雲泥の差」、非常に大きな違いがあることを意味する「天と地ほどの差」などがあります。
「提灯に釣鐘」の意味
「提灯に釣鐘」とは
「提灯に釣鐘」とは、釣り合いが取れないことを意味しています。
「提灯に釣鐘」は「提灯に釣り鐘」とも表記可能
「提灯に釣鐘」は、別表記として「提灯に釣り鐘」とすることも可能です。
「提灯に釣鐘」の使い方
「提灯に釣鐘」を使った分かりやすい例としては、「大物女優と新人俳優を共演させるのは提灯に釣鐘です」「彼女は大企業のお嬢様なので定食屋の一人息子の僕とは提灯に釣鐘だ」「新しく買った靴は今までの服装に合わず提灯に釣鐘です」などがあります。
「提灯に釣鐘」は釣り合いが取れないことを意味することわざです。あまり耳にする機会がない言葉なので、馴染みがない人も多いでしょう。
「提灯に釣鐘」の由来
「提灯」とは足元を照らすために持ち歩いたり標識として備えつけたりするもののことで、「釣鐘」とは寺院の鐘楼などにつるしてある大きな鐘ことを意味しています。どちらも何かに吊るすものであったり形状は似ているが、大きさや用途は全く異なっています。
これが転じて、釣り合いが取れないことを「提灯に釣鐘」と言うようになりました。ただし、どちらかに優劣をつけるというニュアンスは全くなく、中身が違いすぎて比べることができないというニュアンスで使うと覚えておきましょう。
また、昔の時代では、男女の家柄や身分の違いを理由に縁談を断る際によく使われていた表現だそうです。
「提灯に釣鐘」の類語
「提灯に釣鐘」の類語・類義語としては、物事の正反対であることを意味する「雪と墨」があります。
「月とすっぽん」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、比較にならないほど二つのものに違いがあることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「月とすっぽん」は優劣があるというニュアンスで使う言葉です。
「提灯に釣鐘」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、釣り合いが取れないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「提灯に釣鐘」は比較対象にならないというニュアンスで使う言葉です。
「月とすっぽん」と「提灯に釣鐘」はどちらも二つのものが釣り合わないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、優劣をつけるというニュアンスがあるのが「月とすっぽん」、優劣をつけるというニュアンスがないのが「提灯に釣鐘」と覚えておきましょう。