【転じる】と【転ずる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文
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似た意味を持つ「転じる」(読み方:てんじる)と「転ずる」(読み方:てんずる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「転じる」と「転ずる」という言葉は、どちらも変化することを意味するという共通点があり、使う場面は少し違いますが混同して使われる傾向があります。



転じると転ずるの違い

転じると転ずるの意味の違い

転じると転ずるの違いを分かりやすく言うと、辞書に載っている現代風の読み方か、古い読み方かの違いです。「転じる」と「転ずる」は、どちらも同じ意味を持つ言葉で、現代では「転じる」の方を一般的な読み方として使用しています。

転じると転ずるの使い方の違い

一つ目の転じるを使った分かりやすい例としては、「株価が上昇に転じた」「今年は出生率が減少に転じる見込みだ」「過去5年の留学生の数が増加に転じた」「我が家の貯金がマイナスに転じた」などがあります。

二つ目の転ずるを使った分かりやすい例としては、「日本経済はインフレに転ずることになる」「業績が悪化へ転ずる結果となった」「そろそろ攻勢に転ずる時期だ」などがあります。

転じると転ずるの2つが存在する理由

なぜ、転「じる」と転「ずる」という二種類の語尾が存在するのか。これは、日本語の口語文法と文語文法の決まりによる違いがあるからです。口語文法とは、しゃべり言葉のことで、文語文法とは、文章で書く際の言葉という意味です。

これらの日本語文法には「活用法」という考え方があります。活用法とは、文章の流れによって単語の語尾を違和転のないように変えることを意味します。

まさしく「転じる」「転ずる」のように、最初の言葉は同じであっても語尾が違う言葉が存在するのは、活用法によって文脈に合うかたちで語尾が変えられているからです。

転じる、転ずるという言葉は「サ行変格活用」という活用法によって、語尾を変えています。サ行変格活用では、文章の流れによって語尾をサ行の言葉である「さしすせそ」を元にして変えていきます。

「転じる」「転ずる」という言葉の場合、「転」という先頭の言葉はそのままに、語尾を「未然形:じ」「連用形:じ」「終止形:じる・ずる」「連体形:じる・ずる」「仮定形:じれ・ずれ」「転令形:じろ・じよ・ぜよ」という風に変化させます。

語尾の変化の形である未然形や連用形などの名称は、その言葉がどのような文脈で使われているかの形のことを指しています。例えば「未然形」というのは「まだそうなってはいない」という意味を持ち、否定形と一緒に使われます。

つまり、転じるの未然形の表現は「転じない」となります。変化しない先頭の「転」に未然形の「じ」をつけて、最後に否定形の「ない」を付けた形です。

このように、日本語には、様々な文法上の決まりがあります。「転じる」「転ずる」というのは、両方ともこの文法で言うところの「終止形」です。

終止形というのは、言い切りの形という意味があります。文章ではなく、ひとつの単語として使う際には終止形を使います。

転じると転ずるの使い分け方

「転」の終止形には「じる」と「ずる」の二種類があります。これが「転じる」と「転ずる」の違いです。二種類の語尾がある場合、どちらを使っても間違いではありませんが、どちらか一方が、一般的に使われているものであることがほとんどです。

「転」の場合、辞書に記載されているのは「転じる」という言葉です。こちらが、現代では一般的に使用されている言葉であり、「転ずる」というのは古い言い方になります。

しかし、意味に違いはありませんし、どちらも文法的には使えるものですので、個々人の好みや文章の前後の文脈などを考えて、自由に使い分けが出来るものであると言えます。

転じるの意味

転じるとは

転じるとは、変化することを意味しています。

表現方法は「減少に転じる」「増加に転じる」「身を転じる」

「減少に転じる」「増加に転じる」「身を転じる」などが、転じるを使った一般的な言い回しです。

転じるの使い方

転じるを使った分かりやすい例としては、「NY株がマイナスに転じた」「守りから攻めに転じる時間帯」「ドル円の為替が下落に転じる」「日本の人口は今後減少に転じる」「上告し争う姿勢に転じる」などがあります。

転じるの類語

転じるの類語・類義語としては、変化することを意味するを意味する「変じる」「変わる」、十分な頃合いに達することを意味する「熟成する」、伸び広がることを意味する「発展する」、幅が大きくなることを意味する「広がる」があります。

転じるの転の字を使った別の言葉としては、他に責任を押し付けることを意味する「転嫁」、別のものに変えるを意味する「転換」、他に書き写すことを意味する「転記」、位置が変わることを意味する「転移」、違う場所で働くことを意味する「転勤」などがあります。

「禍を転じて福と為す」の意味

また、この言葉が使われている四字熟語には「禍を転じて福と為す」(わざわいをてんじてふくとなす)があり、この「禍を転じて福と為す」は災いが降り注いでもそれを逆に利用すれば良いことがあるという意味を持っています。

この四字熟語を使う際は、わざわいの漢字が「災い」ではなく「禍」と間違えやすいので注意しましょう。

転ずるの意味

転ずるとは

転ずるとは、転じるという言葉の少し古い言い方を意味しています。転ずるというのは「転ず」という言葉のサ行変格活用の終止形です。

表現方法は「マイナスに転ずる」「プラスに転ずる」「悪化に転ずる」

「マイナスに転ずる」「プラスに転ずる」「悪化に転ずる」などが、転ずるを使った一般的な言い回しです。

転ずるの使い方

転ずるを使った分かりやすい例としては、「銀行金利がマイナスに転ずる」「消費者心理が悪化に転ずる」「輸出強化に転ずる制作を打ち出した」などがあります。

転ずるは辞書に載っていない

意味としては、転じると全く同じものであり、文章の前後の文脈などによって使い分けることが出来るものです。辞書には「転じる」は載っていても、「転ずる」という言葉は載っていないことが多く、転ずるは現代語よりも少し古い表現です。

しかし、意味は同じであるので、「転じる」「転ずる」のどちらを使っても間違いではありません。古風な雰囲気を出したい時などには、あえて「転ずる」という言葉を使うのも良いでしょう。

他にも、例えば「転ず」という言葉の転令形を考えてみると、現代風の言い方であれば「転じろ」となりますが、古風な言い回しになると「転じよ」または「転ぜよ」となります。

この「転じよ」「転ぜよ」と同じ雰囲気を持つのが「転ずる」であると考えると、わかりやすいでしょう。

転じるの例文

1.不景気が終わり、当社の業績が3年ぶりに前年比プラスに転じる見込みとなった。
2.日経平均が一時上昇に転じる時間帯があったが、結局後場でマイナスに転じる結果となった。
3.「災い転じて福となす」という言葉があるように、みんなでこのピンチを乗り越えて逆にチャンスに変えよう。

この言葉がよく使われる場面としては、変化することを表現で表したい時などが挙げられます。

「転じる」が主に使われる場面には特徴があり、例文1のように業績に対するもの、例文2のように株価に対するものの2つのシーンです。

そのため、仕事や相場の話をしない日常生活ではあまりこの言葉を使う場面はないと言えます。

転ずるの例文

1.我が国の出生率がここ10年プラスに転ずることがなくなったので、国として具体的な少子化対策に打って出るべきだ。
2.私はいつかプラスに転ずることを信じてここ3年持ち株を塩漬けとしているが、そろそろメンタルが限界である。
3.為替が大きな円高に転ずることになったのを見て、現在の世界情勢の中で日本円は信用されていると確信している。

この言葉がよく使われる場面としては、転じるという言葉を少し古風な表現で表したい時などが挙げられます。

上記の例文を見れば分かる通り、「転ずる」を「転じる」に置き換えても文章としての問題は全くありません。

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