似た意味を持つ「燦々」(読み方:さんさん)と「煌々」(読み方:こうこう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「燦々」と「煌々」という言葉は、どちらも「光り輝くさま」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
燦々と煌々の違い
燦々と煌々の意味の違い
燦々と煌々の違いを分かりやすく言うと、燦々とは太陽が光り輝くさまを表す時に使われ、煌々とは月が光り輝くさまを表す時に使われるという違いです。
燦々と煌々の使い方の違い
一つ目の燦々を使った分かりやすい例としては、「燦々と輝く太陽が気持ちいい」「窓から日差しが燦々と降りそそいでいる」「燦々たる陽光を浴びながら昼寝をする」「彼女は燦々と輝く太陽のような存在です」などがあります。
二つ目の煌々を使った分かりやすい例としては、「空には煌々と輝く月がありました」「煌々と光る満月が美しい晩でした」「煌々たる月の輝きを思わせる真珠です」「ネオンサインが煌々と光を放っている」などがあります。
燦々と煌々の使い分け方
燦々と煌々という言葉は、どちらも光り輝くさまやキラキラと光る様子を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
燦々とは、光り輝いてあでやかなさまを意味し、おもに太陽が光り輝くさまを表す時に使用されることが多い言葉です。一方の煌々とは、まぶしいほどきらきらと光るさまを意味し、おもに月が光り輝くことを表現する時に使われています。
ただし、それぞれ太陽と月に限定した形容表現ではありません。燦々が月や人工的な光を表したり、煌々が太陽や宝石などを形容することも可能であることを覚えておきましょう。
燦々と煌々の英語表記の違い
燦々も煌々も英語にすると「bright」「brilliant」「radiant」となり、例えば上記の「燦々と輝く」を英語にすると「shine brilliantly」となります。
燦々の意味
燦々とは
燦々とは、太陽などが明るく光り輝くさま、彩りなどの鮮やかで美しいさまを意味しています。
燦々は「燦燦」「粲粲」「粲々」とも表記可能
燦々は「燦燦」「粲粲」「粲々」と書くこともできますが、一般的には「燦々」と表記されています。
燦々の読み方
燦々の読み方は「さんさん」です。燦は訓読みで「あきらか」「きらめく」と読みますが、音読みでは「さん」と読みます。
表現方法は「燦々と照りつける」「燦々と輝く」「燦々とした」
「燦々と照りつける」「燦々と輝く」「燦々とした」などが、燦々を使った一般的な言い回しです。
燦々の使い方
燦々を使った分かりやすい例としては、「大きな窓から燦々と陽が降り注いでいます」「燦々たる太陽がまぶしくて前が見えにくい」「お日様の燦々たるや、爽快だな」「燦々した真夏の青空をキャンバスに描く」などがあります。
その他にも、「燦々たる太陽の下でスポーツを楽しもう」「燦々と光り輝く太陽を想起させる宝石だ」「部屋には燦々とした明かりが灯っていた」「苗木は燦々たる日光を浴びてどんどん大きくなりました」などがあります。
燦々とは、光り輝いてあでやかなさま、まばゆくきらびやかな様子を意味する言葉です。おもに太陽の光が輝くことを表し、「燦々たる太陽」「日差しが燦々と降りそそぐ」のように使われます。また、宝石や電灯が明るく光るさまを表すこともあります。
燦々の語源
燦々という言葉の語源は明らかになっていませんが、一説には古代エジプトの象形文字に由来するとも言われています。「燦」は、真っ赤に燃え上がる太陽を形容する言葉の当て字になったと推測されています。
「雨燦々」は誤り
燦々を用いた誤った使い方には「雨燦々」があります。正しくは「雨潸々」(読み方:あめさんさん)であり、雨の降るさまを意味します。ただし、ドラマ「オールドルーキー」で使われたKingGnuの曲のタイトルは「雨燦々」となっており、あえて燦々の意味を含ませて表現することもあります。
燦々の対義語
燦々の対義語・反対語としては、薄暗くはっきりしないさまを意味する「暗澹」、ほの暗くはっきりしないでわかりにくいさまを意味する「冥冥」などがあります。
燦々の類語
燦々の類語・類義語としては、光り輝くさまや華やかで美しいさまを意味する「燦爛」、きらきらと光り輝くさまやはっきりしているさまを意味する「燦然」、目などが鋭く光るさまを意味する「炯炯」などがあります。
煌々の意味
煌々とは
煌々とは、きらきらと輝くさま、明るく照るさまを意味しています。
煌々は「煌煌」「晃晃」「晃々」とも表記可能
煌々は「煌煌」「晃晃」「晃々」とも書きますが、一般的には「煌々」と書き表します。
煌々の読み方
煌々の読み方は「こうこう」です。「煌々しい」と送り仮名が付く場合は、「きらきらしい」と読むことに注意しましょう。
表現方法は「煌々とした」「煌々と照る」「煌々と輝く」
「煌々とした」「煌々と照る」「煌々と輝く」などが、煌々を使った一般的な言い回しです。
煌々の使い方
煌々を使った分かりやすい例としては、「煌々と照る月をじっと見上げる」「煌々たる月の光が道を照らし出す」「煌々と輝く月明かりに照らされる」「煌々と照らす太陽の下を飛行機が横切る」などがあります。
その他にも、「冬の夜空に煌々と輝く大きな星を見つけました」「昔はホタルが煌々と光る風景がありました」「窓から電気の明かりが煌々と漏れてる」「繁華街には原色のネオンが煌々と輝く」などがあります。
煌々とは、まぶしいほどきらきらと光る様子を意味する言葉です。「煌」という漢字は、訓読みで「かがやく」「きらめく」と読み、まばゆいほど光を放つことや、きらきら光り輝くことを表します。煌々は、同じ漢字を連ねることで「光り輝くこと」という意味を強調しています。
煌々は、おもに月が光り輝くことを表しますが、星や太陽あるいはネオンなどの人工的な光が強く輝くことに用いられることがあります。
「煌々とした表情」は誤り
煌々を用いた誤った使い方には「煌々とした表情」があります。正しくは「恍惚とした表情」であり、心を奪われてうっとりする表情や意識がはっきりしない表情を意味します。
煌々の対義語
煌々の対義語・反対語としては、ぼんやりとかすんでいるさまを意味する「朧」(読み方:おぼろ)、暗くはっきりしないさまを意味する「杳杳」(読み方:ようよう)などがあります。
煌々の類語
煌々の類語・類義語としては、赤赤と照り輝くさまを意味する「赫赫」、光り輝くさまや鋭く光るさまを意味する「爛爛」、玉のように輝くさまや透き通るように美しいさまを意味する「玲瓏」、白く光り輝くさまや清らかなさまを意味する「皓皓」などがあります。
燦々の例文
この言葉がよく使われる場面としては、太陽などが光り輝く様子、鮮やかで美しいさまを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、燦々とは、太陽が光り輝く様子を表す際に使用されることが多い言葉です。別表記の「粲々」に置き換えることもできます。
煌々の例文
この言葉がよく使われる場面としては、光り輝くさま、きらきら光るさまを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、燦々という言葉は、月が光り輝く様子を表す際に用いられることが多くあります。また、例文4や例文5のように、電灯などが光るさまに使用することができます。
燦々と煌々という言葉は、どちらも「光り輝くさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、太陽が光り輝く様子を表現したい時は「燦々」を、月が光り輝く様子を表現したい時は「煌々」を使うようにしましょう。