【ブーイング】と【バッシング】と【野次】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ブーイング」と「バッシング」と「野次」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ブーイング」と「バッシング」と「野次」という言葉は、相手を非難することという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




ブーイングとバッシングと野次の違い

ブーイングとバッシングと野次の意味の違い

ブーイングとバッシングと野次の違いを分かりやすく言うと、ブーイングは不満を表現する時に使い、バッシングは誹謗中傷を表現する時に使い、野次は不満を言葉で表現する時に使うという違いです。

ブーイングとバッシングと野次の使い方の違い

ブーイングという言葉は、「会場内はブーイングの嵐だ」「父に旅行は中止せざるを得ないと言われてブーイングしてしまった」などの使い方で、聴衆や観衆が不満や非難を表すことやその声を意味します。

バッシングという言葉は、「とある女優に対するバッシングを友人が見て怒っていた」「バッシングを受けて記事が取り下げられた」などの使い方で、打ちのめすことや手厳しく非難することを意味します。

野次という言葉は、「いい大人なのだから野次を飛ばすのは控えてほしい」「野次馬がぞろぞろと集まってきた」などの使い方で、他人の言動に大声で非難や冷やかしの言葉を浴びせることを意味します。

ブーイングとバッシングと野次の使い分け方

ブーイングと野次はどちらも、観客らが、舞台の演者、スポーツや試合などの選手に対して不満や怒りを表すために行われる行為ですが、前者は「ブー」と唸ることを指し、後者は言葉で演者らを非難することを指します。

一方、バッシングは非難や怒りなどではなく、対象が誹謗中傷を受けた時に使われることが多い言葉で、ブーイングや野次よりも攻撃性が高いものを指します。

これが、ブーイング、バッシング、野次の明確な違いです。

ブーイングの意味

ブーイングとは

ブーイングとは、聴衆や観衆が不満や非難を表すことやその声を意味しています。

表現方法は「ブーイングが起こる」「ブーイングを受ける」「ブーイングが飛ぶ」

「ブーイングが起こる」「ブーイングを受ける」などが、ブーイングを使った一般的な言い回しです。

ブーイングの英語表記

英語では、観衆が不満を表す声を表すスラングは「boo」のみで表されます。この動詞を名詞化したものが「booing」であり、日本でも使われているブーイングとなります。

スポーツにおいては「ブー」と唸るだけではなく、親指を立てて逆さにすることや、指笛を鳴らすこともヨーロッパではブーイングに当たります。

ブーイングの対義語

ブーイングの対義語・反対語としては、演奏会などで観客が立ち上がって拍手を送ることを意味する「スタンディングオベーション」があります。

ブーイングの類語

ブーイングの類語・類義語としては、欠点をついてあれこれと非難することを意味する「間然」、相手の誤りや欠点などを論じて非難することを意味する「論難」、非難して排斥することを意味する「指弾」(読み方:しだん)などがあります。

バッシングの意味

バッシングとは

バッシングとは、打ちのめすことや手厳しく非難することを意味しています。

ただし、飲食店でバッシングという言葉が使われる時は、客が退店した後にその客が使っていたテーブルの上を片付ける作業を指す言葉となり、意味が大きく異なります。

バッシングの語源

相手を非難する意味を持つバッシングは叩くことを意味する「bush」を変化させた外来語です。飲食店でのバッシングは乗り物の「bus」が語源となっているため、由来の点も異なります。

「ジャパンバッシング」の意味

バッシングを使った言葉として、「ジャパンバッシング」があります。これは欧米諸国が日本に対して経済的、政治的な攻撃を不当に行うことを意味する言葉です。「日本いじめ」「日本叩き」とも言われていました。

表現方法は「バッシングを受ける」「バッシングを浴びる」

「バッシングを受ける」「バッシングを浴びる」などが、バッシングを使った一般的な言い回しです。

バッシングの類語

バッシングの類語・類義語としては、手厳しく批評することを意味する「酷評」、罪や責任を問いただし非難することを意味する「糾弾」、失言に対して日なんや中傷の投稿が多数届くことを意味する「炎上」などがあります。

野次の意味

野次とは

野次とは、他人の言動に大声で非難や冷やかしの言葉を浴びせることを意味しています。

表現方法は「野次を飛ばす」「野次が飛ぶ」

「野次を飛ばす」「野次が飛ぶ」などが、野次を使った一般的な言い回しです。

野次の読み方

野次は「やじ」という読み方をし、「弥次」という表記がなされることもあります。また、「野次る」という動詞表現もすることができます。

「野次馬」の意味

野次を使った言葉として、「野次馬」があります。これは、自分の関係のないことであるにも関わらず、興味本位で騒ぎ立てて見物することを意味する言葉です。元は「親父馬」という言葉が変化し「やじうま」と読まれるようになったという説があります。

「野次馬根性」の意味

また、野次馬行為を行うような性質を「野次馬根性」と言い、他人の出来事を無責任に騒ぎ立てるような人に対して使われるようになりました。野次馬も野次馬根性もマイナスのイメージを与え、行為者を蔑むような言葉として使われています。

野次の類語

野次の類語・類義語としては、罵って騒ぐ声を意味する「罵声」(読み方:ばせい)があります。

ブーイングの例文

1.試合を一時的に中断することを発表した時会場内がブーイングでどっと沸いたものの、中断の決定が覆ることはなかった。
2.相手の選手が反則行為を行ったため、大ブーイングが起き、異様な空気に包まれることとなった。
3.女性だからというだけでブーイングが起きるような時代もあったが、現在はその風潮も失われてきた。
4.相手チームからブーイングされる選手というのは、その相手から怖がられている、一目置かれているからこそで、一流選手の証でもあるんです。
5.ライバルチームに移籍したあとの初戦では、ブーイングの洗礼を浴びるのが通例です。
6.遠征試合の時なんかのアウェイのブーイングは、自分たちへのエールだと受け止めるようにしている。
7.仕事のせいで旅行の計画を中止にせざるを得ないことを話すと、子供たちからはブーイングの嵐だった。
8.新しい店長に変わってからは方針が180度変わってしまったので従業員は皆大ブーイングであった。

この言葉がよく使われる場面としては、聴衆や観衆が不満や非難を表すことやその声を意味する時などが挙げられます。

ブーイングという言葉は基本的に言葉で不満を表すものではないため、野次という言葉に置き換えて使うこともできますが、言葉を使うか使わないかという点が大きく異なります。

バッシングの例文

1.今日では手軽に動画配信ができるようになり、SNSサービスも使用者が増えてきたことから軽率な発言をするとバッシングを受けることになる。
2.様々な報道を受けて国民からバッシングを浴びることとなった俳優の姿を、しばらくテレビで見ることはなかった。
3.特定の集団に対するバッシングを行う人たちが増えているが、相手のことも知らないのに批判できることに驚いてしまう。
4.不用意な発言であれだけのバッシングを受けたのに、性懲りもなくまたですか。彼は一体どんな神経をしているのでしょう。
5.バブルの頃は、国内外の不動産や美術品を買い漁る日本企業に対して、ジャパンバッシングのようなものが起きたこともありました。
6.日本が経済大国化するにつれてアメリカ国内でジャパンバッシングが起こったりしたが、今ではそれすら懐かしく思えるほど日本は停滞している。
7.評論家は世間のバッシングを受けてもなんのそので、さらには世間の幼稚な反応を苦言を呈したほどだ。
8.あの時はマスコミからバッシングの嵐だったが、それを乗り越えたことで、またひとつ成長できたと思っている。

この言葉がよく使われる場面としては、打ちのめすことや手厳しく非難することを意味する時などが挙げられます。

バッシングという言葉には攻撃性が意味として含まれているため、ブーイングや野次に置き換えて使うことができません。

野次の例文

1.代替案も出さないのに解決策に野次だけ飛ばす人の一体何を信じればいいのだろうか。
2.住宅街で事件が起きるのが珍しいのか、野次馬が多く集まってきたが、警察官によって散らされていた。
3.野次がいくら飛んできてもそれを何事もないかのように諫める先生に、生徒もそろそろ何も言わなくなった。
4.ゴール裏のサポーターは、わざと聞こえるように相手チームのゴールキーパーを野次るのが常だ。聞こえても平静を保たなければいけないゴールキーパーのメンタルの強さたるや。
5.野次は大抵ひどいものが多いが、スタジアムで聞いているとおもしろくてつい笑ってしまうものもあり、そういう意味でも生観戦はやめられない。
6.国会はひどい野次ばかり飛んでいますが、中には子供の教育にはよくないと思ってテレビを見せない親もいるそうですよ。
7.世の中の大半の人は野次馬根性みたいな人ばかりで、自分が矢面に立って何かをやるということには縁がない。
8.食品偽装事件の記者会見ではマスコミ関係者による怒号や野次が飛んでいる状態で会見にならなかった。

この言葉がよく使われる場面としては、他人の言動に大声で非難や冷やかしの言葉を浴びせることを意味する時などが挙げられます。

例文1の「野次を飛ばす」は、「野次る」という言葉と同じ意味を持ち、同じように使われます。

ブーイングとバッシングと野次どれを使うか迷った場合は、不満を表す場合は「ブーイング」を、誹謗中傷を表す場合は「バッシング」を、不満を言葉で表す場合は「野次」を使うと覚えておけば間違いありません。

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