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【跡目】と【家督】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「跡目」(読み方:あとめ)と「家督」(読み方:かとく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「跡目」と「家督」という言葉は、どちらも「家を相続すること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




跡目と家督の違い

跡目と家督の意味の違い

跡目と家督の違いを分かりやすく言うと、跡目とは家だけでなく組織や事業を相続することも表し、家督とは家を相続することのみを表すという違いです。

跡目と家督の使い方の違い

一つ目の跡目を使った分かりやすい例としては、「あの家は跡目相続で揉めているらしい」「家業の跡目は誰が適任だろうか」「最大派閥の跡目争いに注目が集まる」「事務所内の跡目争いは決着したようだ」などがあります。

二つ目の家督を使った分かりやすい例としては、「兄は家督を相続するつもりがないようだ」「家督相続をすると古い戸籍は除籍されます」「家督相続とは昔の相続制度です」「長男が当主として家督を継ぐ」などがあります。

跡目と家督の使い分け方

跡目と家督という言葉は、どちらも家の財産や地位などを受け継ぐことを表します。この意味で使われている上記の「あの家は跡目相続で揉めている」「兄は家督を相続する」の跡目と家督は、互いに置き換えて使うことができます。

さらに跡目という言葉は、家を相続することだけでなく、事業や組織を受け継ぐことも意味します。この意味は家督という言葉にはないため、「最大派閥の跡目争い」「事務所内の跡目争い」の跡目は、家督に置き換えることはできません。

家督は、文字通り「家」に特化した表現であり、主に旧民法で定めた家長の身分に付随する権利や義務を表す言葉です。二つの言葉を比べると、跡目という言葉は家督よりも多くの意味を持ち、幅広く使える言葉だと言えるでしょう。

跡目と家督の英語表記の違い

跡目を英語にすると「successor」「family property」「replacement」となり、例えば上記の「跡目相続」を英語にすると「succession to a house」となります。

一方、家督を英語にすると「patrimony」「heir」「family fortune」となり、例えば上記の「家督を相続する」を英語にすると「inherit the family property」となります。

跡目の意味

跡目とは

跡目とは、家長としての身分、家督を意味しています。

その他にも、「家督を継ぐこと、その人」「先代の地位を継ぐこと、その地位、その地位を継ぐ人」の意味も持っています。

跡目の読み方

跡目の読み方は「あとめ」です。誤って「せきもく」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「跡目争い」「跡目を継ぐ」「跡目人」

「跡目争い」「跡目を継ぐ」「跡目人」などが、跡目を使った一般的な言い回しです。

跡目の使い方

「兄が跡目を継ぐことなるだろう」「家の跡目争いが起きる」「跡目奪還のために陰で働きかける」「嫡子だけによる跡目相続が定められていた」「妊活の末に跡目ができました」などの文中で使われている跡目は、「家長としての身分」の意味で使われています。

一方、「長男を跡目に立てる」「跡目は男でなければならないのか」の文中で使われている跡目は「家督を継ぐこと」の意味で、「将軍家の跡目争いは国を揺るがした」「跡目相続が問題になっている」の文中で使われている跡目は「先代の地位を継ぐこと」の意味で使われています。

跡目とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているので文脈により意味を判断する必要があります。跡目という言葉は、古めかしい表現であるため現在ではあまり使われていませんが、由緒ある名家あるいは暴力団の組織で使用されることがあります。

「跡目相続」の意味

跡目を用いた日本語には「跡目相続」があります。跡目相続とは、跡目を受け継ぐことを意味し、中世では先代の財産を相続することを表します。また、近世においては、先代の死後その財産を引き継ぐことを表す言葉です。

跡目の類語

跡目の類語・類義語としては、家督を継ぐことを意味する「跡取り」、家督を引き継ぐことを意味する「跡継ぎ」、事業や地位あるいは財産などを受け継ぐ人を意味する「後継者」などがあります。

家督の意味

家督とは

家督とは、その家を継ぐべき子、嫡子、跡取りを意味しています。

その他にも、「相続すべきその家の財産や事業などの総体」、 「民法旧規定で戸主の身分に備わる権利と義務、戸主の地位」「中世、一門や一族の長」の意味も持っています。

表現方法は「家督を継ぐ」「家督を譲る」「家督争い」

「家督を継ぐ」「家督を譲る」「家督争い」などが、家督を使った一般的な言い回しです。

家督の使い方

「お互いが家督の立場です」「家督として養子を迎えた」の文中で使われている家督は「その家を継ぐべき子」の意味で、「家督相続はいつまで有効ですか」「長男として家督を継ぐ」「妹に全ての家督を譲る」の文中で使われている家督は「相続すべき家の財産などの総体」の意味で使われています。

一方、「家督相続制度は家制度の象徴です」「家督争いを避ける為に寺に預けられた」「家督制度の名残が残っています」の文中で使われている家督は「戸主の身分に備わる権利と義務」の意味で、「家督が一族を取り仕切る」の文中で使われている家督は「一門や一族の長」の意味で使われています。

家督の「督」という漢字は、見張って取り締まることを表します。家督とは、家族を取りまとめる者のことを表し、古くは一族の首長を意味しました。室町時代には家を継いだ者や相続した所領をも意味するようになり、次第に家長や家の財産も指し示すようになった言葉です。

「家督相続」の意味

家督を用いた日本語には「家督相続」があります。家督相続とは、旧民法で、戸主の地位とその財産を単独で相続することを意味します。通常は、戸主の長男がこれを相続しました。いわゆる家族制度の基礎をなすものでしたが、昭和22年の民法改正により、この制度は廃止されました。

「家督を注ぐ」は誤り

家督を用いた誤った表現には「家督を注ぐ」があります。正しくは「家督を継ぐ」であり、その家の財産や戸主の身分を相続することです。

家督の類語

家督の類語・類義語としては、先代の家督や財産を相続することを意味する「後式」、一族や一門の統率者を意味する「棟梁」、先代に代わってそのあとを継ぐ人を意味する「相続人」、家名を継ぐべき人や家の相続人を意味する「総領」などがあります。

跡目の例文

1.ヤクザ組織は敵討ちや跡目争いなどの理由から、血みどろの抗争劇を繰り返してきました。
2.跡目相続でごたごたしないように、事業を誰に承継させたいのか遺言書に明記するつもりです。
3.信玄は、武田家の跡目を継ぐのは息子の勝頼ではなく孫の信勝だ、と宣言したと伝えられています。
4.亡くなった父の跡目を継いだ私は、事業の立て直しに力を注ぐことにしました。
5.弁護士という職業柄、跡目争いによってギクシャクする人間関係を何度も目の当たりにしています。
6.将来は妹に跡目を継いでもらいたいと父は考えているようだが、妹は日本を出たいと言っていて僕も会社経営にはまったく興味がない。
7.あのまま会長がなくなれば、莫大な財産を巡って家の跡目争いが起きるのは必至だろう。
8.私もそろそろ引退を考えなくてはならない歳だから、家業の跡目は誰が適任かということも考えなくてはならない。
9.彼は酒蔵の跡目を父親から継いだ後、多くの改革を実施して、売上を伸ばすることに成功しました。
10.おおよそ彼に跡目を継いでもらう流れにはなっているが、跡目奪還のために誰かが陰で働きかけているだろうから、油断は禁物である。

この言葉がよく使われる場面としては、家督、跡継ぎ、後継者を表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文5にある「跡目争い」とは、後継者の地位をめぐる争いや、家督相続の争いを意味します。例文3や例文4の「跡目を継ぐ」とは、家を相続することや、事業や組織の後継者となることを表します。

家督の例文

1.かつては長男が家を継ぐものという風潮がありましたが、昨今では家督継承の形式が多様化しています。
2.旧民法には、戸主に権限を集中させ、女性より男性を優先する家督相続の制度がありました。
3.戦後に廃止された家督相続は、長男が親の全財産を相続することが原則でした。
4.日本史を紐解くと、家督争いから大きな戦いへと発展することが少なくなかったことが分かるでしょう。
5.現代社会では家督や跡継ぎは自由となった一方で、墓守り不足など新たな問題が起きています。
6.大学の同級生がいずれは私が家督を継ぐことになると思うと言っていて、その古めかしい表現に少し驚いた。
7.夫婦には子供がいなかったため、家督として養子を迎えたそうだが、それが今の曽祖父に当たることを知った。
8.彼の父が亡くなり、家督相続の権利が複雑な法的問題となったので、親族間で軋轢が起きています。
9.現代においても、その地域の寺院においては、家督の伝統が厳格に守られています。
10.その一族は長らく彼が家督を守り続けてきましたが、今後の相続者について親族を集めて協議しています。

この言葉がよく使われる場面としては、跡取りや嫡子、相続すべき家の財産や事業、戸主の地位、中世の棟梁を表現したい時などが挙げられます。

例文4の「家督争い」とは、家の跡を継ぐための争いであり、「跡式争論」「跡式出入」とも言います。特に、江戸時代において大名家の家督争いは「お家騒動」と呼ばれ、比喩的に企業や家族といった組織の家督争いも表現することがあります。

跡目と家督という言葉は、どちらも「家を相続すること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、家だけでなく組織や事業を相続することを表現したい時は「跡目」を、家を相続することのみを表現したい時は「家督」を使うようにしましょう。

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