似た意味を持つ「望ましい」(読み方:のぞましい)と「好ましい」(読み方:このましい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「望ましい」と「好ましい」という言葉は、どちらも好みや望みに適っていることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「望ましい」と「好ましい」の違い
望ましいと好ましいの意味の違い
「望ましい」と「好ましい」の違いを分かりやすく言うと、「望ましい」はそうあってほしいと理想や希望を抱くニュアンスで使う、「好ましい」は好感が持てるというニュアンスで使うという違いです。
望ましいと好ましいの使い方の違い
一つ目の「望ましい」を使った分かりやすい例としては、「週に3回はジムへ行くことが望ましいです」「この状況ならすぐ転地することが望ましいだろう」「節度ある生活は不節制より望ましいに決まっている」などがあります。
二つ目の「好ましい」を使った分かりやすい例としては、「好ましい答えを得ることができませんでした」「彼は学校の成績があまり好ましいものではありませんでした」「彼女は好ましい人柄をしています「彼女は好ましい相棒ではありません」などがあります。
望ましいと好ましいの使い方の違い
「望ましい」と「好ましい」はどちらも好みや望みに適っていることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「望ましい」はそうあってほしいことを意味する言葉で、理想や希望を抱く気持ちを表現した時に使います。ただし、あくまで希望するところであって、必ずそうしなければならないというものではありません。
一方、「好ましい」は感覚的に好きであることを意味する言葉で、好感がもてるやいい感じであるという気持ちを伴う場合に使うというのが違いです。
望ましいと好ましいの使い分け方
「望ましい」を英語にすると「desirable」「advisable」となり、例えば上記の「節度ある生活は不節制より望ましいに決まっている」を英語にすると「A temperate life is obviously preferable to an intemperate life」となります。
一方、「好ましい」を英語にすると「desirable」「favorable」「welcome」となり、例えば上記の「彼女は好ましい相棒ではありません」を英語にすると「she is not a desirable partner」となります。
「望ましい」の意味
望ましいとは
「望ましい」とは、そうあってほしいことを意味しています。
望ましいの使い方
「望ましい」を使った分かりやすい例としては、「忘年会は全員参加が望ましいです」「彼は望ましいサッカー選手像だろう」「出席者はネクタイの着用が望ましいです」「正社員として働くことが望ましいです」「それは望ましいやり方ではありません」などがあります。
「望ましい」はそうあってほしいことを意味する形容詞です。形容詞とは、物事の状態や性質がどのようであるかを表現する際に使う言葉になります。
「望ましい」は理想や希望を抱く気持ちを表現した時に使います。ただし、あくまで希望するところであって、必ずそうしなければならないというものではありません。
「望ましい」は日常生活とビジネスシーンのどちらでも使うことができる言葉です。
望ましいの特徴
「望ましい」はプラスとマイナスどちらのイメージでも使えるというのが特徴です。基本的にはプラスのイメージで使いますが、「彼は望ましい人物ではないので国外退去を命じました」「望ましい風潮ではない」などのような場合はマイナスのイメージで使うこともできます。
望ましいの類語
「望ましい」の類語・類義語としては、理想に適うことを意味する「理想的」、似つかわしいことを意味する「相応しい」、一番適していることを意味する「最適」などがあります。
「好ましい」の意味
好ましいとは
「好ましい」とは、感覚的に好きであることを意味しています。その他にも、そうあるべきであることの意味も持っています。
好ましいの使い方
「彼女は好ましい女性です」「この香りはとても好ましいです」などの文中で使われている「好ましい」は、「感覚的に好きであること」の意味で使われています。
一方、「この場面では柔軟な対応が好ましいです」「データから好ましい傾向になっています」などの文中で使われている「好ましい」は、「そうあるべきであること」の意味で使われています。
「好ましい」は二つの意味を持つ形容詞です。
好ましいの特徴
「好ましい」は大方の好みや望みにかなっている場合に使います。また、好感がもてるやいい感じであるという気持ちを伴う場合にし使用すると覚えておきましょう。
「好ましい」は日常生活とビジネスシーンのどちらでも使うことができる言葉です。また、基本的にはプラスのイメージを伴っています。
好ましいの対義語
「好ましい」の対義語・反対語としては、好感がもてず遠ざけたいことを意味する「疎ましい」、不愉快で嫌であることを意味する「厭わしい」などがあります。
好ましいの類語
「好ましい」の類語・類義語としては、好ましい状態であることを意味する「良好」、 都合よく事が進んで嬉しく思うことを意味する「ありがたい」などがあります。
「望ましい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、そうあってほしいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「望ましい」はプラスとマイナスのどちらのイメージでも使うことができます。
「好ましい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、感覚的に好きであることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、そうあるべきであることを表現したい時にも使います。
例文1から例文4は感覚的に好きであること、例文5はそうあるべきであることの意味で使っています。
「望ましい」と「好ましい」はどちらも好みや望みに適っていることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、そうあってほしいと理想や希望を抱くニュアンスで使うのが「望ましい」、好感が持てるというニュアンスで使うのが「好ましい」と覚えておきましょう。