【落としどころ】と【妥協点】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「落としどころ」(読み方:おとしどころ)と「妥協点」(読み方:だきょうてん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「落としどころ」と「妥協点」という言葉は、どちらも揉め事や話し合いの決着点のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「落としどころ」と「妥協点」の違い

「落としどころ」と「妥協点」の意味の違い

「落としどころ」と「妥協点」の違いを分かりやすく言うと、「落としどころ」よりも「妥協点」の方が我慢しているニュアンスが強いという違いです。

「落としどころ」と「妥協点」の使い方の違い

一つ目の「落としどころ」を使った分かりやすい例としては、「関税交渉の落としどころを探りました」「気持ちの落としどころが見つかりません」「この件の落としどころが見つからず困っています」「私は落としどころを探している」などがあります。

二つ目の「妥協点」を使った分かりやすい例としては、「やっと妥協点を見出すことができました」「お互いが納得できる妥協点を探しています」「ユーザーのニーズに応じて妥協点を見つける必要があると思います」などがあります。

「落としどころ」と「妥協点」の使い分け方

「落としどころ」と「妥協点」はどちらも揉め事や話し合いの決着点のことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「落としどころ」よりも「妥協点」の方が我慢しているニュアンスが強いという点です。

「落としどころ」と「妥協点」の英語表記の違い

「落としどころ」も「妥協点」も英語にすると「compromise」「common ground」「happy medium」となり、例えば上記の「私は落としどころを探している」を英語にすると「I am searching for a point of compromise」となります。

「落としどころ」の意味

「落としどころ」とは

「落としどころ」とは、双方が納得する決着点のことを意味しています。

「落としどころ」の漢字表記

「落としどころ」を漢字にすると、「落とし所」と表記することができます。

表現方法は「落としどころを見つける」「落としどころが分からない」「良い落としどころ」

「落としどころを見つける」「落としどころが分からない」「良い落としどころ」などが、「落としどころ」を使った一般的な言い回しになります。

「落としどころ」の使い方

「落としどころ」を使った分かりやすい例としては、「戦争終結の落としどころを探っています」「現実的な落としどころはこの辺りだろう」「この感情の落としどころが分かりません」「この件の落としどころが見つかりません」などがあります。

「落としどころ」は双方が納得する決着点や揉め事や話し合いの妥協点のことを意味する名詞です。名詞とは自立語で活用がなく、文の主語となることができるものことを意味しています。

「落としどころ」はビジネスシーンにおいてよく使われている表現で、話し合いや交渉などで双方が合意できる条件になった場合に使うと覚えておきましょう。また、双方納得するという点が大事なので、片方しか納得していない場合は「落としどころ」を使うことはできません。

「落としどころ」は、「気持ちの落としどころが見つからない」などのように、自分の気持ちを言い表す場合にも使うことができます。

「落としどころ」の類語

「落としどころ」の類語・類義語としては、二つ以上の案のよいところをとり合わせて一つにまとめた案のことを意味する「折衷案」、譲り合って解決することを意味する「折り合い」などがあります。

「妥協点」の意味

「妥協点」とは

「妥協点」とは、互いに歩み寄って一致できる所のことを意味しています。

表現方法は「妥協点を見つける」「妥協点を探す」「妥協点が低い」

「妥協点を見つける」「妥協点を探す」「妥協点が低い」「妥協点が高い」などが、「妥協点」を使った一般的な言い回しになります。

「妥協点」の使い方

「妥協点」を使った分かりやすい例としては、「人間関係を円滑にするには妥協点を見つける必要があります」「交渉においてお互いの妥協点を見つけることができました」「この件に関してはこの辺が妥協点だろう」などがあります。

「妥協点」は互いに歩み寄って一致できる所のことを意味する名詞です。

「妥協点」は、双方が合意できる条件になった場合に使うというのが特徴です。そのため、片方しか納得していない場合は「妥協点」を使うことはできないと覚えておきましょう。

また、「妥協点」は満足していないが我慢して受け入れるというニュアンスも持っています。

「妥協点」の類語

「妥協点」の類語・類義語としては、自分の意見や主張を押さえて相手の意向に従ったり妥協したりすることを意味する「譲歩」、いくつかの案や意見を突き合わせて調整することを意味する「すり合わせ」などがあります。

「落としどころ」の例文

1.この件に関しての政府の落としどころに、全国民が注目しています。
2.双方とも間違ったことは言ってないので、落としどころをどうするかがとても難しいです。
3.大学受験に失敗して地元の短大へ通うことになったが、気持ちの落としどころが分かりません。
4.双方の意見が食い違っているので、現実的な落としどころを見つける必要があるだろう。
5.金銭面での落としどころが見つからず、移籍交渉は難航しています。
6.出し物の劇ですが親たちも納得するように、主役のお姫様は3人にして交代で台詞を言わせることで落としどころとしました。
7.ネゴシエーションとは、本来勝ち負けではなく、双方にとって1番いい落としどころを探る事だ。
8.交渉の成功の鍵は、双方が受け入れられる「落としどころ」を見つけることであり、どちらか一方が得をすることではない。
9.あれだけ人気を博している推しが突然の引退宣言に、私自身感情の落としどころが分からないでいる。
10.権利関係に関しては双方の言い分はわかったので、あとは良い落としどころが見つかればいいのだがね。

この言葉がよく使われる場面としては、双方が納得する決着点のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「落としどころ」はビジネスシーンでも使うことができる言葉です。

「妥協点」の例文

1.同棲するにあたって彼女と私の意見が合わないので、お互いの妥協点を見つける必要があります。
2.契約延長への妥協点が見出せず、交渉が決裂しました。
3.私たちは数時間話し合った結果、ようやく妥協点を見つけることができました。
4.お互いの妥協点を見つけ出す技術は、交渉においてとても重要だと思います。
5.育児に関しては私の意見を、家事については彼の意見を優先することで、お互いの妥協点を見つけることができました。
6.夫は絶対折れないし自分ファーストな人間なので家事や育児の分担について妥協点を見つけるのは難しい気がした。
7.経営陣と労働組合はどこで妥協点を見つけるべきかを真剣に検討しなければなりません。
8.環境保護と産業の発展の間で妥協点を見つけることは、持続可能な未来を構築するために必要だ。
9.その夫婦は、お金の使い方についてお互いが納得できる妥協点を探しているようだった。
10.貿易協定の改正の協議は難航したが、長い交渉の末、双方は最終的な妥協点を見つけることができました。

この言葉がよく使われる場面としては、互いに歩み寄って一致できる所のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「妥協点」はビジネスシーンでも使うことができる言葉です。

「落としどころ」と「妥協点」はどちらも揉め事や話し合いの決着点のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「落としどころ」よりも「妥協点」の方が我慢しているニュアンスが強いと覚えておきましょう。

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