【遠慮させていただきます】と【ご遠慮いただいております】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「遠慮させていただきます」(読み方:えんりょさせていただきます)と「ご遠慮いただいております」(読み方:ごえんりょいただいております)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「遠慮させていただきます」と「ご遠慮いただいております」という言葉は、似ていても意味は少し異なりますので、ご注意下さい。




「遠慮させていただきます」と「ご遠慮いただいております」の違い

「遠慮させていただきます」と「ご遠慮いただいております」の意味の違い

「遠慮させていただきます」と「ご遠慮いただいております」の違いを分かりやすく言うと、「遠慮させていただきます」とは相手の誘いなどを断る時に使う言葉のこと、「ご遠慮いただいております」とは相手の行動を制限したい時に使う言葉のことという違いです。

「遠慮させていただきます」と「ご遠慮いただいております」の使い方の違い

一つ目の「遠慮させていただきます」を使った分かりやすい例としては、「先約が入っているため今回は遠慮させていただきます」「十分に検討してみたのですがご遠慮させていただきます」「明日は予定が入っているためご遠慮させていただきます」などがあります。

二つ目の「ご遠慮いただいております」を使った分かりやすい例としては、「会場内での飲酒はご遠慮いただいております」「近隣住民の迷惑になる行為はご遠慮いただいております」「帯電話のご使用はご遠慮いただいております」などがあります。

「遠慮させていただきます」と「ご遠慮いただいております」の使い分け方

「遠慮させていただきます」と「ご遠慮いただいております」は似た言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。

「遠慮させていただきます」は「今回は予定が入っているため参加の方は遠慮させていただきます」「申し訳ございませんが今回は遠慮させていただきます」などのように、相手の誘いなどを断る時の言葉として使います。

一方、「ご遠慮いただいております」は「会場内でのお煙草はご遠慮いただいております」「他人の迷惑になる行為はご遠慮いただいております」などのように、相手の行動を制限したい時の言葉として使うというのが違いです。

「遠慮させていただきます」と「ご遠慮いただいております」の英語表記の違い

「遠慮させていただきます」を英語にすると「I’ll have to beg off」「I think I’ll pass」となり、例えば上記の「明日は予定が入っているためご遠慮させていただきます」を英語にすると「I think I’ll pass this time. I have plans on tomorrow」となります。

一方、「ご遠慮いただいております」を英語にすると「please refrain from」「please do not」となり、例えば上記の「携帯電話のご使用はご遠慮いただいております」を英語にすると「Please refrain from using your cell phone」となります。

「遠慮させていただきます」の意味

「遠慮させていただきます」とは

「遠慮させていただきます」とは、相手の誘いなどを断る時に使う言葉を意味しています。

表現方法は「今回は遠慮させていただきます」「ご遠慮させていただきます」

「今回は遠慮させていただきます」「ご遠慮させていただきます」などが、「遠慮させていただきます」を使った一般的な言い回しになります。

「遠慮させていただきます」の使い方

「遠慮させていただきます」を使った分かりやすい例としては、「残念ながら予定が合わないため今回はご遠慮させていただきます」「大変申し訳ありませんが今回は遠慮させていただきます」「明日は先約があるため遠慮させていただきます」などがあります。

「遠慮させていただきます」は、辞退することを意味する「遠慮」に、自分側が行うことに対して相手側あるいは第三者から許可をもらって行うことを意味する「させていただく」と丁寧語の「ます」が合わさり、相手の誘いなどを断る時に使う言葉を意味しています。

「遠慮させていただきます」の二重敬語ではない

「遠慮させていただきます」を間違った敬語の使い方と指摘する人もいますが、結論から言うと、二重敬語ではなく正しい敬語表現になります。

二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」のように同じ種類の敬語を重複させることです。

「遠慮させていただきます」の名詞の「遠慮」に、させてもらうの謙譲語の「させていただく」と丁寧語の「ます」が合わさった言葉なので、二重敬語の例には当てはまっていないため、正しい敬語表記であると覚えておきましょう。

「遠慮させていただきます」の敬語なので上司や目上の人に使える

「遠慮させていただきます」は正しい敬語表現なので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対して使うこともでできます。また、「遠慮させていただきます」をさらに丁寧に表現したい時は「ご」を加えて「ご遠慮させていただきます」をするのがいいでしょう。

「遠慮させていただきます」の類語

「遠慮させていただきます」の類語・類義語としては、相手の要求や要望に応えることができなことを意味する「ご意向に沿えません」、相手の申し出などに応じられないことを告げる「お断りさせていただきます」などがあります。

「ご遠慮いただいております」の意味

「ご遠慮いただいております」とは

「ご遠慮いただいております」とは、相手の行動を制限したい時に使う言葉を意味しています。

表現方法は「大変恐縮ですがご遠慮いただいております」

「大変恐縮ですがご遠慮いただいております」「誠に申し訳ないのですがご遠慮いただいております」「恐れ入りますがご遠慮いただいております」などが、「ご遠慮いただいております」を使った一般的な言い回しになります。

「ご遠慮いただいております」の使い方

「ご遠慮いただいております」を使った分かりやすい例としては、「この場所での喫煙はご遠慮いただいております」「本イベントは飲食物の持ち込みはご遠慮いただいております」「ゴミのポイ捨てはご遠慮いただいております」などがあります。

「ご遠慮いただいております」は人に対して言葉や行動を慎み控えることを意味する「遠慮」に、接頭語の「ご」、もうらの謙譲語の「いただく」、いるの丁重語の「おる」、丁寧語の「ます」が合わさり、相手の行動を制限したい時に使う敬語表現です。

「ご遠慮いただいております」は、とある行為を辞めさせる注意喚起として使うのが一般的になっています。例を挙げるならば、飲食、喫煙、飲酒、携帯電話の使用などがあります。

「ご遠慮いただいております」の敬語なので上司や目上の人に使える

「ご遠慮いただいております」は敬語表現なので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対して使うこともでできます。

また、「誠に申し訳ございませんが」「大変恐縮ですが」「恐れ入りますが」などのクッション言葉と一緒に使うことによって、さらに丁寧な表現にすることが可能です。

クッション言葉とは、伝えたい本題に入る前に一言添えて気遣いを示す言葉のことを意味しています。

「ご遠慮いただいております」の類語

「ご遠慮いただいております」の類語・類義語としては、やめてほしいとお願いをすることを意味する「やめていただけませんか」、やめてくださいとお願いをすることを意味する「お控えください」などがあります。

「遠慮させていただきます」の例文

1.せっかくお誘いいただいたのに恐縮ですが、今回は遠慮させていただきます。
2.お声がけいただいて大変喜ばしいのですが、先約があるためご遠慮させていただきます。
3.大変申し訳ありませんが、その日は抜けられない用事がありますので、ご遠慮させていただきます。
4.せっかくお誘いいただき大変心苦しいのですが、別件が入っているため、今回はご遠慮させていただきます。
5.当日はどうしても外せない用事があるため、参加の方は遠慮させていただきます。

この言葉がよく使われる場面としては、相手の誘いなどを断る時に使う言葉を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「遠慮させていただきます」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「ご遠慮いただいております」の例文

1.こちらは未発売のサンプル品なので、社外への持ち出しはご遠慮いただいております。
2.他のお客様へのご迷惑になる可能性があるので、廊下での立ち話はご遠慮いただいております。
3.本イベントは未成年の方も参加しておりますので、会場内での飲酒喫煙はご遠慮いただいております。
4.マスクを着用していない方の入店は、ご遠慮いただいております。
5.本会場において携帯電話等での撮影は、ご遠慮いただいております。

この言葉がよく使われる場面としては、相手の行動を制限したい時に使う言葉を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように「ご遠慮いただいております」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「遠慮させていただきます」と「ご遠慮いただいております」は似た表現ですが意味は少し異なっています。

どちらの言葉を使うか迷った場合、相手の誘いなどを断る時に使う言葉を表現したい時は「遠慮させていただきます」、相手の行動を制限したい時に使う言葉を表現したい時は「ご遠慮いただいております」を使うと覚えておきましょう。

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