【興じる】と【興ずる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「興じる」(読み方:きょうじる)と「興ずる」(読み方:きょうずる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「興じる」と「興ずる」という言葉は、どちらも興味を持ち面白く過ごすという共通点があり、使う場面は少し違いますが混同して使われる傾向があります。



興じると興ずるの違い

興じると興ずるの違いを分かりやすく言うと、辞書に載っている現代風の読み方か、古い読み方かの違いです。「興じる」と「興ずる」は、どちらも同じ意味を持つ言葉で、現代では「興じる」の方を一般的な読み方として使用しています。

一つ目の興じるを使った分かりやすい例としては、「人生に興じるようになった」「ハイボールの香りに興じる」「ことばに興じる会」「各国の文化に興じる」などがあります。

二つ目の興ずるを使った分かりやすい例としては、「酒場で興ずるカラオケ」「囲碁に興ずる男性」「おしゃべりに興ずる女性たち」などがあります。

なぜ、興「じる」と興「ずる」という二種類の語尾が存在するのか。これは、日本語の口語文法と文語文法の決まりによる違いがあるからです。口語文法とは、しゃべり言葉のことで、文語文法とは、文章で書く際の言葉という意味です。

これらの日本語文法には「活用法」という考え方があります。活用法とは、文章の流れによって単語の語尾を違和感のないように変えることを意味します。

まさしく「興じる」「興ずる」のように、最初の言葉は同じであっても語尾が違う言葉が存在するのは、活用法によって文脈に合うかたちで語尾が変えられているからです。

興じる、興ずるという言葉は「サ行変格活用」という活用法によって、語尾を変えています。サ行変格活用では、文章の流れによって語尾をサ行の言葉である「さしすせそ」を元にして変えていきます。

「興じる」「興ずる」という言葉の場合、「興」という先頭の言葉はそのままに、語尾を「未然形:じ」「連用形:じ」「終止形:じる・ずる」「連体形:じる・ずる」「仮定形:じれ・ずれ」「興令形:じろ・じよ・ぜよ」という風に変化させます。

語尾の変化の形である未然形や連用形などの名称は、その言葉がどのような文脈で使われているかの形のことを指しています。例えば「未然形」というのは「まだそうなってはいない」という意味を持ち、否定形と一緒に使われます。

つまり、興じるの未然形の表現は「興じない」となります。変化しない先頭の「興」に未然形の「じ」をつけて、最後に否定形の「ない」を付けた形です。

このように、日本語には、様々な文法上の決まりがあります。「興じる」「興ずる」というのは、両方ともこの文法で言うところの「終止形」です。

終止形というのは、言い切りの形という意味があります。文章ではなく、ひとつの単語として使う際には終止形を使います。

「興」の終止形には「じる」と「ずる」の二種類があります。これが「興じる」と「興ずる」の違いです。二種類の語尾がある場合、どちらを使っても間違いではありませんが、どちらか一方が、一般的に使われているものであることがほとんどです。

「興」の場合、辞書に記載されているのは「興じる」という言葉です。こちらが、現代では一般的に使用されている言葉であり、「興ずる」というのは古い言い方になります。

しかし、意味に違いはありませんし、どちらも文法的には使えるものですので、個々人の好みや文章の前後の文脈などを考えて、自由に使い分けが出来るものであると言えます。

興じるの意味

興じるとは、興味を持ち面白く過ごすことを意味しています。

興じるを使った分かりやすい例としては、「キャンプに興じるためのコツ」「デザインを興じられる建物」「昔ながらの温泉に興じる」「学校で興じられる遊具」などがあります。

興じるの類語・類義語としては、楽しい時間を過ごすことを意味する「遊ぶ」、熱中することを意味する「ふける」、理性を失うほど夢中になることを意味する「溺れる」などがあります。

興じるの興の字を使った別の言葉としては、面白みを感じることを意味する「興味」、遊び興じることを意味する「遊興」、宴会等の出し物を意味する「余興」などがあります。

興ずるの意味

興ずるとは、興じるという言葉の少し古い言い方を意味しています。興ずるというのは「興ず」という言葉のサ行変格活用の終止形です。

興ずるを使った分かりやすい例としては、「最近の子はカードゲームに興ずる」「退社後お花見に興ずる」「卓球に興ずるマダム」などがあります。

意味としては、興じると全く同じものであり、文章の前後の文脈などによって使い分けることが出来るものです。辞書には「興じる」は載っていても、「興ずる」という言葉は載っていないことが多く、興ずるは現代語よりも少し古い表現です。

しかし、意味は同じであるので、「興じる」「興ずる」のどちらを使っても間違いではありません。古風な雰囲気を出したい時などには、あえて「興ずる」という言葉を使うのも良いでしょう。

他にも、例えば「興ず」という言葉の興令形を考えてみると、現代風の言い方であれば「興じろ」となりますが、古風な言い回しになると「興じよ」または「興ぜよ」となります。

この「興じよ」「興ぜよ」と同じ雰囲気を持つのが「興ずる」であると考えると、わかりやすいでしょう。

興じるの例文

1.くだらないおしゃべりに興じる暇があったら、手を止めてないで早く仕事をしなさい。
2.会話に興じる若者たちが沢山いる場所は苦手なので近寄らないようにしている。
3.平日は全力で仕事をして、休みの日は趣味に全力で興じるのが私のライフスタイルだ。

この言葉がよく使われる場面としては、興味を持ち面白く過ごすことを表現で表したい時などが挙げられます。

今日の日常生活やビジネスシーンの中ではこの言葉を使う人は少なく、口で言われても理解をしてもらえない可能もあるため、代わりに「楽しむ」や「遊ぶ」といったよく耳にする言葉を代用した方が無難でしょう。

興ずるの例文

1.サッカーに興ずるためのグランドを増やすことが、この街のサッカー人口の増加に繋がるはずだ。
2.仕事帰りは外食して、その後は軽くゴルフの打ちっ放しに興ずる日々を送っている。
3.冬になり、ようやくウインタースポーツに興ずる季節がやってきた。

この言葉がよく使われる場面としては、興じるという言葉を少し古風な表現で表したい時などが挙げられます。

上記の例文を見れば分かる通り、「興ずる」を「興じる」に置き換えても文章としての問題は全くありません。

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